見出し画像

舞台から見る景色

バレエダンサーの藤野暢央(ふじののぶお)です。

コロナでしばらくお休みしておりましたが、舞台でのバレエ公演を無事に終えることができました。半年近くしっかりと踊っていなかったので、体の調子はとても厳しいコンディションでしたが、妻のバレリーナ京子と一緒に、私たちの一番得意なバレエ「くるみ割り人形」のデュエットを選び、伸び伸びと踊らせていただきました。

私たちは今は夫婦ですが、バレエ団の頃から長い間、一緒に踊ってきました。一つの物語を全部語る、2時間以上のバレエ作品なども二人で主演させていただいたこともたくさんありますので、いつもお互いが「どのような想いで、どのようなコンディションで踊るのか」をよく感じ合っている状態で舞台に挑むことができるのは、本当に幸せなことだと思っています。

舞台の上から見る景色、というのはどんな景色なのか、ライブの映像などを見たことがあれば想像はつくかもしれませんが、本当にそこに立ってパフォーマンスをした経験がない人にとっては、本番の心境は全く理解できない感覚だと思います。

もちろん私たちは颯爽と舞台に飛び出して、思う存分「踊り」を披露させていただくのですが、今回の踊りは「くるみ割り人形」からのクライマックスのダンス。クリスマスの夜に少女クララが見る夢の国のパーティーのシーン。私たちは全幕で物語が進行して、そこに至った心境で、そのダンスシーンをスタートします。

だから私たちにとって舞台はすでに「物語の世界」になっているのです。そして皆様をその世界へといざなう…

だけど久しぶりに舞台に登場した私たちに、何となく「おかえり〜」と伝わってくる皆さまの雰囲気に対して、私たちも「ただいま〜」という感じで踊らせていただきました。

まだまだ私たちは「バレエ」を踊ってまいります!

to be continued...

私たちの「くるみ割り人形のパドドゥ」(動画)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?