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観る感動 魅せる感動

僕はバレエダンサーです。

今も現役で踊っていて

今は休業中のプロのダンサーです。


外出制限や休業要請が解けはじめ

人々は活動を再開し始めました。


ダンサーにとって活動をする、とは

やはり「踊るべき場所で踊る」というのは確かで

それができないと困る。


僕にとってもそうです。


だから今の状況になって

人々は動き始めるでしょう。

踊りを再開していくでしょう。

できるだけ早く、舞台を復活させたいでしょう。


でも本当に大丈夫なんでしょうか?


そもそもバレエや舞台演劇の

存亡の危機と感じている人もいるでしょう。


もしかすると「テレワーク」みたいに

これからはバレエは映像で観るものが

主体になっていくんじゃないか?って

心配になる人もいるでしょう。


いや

バレエは絶対に無くならないし

劇場で上演されるスタイルは

永遠になくならないでしょう。


だってそこには

「観る感動 と 魅せる感動」があるから。


僕にはダンサーとして

「叶えたい夢」があります。

でもその夢は「永遠に叶わない夢」です。


その夢は

「舞台で踊っている自分を、客席から観る」

です。


バレエは視覚的に見るものですから

ダンサーはその姿かたちやテクニックを

見られます。

でもそれは映像で見ることもできます。


じゃあなんで「劇場に行ってホンモノを観るの?」


それは「生の舞台」でしか見られない

感じられないものが、確かにそこにあるから

ですね。


生の舞台で観ることができた

世の中の素晴らしいダンサーたち。

そこで味わった説明のつけられない感動や

一生忘れられない瞬間が

今でもこの目に、この肌身に

焼きついている。


それはダンサーが放つオーラのような

そこにしか発生しないエネルギーのようなものが

確かにある。


そして世界を代表するスーパースターたち。

今は亡くなられてしまって

二度と「生の舞台」でお目にかかれない人たちもいる。

映像で見たことはあるけれど

実際の舞台で観ることができたら

どんなに素晴らしかっただろう。


悔しい。実に悔しい。



僕もダンサーとしては

なかなかの人生を送ってきました。


駆け出しの頃から

誰かに褒めてもらうために頑張ってきた頃もあった。


自分では「あんまし良くなかったかも…」と

思えた舞台で「素晴らしかった!ホントに良かった!」

と言われたり


「心から感動した。この舞台を観ることができて

本当に良かった。一生忘れないだろう」と


言ってくれる人もいた。


正直に申しますと

僕は自分の踊りは

そこまで好きじゃありません。

映像で観る限り…。


でも映像じゃ分からない

映像では伝わってこない何かが

そこにはきっとあるのでしょう。


いやあ、見てみたいものです。

「生の舞台で、踊る『自分』を」


そんな訳で

劇場で起こる「生の舞台」には

踊る人にも観る人にも

その時その場所でしか

味わえないような


「一生残る一瞬」

があるんです。


だからバレエも演劇も

一生なくなることはない。


大丈夫だから。


焦って頑張って

無理に舞台するのは

もうちょっと待ちましょ?


今はできるだけ早く

「安全に舞台ができる日が来るまで」


心から祈っております。


to be continued...



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