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セルフテストプレイのすすめ 【ボードゲームの作り方】

こんにちは。ボードゲームデザイナーの山田空太(やまだくうた)です。

noteでは、主にボードゲームの作り方について書いています。

今日の記事は、ボードゲーム作りのちょっとした手法のご紹介です。もしご興味があれば、以下の記事もご覧ください。

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さて、今回のタイトルはセルフテストプレイのすすめです。セルフテストプレイというのは、一人でボードゲームのテストプレイをすることなのですが、造語かもしれません。

インタビュー集『創造的な習慣』

約3年前になりますが、@saashiandsaashiさんのインタビュー企画『創造的な習慣』で、ボードゲームをどのように作っているかについての話をさせていただきました。そのときにも話したのですが、ぼくはボードゲーム作りの工程の中で、セルフテストプレイを繰り返し行うことを推しています。

セルフテストプレイが必須かというと、そうでもありません。中には、セルフテストプレイを殆どしないゲームデザイナーもいるようです。確かに、一人でずっとテストキットをこねくり回していると、偏りや執着が生まれてしまう。いつの間にか、飛躍が見込めないアイデアに囚われてしまっていて、それに自分で気づけない状態に。

それでも、ぼくがセルフテストプレイを推す理由は、一人で繰り返し同じことをやることで、アイデアが深化していくからです。セルフテストプレイを繰り返すことで、コンセプトが形になるプロセスの精度が少しずつ上がっていくのです。

セルフテストプレイはシャドウピッチングのようなもの

セルフテストプレイというのは、モヤっとしたイメージを固めていく作業なのかもしれません。野球で例えると、投球フォームを固めるためのシャドウピッチングのようなものかなと。

実際にボールを投げるのではなく、ボールを使う練習の1つ手前。つまり、シャドウピッチング。鏡を見て、フォームを修正する。

正直、一人でテストプレイをするのは、すごくつまらないです。明らかに良くなる方法が見つからない。どこから直したらいいかわからない。どうしようもない状況になることも多いです。しかし、そこは避けて通れないのです。

特に最初のセルフテストプレイは、嫌になるくらいにつまらない。それまでの頭の中のキラキラした構想が一瞬にして崩れ去って、放り出したくなります。

「でも、何か可能性は感じる。よし。もうちょっとやってみよう! 
「いやいや、やはりダメだ、さすがにひどい」
このような自己対話が生まれますが、この段階ではうまくいく解決策を考えるのではなく、実際に色々と手を動かしてみるのが大事です。

対人テストプレイの段階になると、ゲームのバランス調整がメインになってきて、なかなかアイデアの精度をあげている時間がありません。つまり、セルフテストプレイの間に、ゲームの核をしっかりと形作っていくと良いですね。

セルフテストプレイのコツ

1つだけ、セルフテストプレイのコツがあります。それは、序盤を重視することです。

もっと言うと、1ターン目をひたすら繰り返すことをオススメします。これは、プレイヤーが最初の手番に置いて、意図のある選択ができているかを検証するためです。初手は重要ですよね。初手がモヤっとしていると、なかなかゲームに入っていけません。


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「最初から手なりになっていないだろうか?」
「ゲームの見通しはどうだろうか?」
「その選択をきちんとデザインしていけるだろうか?」
そんなことを考えながら、何度も1ターン目のセルフテストプレイをやっていきます。

もし、1ターン目に面白さのかけらを発見することができれば、そのゲームは見込みがあるんじゃないかなと思います。

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今日の記事は以上です。

この記事が、少しでも創作のヒントになればいいなと思います。お互いコツコツと頑張りましょう!

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