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リピーター特典【まえばし駅前天然温泉ゆ〜ゆ@群馬県】(1/2)

 僕は対人関係、特に仕事の場面でのコミュニケーション方法においては、D・カーネギーの著書『人を動かす』の影響を非常に受けていて、その内容は過去に二度ほどnoteで触れたことがあった。

 そのタイトルの通り、僕はこの本から「どうすれば自分の思い通りに相手を動かすことができるか」ということを特に学んだわけだが、この本のポイントはもっと深いところにある。それは「自分の欲求を満たすためには、まずは相手の欲求を満たすことを考えよ」ということだ。要するに、この本には「意のままに相手を動かすための方法」というよりも「WIN-WINな関係になるための秘訣」が記されているわけである。

 僕はもともと自己中心的な考えを持つ人のことが苦手で、そのような人を避けて生きてきた。自己中心的な人というのは、概して感情的にもなりやすく、相手をしているだけで疲れてしまうのだ。
 したがって、僕は自分自身がそうならないよう、できるだけ理性的に行動するように日頃から心がけている。相手に不満を抱いたとしても、それを直接その相手にぶつけるようなことはしないし、まずは不満の原因を冷静に分析するところから始めて、建設的に解決策を考えるようにしている。何事に対しても「勝つ時はお互いに勝って、負ける時はお互いに負けたい」のだ。

 しかし、自分が得をするために相手の欲求を満たし、その結果としてWIN-WINな関係を構築するというカーネギーの教えを普段から実践し続けた結果、僕の思考は徐々に変化していった。そもそもの見返りを求めずとも、純粋な気持ちで相手の欲求を満たすコミュニケーションを心がけるようになったのだ。「ここで何をすれば相手の負担が軽くなるか」「ここで何を言えば相手の気分が良くなるか」、僕はそんなことを意識しながら周りの人と接するようになり、その結果として僕になんらかのメリットが得られる場合もあれば、特になにも得られない場合もある。
 ただ、仮になにも得られなかったとしても、損をした気分にはならない。なぜなら、最初から見返りを求めていないわけだし、それは言い換えると「そもそも相手に期待していない」からだ。このような考えを持つようになってから、僕は生きることが少し楽になったような気がする。

 そんなある日のこと。僕は以前に一度だけ泊まったことがある旅館に、再び旅行で宿泊する予定を立てたのだけれど、その予約をする時に「以前にも宿泊したことがあり、その時にとても満足したため再び伺うことにした」といった旨を伝えた。

 そして迎えた宿泊日当日。宿に着くと、前回と変わらぬホスピタリティに感心しつつ、部屋で休んでいると夕食の時間になった。今回は部屋食でお願いしていたので、料理を部屋まで運んできてくださったのだけれど、そこで「リピーターの方にはドリンクをサービスしております」とメニュー表を渡されたのだ。これは事前に知らされておらず、どこにも公表されていない特別なサービスだった。

 ここで僕は、予約時のことを思い出した。あの時、僕は純粋に「前回とても満足したからまた伺います」と、思ったことをそのまま伝えただけである。それに対して見返りなんて求めていなかったし、前回の感想を伝えたところで僕が損をするわけでもない。その上で、きっとそういったことを伝えたら宿の人も喜んでくれるだろうと思っただけだ。だが、それによって結果的に僕自身の心も満たされたわけである。

 翌日、良い気分のままチェックアウトを済ませた僕は、次の目的地へと向かったのだった。

ーー後編に続く

(written by ナオト:@bocci_naoto)

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