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ゴッホとゴーギャン展

開催されたのは2016〜2017年なのだが、今まで見てきた中で一番好きな美術展だった。ゴッホとゴーギャンの関係に焦点を置いた展示がされていた。

美術展の最後に、ゴーギャンの描いた〈肘掛け椅子のひまわり〉という作品が展示されていた。ひじかけ椅子とひまわりというゴッホを思わせる被写体だが、窓の外の風景はアルルではなくタヒチだ。世俗を避けタヒチまで行きついたゴーギャンは一体どんな気持ちでこの絵を描いたのだろう。と、会場で泣いてしまった。それくらい、展示の妙があった。

ゴッホを小野大輔が、ゴーギャンを杉田智和が演じたボイスガイドも大変良く、「私たちは好きあってる」だとか「あなたのフィンセント」だとか「私が『フィンセント』の名を出すとき声が優しくなると言われたがそれは間違いではない」だとかをいい声で言い出すのだ。これまでゴッホとゴーギャンの関係というのはゴッホの独りよがりな感情なのだと思っていたのだが、間違いだったのだとここで初めて知った。

この展示を見て初めて美術展にはそれぞれコンセプトがあるのだということを理解した。以降の美術展の見方も変わる、大変印象深い美術展だった。

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