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『常識の超え方』 クラブが文化の発信拠点になる。

チームというより組織全体、クラブ全体を強くするという視点で経営を捉える。観客とファンをどんどん増やし、満員にする。売上と利益を増やす。それが経営者の役割。選手の年俸も元を辿ればお客さんからもらったお金。クラブの偉い人ではなく、お客さんとスポンサーに感謝しファンサービスをするべき。それぞれの役割を全うする。チームの役割は勝つこと。経営者の役割は売上と利益を増やすこと。

スポーツビジネスの真髄

スポーツを基軸とした拠点を創ること。街づくり。

経営が強くなる。
組織全体が強くなる。
楽しさと魅力が地域に増える。
ファンが増える。
関心と期待が地域を包み込む。
地域と一体になる。

こういった複合的な要素が組み合わさった結果、チームが強くなり、「みんなの夢」に向かって”熱狂”と”感動”が生まれる。

スポーツ組織は普通の会社と何が違うか?

あくまで株式会社であり世の中の普通の会社と同じと捉える必要がある。

その中での特殊性は何か。

1、常にメディアで大きく報じられる。
2、毎年同じサイクルを繰り返すビジネスモデル。
3、地域との繋がりが強い。

特殊性はいくつかあるとして、クラブ経営も一般企業と考え方は同じ。
チームや試合などのコンテンツがクラブの自社サービスであるとした時に、それをどうやって世の中とコミュニケーションをし、 売上があげられるかを考える必要がある。

事業部と強化部をできるだけ一貫して同じ戦略で考え、市場(リーグ)でどう勝っていくのか、業界の中でどんなポジションをとっていくのか、前回の記事(https://note.mu/boasorte_ym11/n/n0b3ee7a8b68e)で書いた、USP(競合優位性)は何でどこにエッジを立たせて訴求していくのかを確立させられるといいのかなと。中々難しいと思うけど。

また、常識を超えることと、非常識は別物。

** 地域・行政とのつながりが大きいので、信頼関係を構築し、地元に応援されるようなチームになる必要がある。そういう意味では、”大人と大人らしく付き合う力”特に”あらゆる人とうまく付き合う力”を備えていることが大切。また、「俺たちプロ野球」という自意識で、尊大で偉そうな(相手からそう見られてしまうような)態度で地域の人、お店、ファンとのコミュニケーションやビジネスに臨むべきではない。**

売上を倍増させるメソッド

■売上構成の柱
・チケット
・グッズ
・スポンサー
・放映権
・シーズンシート
・ファンクラブ
・飲食
・スクール事業
・新規、その他事業

*チケット

最重要指標は観客動員数、ただ動員数という数字を増やすのではなく「チケットの価値」を高めることができるかが重要。

どうやってプレミアムチケット化するか。

客席を埋めるための単純施策は招待券を配ることだけど、やり方によっては逆効果になるので注意が必要。なぜか?応援の熱、スタジアム全体の熱狂が生まれにくく本当の魅力を感じてもらいにくい。
(サポーターがつくる応援と盛り上がるスタジアム空間は大きな付加価値)

無料招待券で来場した人たちは「またタダでもらえるだろう。」という心理になるので、対象を子供に限定して無料招待するなどが有効。(将来の顧客)

それ自体が観客動員数を稼ぐための戦略ではなく、あくまでそれ以外の戦略と組み合わせて活用される戦術でなくてはならない。

また、効率的な売り方、チケットを買いやすい仕組み創りが必要。
スマホ最適化をしたシステムを構築して、CRMを行う。まずどのチャネル、デバイスでの購入が多いのか経路確認やスタジアムを満員にすることにコミットするプロジェクトチームを社内に作っても良い。

シーズンチケットの発券だけでなく、着券率に注目して必要であればそこのテコ入れが最も重要な可能性がある。発券数が多ければ売上はあがるけど、着券率が低ければ長期的なファンづくりにとって大きなマイナス要素になる。

空席が多ければ盛り上がりに欠け、スタジアムが創り出す非日常感や熱狂、感動が成立しにくくなるので、そう考えると一つのセグメントとして○回以上来場者、新規の他に、『シーズンチケット保有者であるが着券率の低い人』といったセグメントは特に重要なターゲットになると思う。(横浜DeNAベイスターズはシーチケの着券率80〜90%まで向上

*グッズ

ライセンス形式と自社一貫形式の併用でそれぞれのメリットとデメリットを理解する。
グッズの企画にもファンの心を掴むストーリーが大切。(復刻系やタイムリーなもの、日常使いできるもの等)

*スポンサー

大小様々なスポンサー、スポンサーメニューも「もうスペースがない」と限定しないで、スタジアム全体のあらゆる物理的、時間的スペースを見渡してみるとスペースの開発が可能だと気づく。

例えば、基本的にトイレ休憩時間と考えられていたイニング間の時間に、特注のピックアップトラックで観客にバズーカを打ち込んだり、オリジナルのダンスミュージックに合わせて踊るハッピースター☆ダンスの仕掛けなど楽しめる仕掛けがたくさんあることでイニング間のスポンサーがつくようになる。

スタジアム一体経営のメリット

「球場(ボールパーク)で過ごす時間の価値をいかに高めていくか」がすべて。飲食や音楽やイベントなどのソフト面と、多様なシートや快適なトイレや託児所などのハード面を魅力的に変えていくこと。
その結果、コアファンからライト層まで幅広い顧客層が生まれる。
お客さんにとってはスタジアムの管理会社のことは関係なく、チームのものとしてスタジアムを見るので、仮に球場側の問題でトラブルがあったとしてもチームへの苦情となる。

また、スタジアムと街の理想の関係とは、街からスタジアムに向かう途中にずっとワクワク感が感じられ、スタジアムからも街並みが見える。スタジアムと街の間にある結界が新規のお客さんを呼べない理由だとしたら、それをなくすために、街に馴染み、人々に開かれたスタジアムの構造であることは大切。

そのためには以下のどちらか

1、自立で資金を工面して建設するか
2、地域や自治体と良好な関係を築き管理・運営の権利を持つか

これまでハコモノという位置付けだった日本のスタジアムは、これからは「街のアイコン」「地域に文化を発信する拠点」「地域の誇りであるレガシー」あることを目指す必要がある。試合がない時もファンが訪れ、観光客が訪れ、必ずみんなが戻ってくる心の拠り所であるような場所。

そういったスタジアムのブランディングも大切。

地域の人と人を結びつけ、世代を超えてコミュニケーションが図られ、コミュニティが生まれる場として考えるべき。「昔、ベイスターズが日本一になった瞬間をここで見たんだよ」とおじいちゃんが孫に自慢げに語れる。そう言う光景があちこちで生まれるような球場を目指して改善を重ねていく。

スポーツビジネスに大切な世の中とのコミュニケーション、地域社会との繋がり、街の人に開かれた心の拠り所であること。

公共性の高いスポーツクラブが文化の発信拠点となるべく、チームや選手だけではなく、クラブ全体、スタッフも進化して街から愛されるような存在にならないといけない。

そういえばこの前、電通に打ち合わせに行った時にやってたVR体験。

よろしくお願いします🙇‍♂️