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TRPGの遊び方、準備するもの/試し読み:『TRPGのデザイン』その2

2023年5月に刊行した『TRPGのデザイン』から、「TRPGの遊び方」「TRPGで準備するもの」のパートをご紹介します。

「TRPG」「マーダーミステリー」などの単語で検索して、このnoteを見つけた方も、こちらのnoteを読んで、『TRPGのデザイン』にご興味が湧いたという場合は、ぜひお手にとってご覧いただけますと嬉しいです。

また、こちらのnoteはシェア大歓迎です。
『TRPGのデザイン』をお持ちでない方も、あなたのTRPGライフにぜひお役立てください。

書誌情報(BNN HP)はこちら。

試し読み:その1「TRPGの現在、システム・シナリオのいろいろ」はこちら。

試し読み:その3「TRPGの用語集」はこちら。

試し読み:その4「マーダーミステリーとは、マーダーミステリーの遊び方、準備するもの」はこちら。

試し読み:その5「マーダーミステリーの用語集」はこちら。

TRPGの遊び方

本書の「TRPGの遊び方」ページ(『TRPGのデザイン』より)

TRPGはコミュニケーション型のロールプレイングゲームだ。参加者は協力し て物語を創り上げ、スキルや能力の活用、情報共有、対話や交渉を行いながら、 ダイスを使った判定などでキャラクターの行動の成否を決めていく。ここでは 一般的な遊び方の一例を紹介する。

システム・シナリオの選択

遊びたいTRPGのシステムとシナリオを選ぶ。公開されている作品の世界観や傾向のほか、プレイ想定時間も参考にしたい。短いシナリオであってもボイスセッションであれば1時間以上、テキストセッションであればその数倍かかることがある

ゲームマスターとプレイヤーの決定

ゲームマスター(GM)は物語の進行役で、プレイヤーは物語の登場人物となるキャラクターを演じる。GMはストーリーや舞台設定の理解を深めるためにシナリオを読み込み、登場人物(NPC)の管理、進行手順の確認、ルールの解釈・アレンジなどの事前準備を行う。プレイヤーは同期的に集まれるメンバーを募り、ゲームマスターと調整して日程を決める。

ハンドアウト選択とキャラクターの作成

ハンドアウト選択制のシナリオでは、プレイヤーは自分が選んだハンドアウトごとに演じるキャラクターを作成する。ルールブックに従って、キャラクターの能力値やスキル、装備などを決定し、キャラクターシートに記入する。またキャラクターの背景や性格を考え、自分のキャラクターがどのような思考を持ち行動を取るか考えておくことで物語の世界に入りやすくなる。キャラクターシートはゲーム開始前にGMに提出し、GMはキャラクターシートを確認して、プレイヤーへアドバイスするほか、ゲームのバランス調整を行う。

セッション開始

GMがシナリオの導入説明を行い、ゲームを開始する。プレイヤーはキャラクターとしてロールプレイ(RP)をしながら物語を進める。GMはストーリーの進行に合わせてプレイヤーに状況を説明し、プレイヤーはキャラクターとしてどのような反応をし行動を取るかを考え、伝える。GMはプレイヤーの行動の結果やどのような結果が予想されるかの描写を行い、それを受けてさらにプレイヤーがキャラクターを動かす……というように進んでいく。

物語の進行

プレイヤーはハンドアウトに書かれていた目標、あるいは物語が進行する中で生まれた目標を達成するために、戦闘や交渉などさまざまなシーンを経験する。シナリオにはプロットがあるが、物語はプレイヤーの選択や行動によって変化する。積極的にプレイヤー同士、またGMとコミュニケーションを取り、ストーリーや自身の行動についての考えやアイデアを共有しながら進めていこう。

行動判定

プレイヤーが行動を決定したら、GMはその行動が成功するか失敗するかを判定する。多くのTRPGではダイスの出目とキャラクターの能力値やスキルを組み合わせて判定が行われ、判定はルールブックに準拠する。

セッション終了

ストーリーが一定の終わりに達するか、プレイヤーが目標を達成することで、セッションは終了する。GMが物語の顛末を語り、プレイヤーはキャラクターの今後について考えたり、経験値を獲得してキャラクターを成長させたりする。

アフタートーク

セッション終了後、参加者は物語の感想やキャラクターの行動について語り合ったり、次回のセッションについて話し合う。


TRPGで準備するもの

本書の「TRPGで準備するもの」ページ(『TRPGのデザイン』より)

TRPGは時間とメンバーが確保できればオフラインでもオンラインでも遊べる。前提として、オフラインの場合はセッションができる場所、オンラインの場合は、セッションツールが快適に動くデバイスやWi-Fi、ボイスセッションならヘッドセットなどを用意し環境を整える必要がある。

ルールブック・サプリメント

遊ぶTRPGのルールブック、必要に応じてサプリメントと呼ばれるルールブックを拡張する追加データ集を用意する。ルールブックにはゲームの世界観、システム、ルール、キャラクターの作成方法、キャラクターシートのテンプレートなどが記載されている。参加者全員が所有しているか、あらかじめGMが把握し説明するなど、前提を確認・理解していることが理想だ。システムごとに必要になるため、初めて遊ぶときには負担になるが、何度も遊びたい場合はプレイヤーも購入して手元に用意しておくのがマナーといえる。

シナリオ

遊ぶシナリオ。GMはあらかじめシナリオ展開を読み込み、ストーリーや背景設定、登場人物、事件や謎、目標などを確認して物語をどのように進めていくか構想しておく必要がある。プレイヤーがシナリオを入手した場合も、公開されている情報以外のシナリオ展開を閲覧しないように注意し、GMにキャラクター作成のために考慮すべき点を確認しておこう。

キャラクターシート

プレイヤーが演じるキャラクターの情報を記録するシート。ルールブックに準じた形式で、キャラクターの名前、職業、年齢、能力値、スキル、装備などを記載する。オンラインでキャラクターシートを記入・保管できるツールや、クリックするだけで自動でステータスが振れる仕組みもあるが、初心者には展開を見越したバランス調整が難しい。ゲーム開始前までに作成し、あらかじめGMに確認してもらおう。GMはキャラクターシートに応じてゲームバランスの調整を行う。

ダイス

TRPGでは、基本的には行動の成否や効果を決定するためにダイスを使う。主に6面ダイスや10面ダイスなどが使われるが、システムによっては特殊なダイスが必要な場合もある。ダイスはオンラインツールやアプリなどで代用できるが、こだわりたい人はオリジナルデザインの多面体をダイスをオーダーすることができる。ダイストレイもあると便利だ。

筆記用具・メモ

キャラクターシートに情報を記入したり、ゲーム中にメモを取るために筆記用具(書いて消せるもの)を用意する。オンラインではメモアプリ等で代用できる。

参考資料

GMは世界線や各シーン、NPCやモンスターの情報、プレイヤーはキャラクターの設定の詳細などをいつでも確認・肉付けできる資料を手元に用意しておくとよい。

マップとコマ

一部のTRPGでは、ゲームの状況を視覚化するためにマップやキャラクターのミニチュア(フィギュア)を使用する。これによりプレイヤーがキャラクターの位置関係や状況を把握しやすくなる。ボードゲームで利用される汎用コマでも代用できる。オンラインセッションでは、キャラクターの立ち絵を用意したり、シーンの参考画像を用意することが多い。

BGM・SE

物語を盛り上げる、適切な音楽や効果音を用いることで、より没入感を高めることができる。音素材がシナリオに同梱されている場合もあるが、手軽に利用できるBGMやSEのDLサイトがたくさんあるので、GMがテーマやシーンに合う好みのものを見繕っておけるとよい。

飲み物や軽食

セッションは数時間続くことがあるため、各自飲み物や軽食を用意しておく。オフラインセッションの場合は会場が飲食可かあらかじめチェックしておこう。また、無理のないよう適宜休憩を挟む。


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