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円安が凄い勢いで進んでいます。「東京外国為替市場で19日、円相場が約20年ぶりに1ドル=128円台まで下落した。18日に日銀の黒田東彦総裁が「急速な円安はマイナス」とけん制したが、効果は長続きしなかった。米国の長期金利が節目の3%近くに上昇し、日米金利差の拡大が円を押し下げている。景気浮揚のための金融緩和継続と円安阻止の両立は難しく、当局はジレンマに直面している(日経新聞4月19日)」。

記事にもあるように、今回の円安、直接的な原因は日米金利差にあるようです。米国FRBが3月から金利を上げて「金融緩和の脱却」と「インフレ抑制」を行う一方、日本では金融緩和を続けることで金利差が拡大。円よりもドルのほうが「利回りが良い」となり円売りとドル買いが進行しました。極めつけは日銀が3月29日から31日までの「連続指し値オペ」に踏み切ったことで「金融緩和を継続するつもりだ」と市場で明らかになり、125円まで一気に円安が進んだわけです。この様子だと130円も近いかもしれない。もっとも130円というのはわかりやすい通過点だと思うので、もっと行くかもしれませんね。

なぜ日本は金融緩和を続けるのか。ここがもう一つ、よくわからないところです。ひとつには「上げたくても上げられないジレンマ」があるのでしょう。ひとつは金利が上昇するとこれまでの「デフレこそが日本経済停滞の原因」「デフレからの脱却」という基本方針と矛盾してしまう。また別のジレンマとして、もし金利を上げると日本政府が負っている巨額の負債に対する追加利払いが発生してしまうこともある。財政再建を目指している政府としては逆の方向に進むことになる。このようなジレンマを抱える人たちにとっては今の円安現象を一時的なものとして処理しておきたい気分があるかもしれないですね。ただ金融緩和はもう何年も続けているのにデフレはあまり解消されていない事実もあります。ここはどう考えているのだろうか。