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社会を癒やすビジネスモデル

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國井 誠(BMIA理事) ライフサイエンス企業、臨床栄養食品企業、ヘルスケアIT企業と基礎研究から生活者といった様々なヘルスケアビジネスに携わってきた経験を元に人の健康と幸福を追… もっと読む
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記事一覧

あれから4年これからのヘルスケア業界はどうなるか?その③

ヘルスケアイノベーションのカギは「曖昧さ」のデザインビジネスモデルオリンピアでご登壇頂いた、能楽師 安田登先生の講演動画です。 知識は身体化しなければ意味がない、頭で考えているうちは知識を身に着けたとは言えないというお話や論語の中にあるイノベーションの起点となる発想プロセスなどを教えて頂きした。 この中で、とても興味深いお話がありました。 境目を英語では「ボーダーライン」と言うが、日本語は「境界」と言っている、日本は他人と自分の境目に線を引かずその辺りという曖昧な表現を

理想のチームの作り方

最近Jリーグの浦和レッズの試合が面白くて見ています。DAZNに入会して試合のある日はリアルタイムで楽しんでおります。 元々浦和レッズのファンではあったのですが、ここ数年はあまりその動向を気にしていませんでした。2020年埼玉スタジアムの近くに引っ越したのを機に試合を見に行ったのですが、その時はあまり魅力的なサッカーをしていなく残念に思っておりました。 2021年の今年は、一変してめちゃくちゃ面白い試合をしてくれています。先日あったルヴァンカップカップ準々決勝の第2試合、川

あれから4年ヘルスケア業界はどう変わったか?その②

その①はこちら 未来を見ながら作る医療制度2017年にBMIAヘルスケア分科会において行われた『ヘルスケアビジネスモデルイノベーション2017』では、4人の医師に登壇頂いきました。本当に豪華すぎるそして、この4人が並び、ビジネスモデルについて語るという今後も実現しないであろう貴重なイベントとなっています。 ここでは、2017年時点での医療の課題とイノベーションの余地について語られました。今現在(2021年8月)佐々木先生は、コロナ禍において在宅診療にて自宅療養中の患者を2

あれから4年これからのヘルスケア業界はどうなるか?その①

2018年のビジネスモデルオリンピアにて、『ヘルスケア業界における制度とビジネスモデルの共循環』というテーマで登壇させて頂きました。 ヘルスケア業界のビジネスモデルは医療制度など各種規制の影響を強く受けて変化してきたが、諸外国をお手本に出来なくなった超高齢化社会においては、様々な草の根活動が制度を変化させ、それによりビジネスモデルが変化する『共循環構造』になるというお話をさせて頂きました。 ご興味ありましたら、冒頭の動画をご視聴ください。 あれから4年ヘルスケア業界はど

アイデアの生まれる場所

最近やっと少しずつ仕事で外に出れるようになりました。 現場に行けるようになったんですよね。 そして改めて現場で感じる肌感覚の重要性を強く感じています。 現場に行くという事は、確かに移動時間がロスになり一見生産性が低いように見えます。自分の作業が単純作業ならそれは正しいと思います。 しかしながら、何か新しい事を考えなければならない、あーでもないこーでもないと考える仕事なら、現場の肌感覚は絶対に必要。 むしろそれがないとわからない事、思いつかない事があるので、テレワーク

EPIC Gamesに学ぶGAFAとの戦い方

みなさんは、Appleに真っ向から戦いを挑んでいるEPIC Gamesという会社をご存知でしょうか?幕を開けたアップルvs「フォートナイト」開発元の“手数料訴訟”は、ある単純な「問い」で勝負が決まる WIRED 2021.05.06 https://wired.jp/2021/05/06/epic-apple-lawsuit-one-legal-question/ 世界的なヒットとなっているFORTNITEというゲームを制作した企業です。 FORTNITEは全世界で3.5億

ユーラシア音楽の中に在るもの

先日、埼玉県の蕨市に行きました。 私はこの隣の市、川口市出身でこの日は古くからの知人のコントラバス奏者で作曲家の友人を訪ねて行ったわけです。 かなり久しぶりに蕨駅前に行ったので、どのような変化があるか友人の案内で周辺を探索しました。 そんなに変わることもないだろうなと思っていましたが、予想を大きく裏切られそこは、別世界いや別の国がそこには存在していました。 特に昭和50年代に建てられたURの大きな団地(映画『AKIRA』のイメージとなった建物だそう、今では綺麗に塗装さ

何かやりたいけどやりたくない人へ

ビジネスモデルオリンピア2021が開催されました。『イノベーションに宿る言葉』というテーマで行われ参加者はもちろん、ご登壇いただいた方々にも好評なイベントとなりました。 最後のパネルディスカッションでは、「イノベーションを起こす人とそうでない人の違いは」という質問からスタートしたのですが、非常に深い話になりイベントが終わった後の楽屋話でも盛り上がり続けました。 詳細の中身は、参加した人達だけのお楽しみという事で、今回は私の個人的感想と考察を中心に書いていきたいと思います。

加速する世界

いきなりですが、問題です。 UBER EATsで一番売れているメニューは何? 答えは、からあげくん 引用 デイリー新潮 8月25日 ウーバーイーツ、人気ナンバー1は「からあげクン」 なぜわざわざ頼む? コロナ禍で営業損益の増加額が最も大きかった企業は? 答えは、BASE 引用 2020/9/8付日本経済新聞 朝刊 1位 BASE ECサイト、コロナ下急増 利用するサイトは3月末から急増。5月に累計100万件を超え、7月には110万件を上回った。流通総額は4~6月期

大都市という発明の終焉

5月、7月と東京の転出超過が見られたという発表がありました。 総務省の住民基本台帳人口移動報告によると、7月の東京都への転入者は2万8735人となり前年同月から4203人減った。転出者は前年同月より482人少ない3万1257人だった。転入者の減少が大きく、5月に続き7月も転出超過となった。(日本経済新聞 2020/8/28) 2017年のメルマガにて、『人の持つ相互接続という特性が 循環からダイナミクスを生みだす』と題して大都市の過密性が人の持つ相互接続を生み出し、種と

環世界の認知の「共有」と変化の「可能性」

ヘラルボニー株式会社 知的障害を持った作家が作ったアート作品をネクタイやハンカチなどにして販売するビジネスモデルです。 異彩を、放て。 知的障害。その、ひとくくりの言葉の中にも、無数の個性がある。 豊かな感性、繊細な手先、大胆な発想、研ぎ澄まされた集中力・・・ “普通”じゃない、ということ。それは同時に、可能性だと思う。 僕らは、この世界を隔てる、先入観や常識という名のボーダーを超える。 そして、さまざまな「異彩」を、さまざまな形で社会に送り届け、 福祉を起点に新たな

毎日の生活の中にある与贈としての『食事』

ギフモ株式会社 パナソニック アプライアンス社の企業内アクセラレーターとして、「未来の『カデン』をカタチにする」をビジョンに据えて活動しているGame Changer Catapultから生まれたギフモという会社が作ったデリソフターという調理器具があります。 何をする機械かというと、食べ物を自動調理で柔らかくする機能があります。病気や高齢により食べ物の飲み込みが弱くなった方向けの製品です。 近年高齢化が進む日本において嚥下障害による誤嚥性肺炎が、問題になっており、そういっ

生活導線上のナチュラルヘルスケアクレーム

生活導線上のナチュラルヘルスケアクレーム どの製品やサービスもサブスクリプション?と思うほどサブスクリプションが増えています。これは新しいビジネスモデルだからどこも飛びついているだけでしょうか。 私の考えでは、各企業が顧客との接点においてお店やデジタル、マス広告で苦戦する中、家の中にその接点を求めた結果と捉えています。 何故家庭の中に、求めるのか? それは、これまで捉えられていた消費者の生活導線が、価値観の多様化によるライフスタイルの変化や様々な社会的状況変化で、その生活導線

がん、だからなに?の世界

Cancer so what、がんだから何?という社会を作りたい、マギーズ東京共同代表鈴木美穂さんが中心になって2019年2月3日に行われたイベント。参加者600人、各局テレビ局や新聞の取材、登壇者には小泉進次郎さんはじめこのためにスタンフォード大学から駆けつけたなど多くの有識者。大盛況とはこのことを言うのだろう。これはどこかの企業や団体が立ち上げたイベントではない。たった1人の声からボランティアで集まったメンバーで行われている。今最もパワフルに人々の心を惹き付けるのは社会変