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新婚で遠距離:夫婦の結びつきについて

人生の節目は、いつ誰の上にもある

2019年5月1日、元号が変わった。前日まで特別なにか興味があるわけではなかった一日。自分の影響力が及ばない範囲のことは考えない、といういつもの習慣だった。だから、元号が変わる日もただ普通の1日。そう思い込んで、騒がしいtwitterのタイムラインを他人事のように眺めていた。

いま所属するCRAZYという会社は結婚式の事業をしている。結婚式は、人生の1つの節目。人によりその意味合いは異なるけど、何かの節目であることには疑いようがないと思う。受験、入学、卒業、就職、結婚などのライフイベントは、確かに節目としては分かりやすい。ただ、振り返ってみると、その一日を節目として自分が取り扱うか、が大事だったと気がつく。実際、大学の卒業式には興味がなく出席しなかった。あれだけ苦労し入った学校なのに。要は、どれだけ節目のような一日が用意されていても、自分がその一日を活用する気がなければ、それはただの一日で終わってしまう。

逆に、何でもない一日でも自分がその日を何かの節目にしようと努力すれば、忘れられない一日になる可能性がある。日々、何となく過ごしている毎日にはそんな可能性に溢れているのだと。何でもないと思っていた令和の初日に、各々の思いで一日を迎えるCRAZYの人たちを見て、そういう大切な学びがあった。そろそろ、本題に入ります。


さて、新しい時代を迎えるにあたって

ところで令和に入った時、戸籍上、自分は結婚していたことになる。でも、東京の1LDKの50平米の部屋には、今1人で暮らしている。4月に籍をきちんと入れたので「新婚で、遠距離」ということになる。話し合い、自分たちで決めたことではあるけど、実際に言葉にしてみると、少し奇妙だなと自分でも思う。ただ、離れているからこそ「結婚の意味とか」「夫婦の形とか」を改めて考える機会にもなっている。欠乏していたり、失ってから初めて考え出したり、気がついたりする。いつの時代も、これは人間の性なのだと思う。

結婚からは縁遠い人に思われていたのか、なぜ結婚したの?とよく聞かれる。自分としては「こういう理由でこうだよ!」と、格好良く答えたい。けれど、正直なところ「こう!」と明確に断言できる一つの理由や劇的なきっかけがあって、結婚を決めたわけではない。結婚に至るまでの1年半程度の日々も、運命的な出会いでもなければ、波乱万丈を乗り越えた日々でもなかったように思う。言葉で表現するのが難しいくらい、自然に出会い、あまりにも自然に生活を共にしてきた。

そのことに違和感がなさすぎて「結婚すること⇔しないこと」の境界線が曖昧になってきた。あえて言葉にするなら「彼女といると自分1人より自分らしくいられる」と感じるから、一緒になったのだと思う。我慢したり誰かに無理に合わせて生活することが難しい自分にとって、これ以上ない結婚の理由だと、今振り返ると改めて感じる。


新婚で遠距離、という選択

先程「自分1人より自分らしくいられる」と書いたが、これには枕詞がある。「一緒にいると」、である。そう、一緒にいること。遠距離は、端的に言うと「(物理的に)一緒にいないこと」に等しい。そういう意味で、遠距離という生活は、大げさにいうと、自分たちの結婚の意味への挑戦でもある。言い換えると、物理的に一緒にいなくても、自分たちは夫婦でいる意味を見出し続けることができるか、という挑戦とも捉えられる。


才能を活かすということ

格好良く書いたが、何もこんな挑戦、わざわざ好き好んでする必要はない。もちろん自分たちの場合も、トレードオフになる選択があった結果、副次的に生まれたものだ。もともと自分が現職に転職した約半年前、彼女はこの会社で働いていた。ことの顛末だけ書くと、自分が入社した三ヶ月後に彼女は退職し、約2ヶ月の休養期間を経て、新しい仕事のために大阪に旅立った。これだけ書くと、破天荒な奥さんだねえ、という感じだけど、全部二人で話し合い決めた結論。自分も意思決定のプロセスには深く関係しているし、本人ではないが、決定の張本人といってもいい距離感だと思う。

ずっと頭の中にある問いは「才能を伸ばすことと家族でいることはトレードオフなのか」というもの。26歳までの価値観では、それはトレードオフだった。結婚すると「時間が少なくなる」「意識が分散する」「結婚は人生の墓場(昭和的)」「家族サービス・・・」と、あまり良い印象は正直持っていなかった。この価値観は現職に来てから、大きく変わることになる。

家族という共同体の活かし方

現職のCRAZYには代表をはじめ、夫婦で働いている人も多い。傍で見ていると、その関係性が仕事のパフォーマンスにマイナスの影響だけを及ぼしていることはないように思える。(もちろん、社風や本人たちの特性、特殊な事情があることは考慮する必要があるとしても)その可能性について諦める必要がない、サンプルが何個かあるのは事実。

家族は、個人が属する一番小さな共同体。その中での在り方、人間関係の築き方は、属するもう少し大きな共同体(会社など)において、(完璧ではないまでも)相似形で大きくなっているように思う。家族との関係の質が、社会的生活の質に影響する。まだ、経験のサンプルが少なく体系化できてはいないけど、相互に影響することは、間違いのない事実だと思う


目指す夫婦の形について

話を戻すと、そこから自分が目指す夫婦の姿は

①各々が自分の才能を伸ばすこと
②相互に(良いも悪いも)影響を及ぼすこと
③①②を常に見直し対話し、関係性を更新し続けること

の3つを大事にしたいと思っている。理想の一つの姿を目指すのではなく、日々を生きる中で、どこに行くつくか分からない旅を楽しみたい(という感覚)。その点、遠距離という決断は、自分にとっては①の要素が大きい。主に彼女の才能を伸ばすための選択。それにより②を改めて変化させること、も含まれる。(③は必然的に起こる)


現代人には自分の本来性に戻る場所が必要

昨年、五島列島に旅をしに行った。感想を端的に言えば、人には「自分の本来性に帰る」場所や仕掛けが必要である、ということ。(「自分の本来性に帰る」という現象を説明すると追加で数千文字必要なので、ここでは割愛。言葉のニュアンスとして感じて欲しい。)

詳細はこちら:故郷と旅のあいだ。五島列島 見つめる旅

そして、彼女には「人に本来の自分に帰らせる才能」がある、と感じている。自分としてはその才能を伸ばし、誰かのために役立てて欲しいと思っている。彼女のペースでゆっくりでいいから、その才能を育んで欲しいという願いがある。

「人の本来性に戻らせる」ことは要素分解しにくい不思議な力である。あえて表現してみると、

①純粋性
②ゆだねる力
③問う力

がベースにあり、自分でもそのあり方を体現していること、が必要条件だと思う。一緒にいて思うのは、ここ一年で特に②の能力が育ってきた。人は経験を詰め込めば詰め込むほど、自分の中の固定した見方(バイアス)ができる。「自分はこうだ」「あのひとはこうだ」といった決めつけから、「こうした方がいい」といった操作主義まで。②はそうなりそうな自分をぐっと抑え、相手に相手の未来を100%託す、能力だ。これは勝利orNotの偏差値エリート的な発想とは真逆のもの。


夫婦は相互に影響し合う

自分も誰かに教える側が多いから分かるが、この「託す」という行為はなかなかに難しい。もともと、自分の正解を強く持とうとしていた彼女から②がここ1,2年で強く出てくるようになったことは、大きな人間的な変化だと思う。これは、自分の人生や(他人の人生はもちろん)、意思を持つことはできるが、操作することは究極はできない。という人生観を持つ自分が、少なくとも影響を与えた結果だと思う。この変化が彼女にとっていいものかは彼女が決めることだけど、夫婦は人生観レベルで相互に影響し合う、ということを教えてくれる。目を凝らして見ないと見逃してしまうレベルではあるけど、じっと観察していたら何となく分かってくるものだったりする。


成るようになるし、成るようにしかならない

言語化してるかはわからないが、今回の彼女の(自分たち家族の)決断は、過去と未来のレール上にあり、そして、自分もそれを信じることができる場だから送り出した。即効性のある、すぐに成果の上がる簡単な道ではないことはわかっているが、確実に良い方向に向かっていくと思う。誰かに守られる人生ではなく、自分の才能を自分の軸で活かしていく人生へ。改めて歩きだす彼女を応援するため、今回の遠距離に踏み切ったのだと思う。

ここまで勢いで書いてきて改めて、自分の人生は自分ひとりのものではない、と強く感じる。意思や主張は時に重要ではあるが、究極煎じると、人は決めった運命(のようなもの)であったり、大いなる何かの導きにそって生きているように思う。自分で決めているようで、何かに決めさせられている。何かによって決める機会をいただいている。自分一人の人生ではなくなって、何かそういう大いなるものの存在をより身近に感じるようになってきた。

成るように成る、という言葉は、何も他人任せで無責任な言葉ではない。エゴイスティックに自分の人生を良くすることに貪欲に生きながら、それでいて、その身を大いなる何かに委ね任せること。相反する両立の中で、そのプロセスを楽しみ、良いときも悪いときも希望を見失わないこと。

これから自分たちにどういう境遇が訪れるかは分からない。ただ、成るように成る。新婚で遠距離をはじめて約一ヶ月。夫婦の形と自分の人生について、何だかそういう心持ちになっている。(え、オチは?)





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