
文系出身ですが統計検定2級を初回合格した経緯をつらつらと
統計検定2級、初学者ですが自学だけで受けてみたら合格したので記録を綴ります
今年の半ばから、何だかんだで経営企画、経営戦略的な仕事をしています。モットーでもある「アート&サイエンス」のサイエンス側の頭で常にファクトにこだわり続けています。
その中で日頃からたくさんのデータと向き合う中、ふと思い立って統計を勉強してみたところ、面白くなってそのまま検定2級を受けてみました。
テスト中は辛く、ほぼ諦めかけていましたが結果は合格。とても達成感があったのでどういった経緯で合格したのかを記録してみます。
参考にしていただければ幸いです。
・きっかけ
「このデータ、この結果、この解釈で合ってるのか?」
毎回の会議にて、再現性が出る前提で各施策の結果スコアを出し、次の施策の試算元にしていることがあります。しかし次の結果はそのようにならない。誤差であればいいのですが大きく異なることもある。結果的にビジネスとしてはうまくいっていない。
といったような、みんなで知恵を絞って正しいと思う意思決定をしておきながらうまくいかない現実がありました。
その時に頭の中で思ったのが、数学の問題で途中の細かい計算は合っているが、答えは間違えてるというパターンと似てるなと。
つまり、前提の定理や問題の捉え方、並びに選択する技術が正しくないことに気づいてないのでは。
ということでした。
今、切り取られたこの数値。
たまたまだったらどうする?
たまたまではなくても、結構な誤差があるとしたら何を目安にする?
こんなことを考えていたら、昔読んだ統計学の本を思い出したので、少し学んでみようと思ったのがきっかけでした。
また、同時期に中1の息子が数検や模試を受けまくったり、数学オリンピックに参加したりと勉強をする人を間近で見ていたので一緒に頑張ろうかなという側面もあります。
実際に模試や検定の待ち時間2-3時間はスタバで統計の勉強をしていました。
・勉強方法、問題集、サイトなど
さて、ということでまずは「統計検定」とググってみます。
すると、そこそこ歯ごたえがありそうなのは2級からということがわかりました。合格率も30~40%と年次によってばらつきはあるものの頑張ったらいけそうという感覚はありました。初回は無理でも2回目ぐらいにはいけそうかなーくらいです。
実際に、合格体験談をさらさらと見たら、実務で統計を使っていたり、データサイエンティストや大学院生などは初回でサクッと受かっていますが初学者はだいたい2回目以上、とある塾講師の方も3回目で受かったという動画もあったので、複数回は覚悟していました。
とりあえず、Amazonで下記の公式問題集を買いました。
早速自宅でパラパラ見てみると、
「ヤバい、何を書いているのか、ほとんど分からない・・・」
教科書も参考書もなし、いきなり問題集なので当然といえば当然ですが
一通り、茫然とした経験を味わいました。
普通のテンションなら即メルカリ行きとなりそうなところを、グッとこらえて、参考書を見ると結構高い・・・。
そこまで費用をかけるのも何なので、今回はほとんどお金を使わずに
「超高コスパで統計検定2級に受かる」をコンセプトに
youtubeをメインに合格までやってみようと思いました。
youtube板書がいい感じ
いろいろ見た結果、この動画が最も体系的だったのでこちらを隅から隅まで
見て、ノートにまとめるということをベーススタディとしました。
「とけたろうチャンネル」
とにかく各回ごと、速度をx0.75くらいにしてじっくり見ていきながら
youtube板書をしていって理解を少しづつ深めていきます。

正直、最初の確率ぐらいまではトントンと理解が進むのですが、その後の正規分布ぐらいの概念になると、一気に独特の世界観かつ抽象的になった感覚に襲われて、何度もノートを読み返しました。
・ペース、学習期間
ペースはいたってマイペース。週末に1-2時間くらいです。平日で体力があれば45分ほど。子供の模試のような待ち時間タスクがあれば集中して3時間ほど取り組むといった感じです。
・モチベーションのあげ方
だんだんyoutube板書をして、少しづつ理解ができてくるたびにRPGのレベル上げに似てるなーと思い出して、ある単元を済ませたら「よし、LV20」とか、ある公式や理屈を覚えたら「よし、ケアルラ覚えた」とかイメージで自分のスキルが上がるような想像をしながらやっていくと気分は良かったです。
そこからはペースをつかんでこれました。
youtubeでどうしても分からないときは、別のチャンネルを見たり、
別のサイトで自分補習をしていました。
ちなみに、この点は統計学で「なんだかな~」という部分なのですが、
統計学は使っている式でも式中の文字が教材によって違っていたり、理屈が若干異なっていたりといった妙な現象があります。
毎回文脈を辿って自分の中で「ああ、こういうことか」という納得性をもっていくことを大事にしました。
おそらく、統計学でやってはだめなのは(というか数学全般)
「これは、こういうもの」「これは、こうだと覚える」
といった無理やり押し込むパターンだと思います。
そうではなく、無茶苦茶でもいいので自分なりに理屈をもったうえで臨むことが大事です。
・最終奥義、”仮想個人指導”として生成AIを活用
さて、youtubeで一通り理解をした後は、ひたすら問題集をやって演習で慣れていきます。
問題集にある模擬テストや、web上に直近の過去問が出ていたので、今の力試しにと実際の試験時間と同じように自分模試をしてみました。
結果は、正答率30%前後・・・(合格ラインは60%以上)
しかも当てずっぽう込みでこれです。ヤバい。ヤバすぎる。
というか、とけたろうチャンネルで習ってない問題とかあるではないかと。
*ポアソン分布とか、フィッシャーの3原則とか、標本抽出方法とか
ある程度はwebサイトで(あつまれ統計の森やベルカーブなど)知識補完しつつも既存の知識でも問題によっては分からないものもたくさんありました。というか8割くらい問題集をやった初回はわかりませんでした。
また、この公式問題集は解答解説があっさりしていてかなり不親切。
ということで困り果てたときに思いついたのが、生成AI!!!
生成AIに色々聞いて壁打ちしていきます
すると、プロンプトによっては同じパターンでもいろんな角度から解説をしてくれます。
(しかし、たまに完全に間違っている大嘘をつくので注意が必要です)
ただ、AIと壁打ちをするというこの行為自体が、先生に質問をするということと類似しているので、だんだん自分の頭も整理されていくという感覚を味わいました。
・検定試験を受けるタイミング
それは人それぞれ。なのですが、私の場合は以下の通りです。
数か月少しづつ学習して、問題集も3周目を終えてきたところで、「よし、一度受けてみるか」という感じでサクッと申し込みをしました。
ただ、それまでに何度となく取り組んだ問題も、何度やってもできない問題もあり、やる気は低下気味でした。
おそらく今の実力だと正答率50%前後・・。まあ出題パターンを体験するという意味で行ってみますかという感じでした。
・最後の粘り
しかしながら、コスパにはこだわる私。
何とか初めに設定した「超高コスパで統計検定2級に合格する」を実現したいので、そのためには検定料7000円は二回も払いたくない!
ラスト1週間は平日の通勤時も使って、土日もそれぞれ5時間ほどかけて苦手な分野集中して取り組みました。
ちなみに、そのころには得意と不得意がはっきり分かれていたのを正答傾向から分析していたので、苦手分野に集中することができました。
<得意分野>
各種検定、推定、線形モデル(分散分析、回帰分析)、正規分布、t分布、カイ二乗、F分布
<苦手分野>
期待値と分散、共分散、連続型確率変数、データ収集、ポアソン分布、一様分布
もやもやしたまま会場に到着。慣れないCBTでの試験ということもありかなり自信はなかったですが
・見事初回で合格!!!!
いや~嬉しかったです。
結局、分野ごとの正答率を見ると、得意分野でがっちり点を稼いで苦手分野は苦手のままでしたが、少しはラストスパートで底上げができたのではと思ってます。
検定合格後は、例えば選挙の各局特番の当確報道など、これなんか完全なる得票率の推定だと思いながら見ると世界が少し変わって見えてきます。
結局、かかった費用は問題集2200円、検定料7000円のみでした。
思い立って合格までの期間はマイペースで実質4か月ぐらいでした。
さて、次は何を学ぼうか。