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キミという弟のこと

 去年の8月、短い会話を交わして「じゃあ、またね」と手を振った。それが最後になってしまった。玄関に立って私を見送るキミの顔を、もっとちゃんと見ておくんだった、と思わずにはいられない。  去年の11月の終わり、私はその日仕事が休みでたまたま家にいた。 天気はいいけれど洗濯をするのが億劫でダラダラしていると、母からLINEが届く。 ”弟が数日前から体調を崩しているらしい。昨日からLINEの既読もつかず連絡もとれない。心配だから様子を見に行ってほしい”  弟の住む家へ向かいながら

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