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生まれ変わったら占い師になりたいんだ、という話。

土曜の夜は、白ワインでも飲みながら、軽い話題を書こう。
(長いけど、どうでもいい話です)

私は子供の頃から占いが好きだった。
と言っても、「占ってもらう」ほうではない。誰かを「占う」のが好きで仕方がなかった。

小学生の頃、母にせがんで「星占い」や「トランプ占い」の本を買ってもらい、毎日それを読み込んで、家族や友達の星座を覚え、友達の小さな恋をトランプで占ってあげていた。
だから今でも自分の友達が何座なのか全員覚えているし、新たに知り合った人も、まずは星座が気になってしまう。

朝、テレビで星座ランキングをやっているとき、たとえば「いて座」が3位だったりすると、ランキングがすべて発表される前から「しし座」の夫に「今日は上位だよ」と告げる。
「なんでわかるん?」と聞かれ、
「え?だって、いて座が3位やから」
「え?なんで?俺、しし座」
「え?同じ火のグループやん」
「え?何?火のグループって」
「え?」
という、問答をしているうちに「今日の1位はしし座!」と発表されていて、「あ、ほんまや」ということになる。

そこで、そうか、男の人は星占いなんてやらないから(自分の星座くらいは知っていて見るだろうけど)、自分が「火・土・風・水」のどのグループかも知らないんだ、と初めて理解した。それくらい自分にとってはそういう星座のグループ分けも、子供の頃に身についた“当たり前のこと”だった。

中学生になると、さすがにもう友達にトランプ占いをしてあげることはなくなった。
時は80年代。世の中はバブルへと向かっていたので、物質主義というか、目に見えるものにしか価値が感じられないような雰囲気があったからかもしれない。
私はいつしか「へ?占いなんて信じないけど?」というスタンスをとるようになったし、逆に、占いにハマってお金を出してみてもらいに行くという友達を「大丈夫かいな」とすら思っていた。

それ以降も若い頃は占いをするのもされるのも興味がなかったのだが、心のどこかでは「人を占いたい」という欲望があったようだ。
いつからか私は酔っ払うと「手相みてあげる!」と言って、一緒に飲んでいる相手の掌をじっと見て、たいして知識もないくせに「ふむふむ、20歳の頃に大きな恋愛してるね」などと偉そうに診断するようになった。

たまに「あー、結婚線ないね。あんた結婚できないよ」と毒舌占い師みたいなことを言い、むやみに人を傷つけたこともある。
夫の友達にやってしまって、これはいかんと、島田秀平の手相占いの本を買って本気で覚えようとしたが、手相占いはどうも自分には合わないようで、あまり頭に入らなかった。(それでもいまだに酔っ払うと「手相みてあげるー!」が始まることがあるのでやっかいだ)

そして去年のお正月、「今年は何か新しいことをやってみたい」と思った時に、ふと頭に浮かんだのが「タロット占い」だった。
これが本当に、何に感化されたのか、なぜタロットだったのか、今でもよくわからないのだが、とにかく「タロット占いをやりたい!」という気持ちを抑えられず、すぐにカードと本をネットで探して注文した。

タロット占いはカードが78枚もあって、正位置・逆位置で意味も変わるし、スプレッド(並べ方)もいろいろな形があるので、覚えることがたくさんあって難しい。でも、それが私にはとても面白かった。
星占いのように「この星座はこんな性格で、こんな運命で、この星座の人と相性がいい」みたいなものではなかったからだ。「運勢」ではなく、あくまでも「アドバイス」なのだ。

勉強していくうちに、「あれ?これってもしかして、ライター向きなんじゃないかな」とも思った。
なぜなら、78枚のカードにそれぞれ意味はあるが、その意味が多様で、カードの絵を見た時のインスピレーションも含めて、「自分なりの言葉で解釈すること」が求められるからだ。
普段から「言葉」を扱う者にとっては、カードの意味を「どう表現するか」を考えるのは面白く、占えば占うほど発見があった。

と言っても私は占い師ではないので、人を占う機会がほとんどない。
でも、タロットは占えば占うほどカードの解釈が上手になるので、どんどん占いたい。
そこで、知り合いや友達に会うたびに「ねーねー、なんか占ってほしいことない?」と聞くのだが、多くの人が「うーん……今はないけど、また出てきたらお願いするわ」と言う。
それでも3~4人は積極的に「占って!」と言ってくれて、中には常連さん(?)になってくれた人もいる。

自分で言うのもなんだが、これが結構当たるのだ。
時々、当たりすぎて、カードをめくった瞬間に「こわっ!!」となる。
一番の常連さんはうちの夫で、夫は新しい仕事を請けるかどうか、プレゼンをうまくやるにはどうすればいいか、次の仕事を成功させるにはどうすればいいかなど、事あるごとに「先生、占いお願いします!」と言ってくる。
ちなみに、今のところ私の占いで夫の仕事はすべてうまくいき、「もうKaori先生の占いなしでは、俺は無理です」とまで言われている。
そういうことがあると、また占いへの情熱が強くなってくるのだ。

少し前からテレビで「突然ですが、占っていいですか」という番組を知り、毎回楽しみに観ているのだが、おそらく視聴者のほとんどは「わー、私も占ってほしい」と思うのだろうが、私は違うのだ。
「私も占いたい!!」と思ってしまう。星ひとみ先生みたいな力があったらいいのにと、占い師のほうに憧れてしまうのだ。
迷っている人を導けるなんて、素晴らしい職業だと思うから。その欲望がふつふつと湧き起こってくる。

で、この間、星ひとみ先生の天星術の本まで2冊買ってしまった。
とりあえず自分のもみてみたが(太陽グループの昼間だった)、やっぱり興味があるのは自分じゃなくて周りの人で。
すぐに夫や姉、友達全員がどのグループに属すのかを調べてしまった。本人たちには言っていないけど、これが結構当たっていてびっくりした。

というわけで、私の「占いたい」熱は今もどんどん上がっている。
誰か、占わせてくれませんかね(笑)

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