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日常に溶け込むレザー。白金「objcts.io」にて

身につけるものは、いつも上質でありたい。
同時に、気負わずに使える心地よさも欲しい。

そんな願いを叶えるプロダクトとの出会いは、心の内側が満たされる瞬間だ。

そこで訪れたのは、「わたしと呼べるもの。わたしの一部であるもの。」をコンセプトに、本質的で、機能的で、耐久的であること。そして何よりも美しさを追い求めるレザーブランド「objcts.io」の白金アトリエ。

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「objcts.io」のミニマルな美しさと機能性をもつプロダクトを生み出すのは、デザイナーの角森智至さん。

前職の土屋鞄製造所では職人、生産管理として携わってきた、レザーという素材を深く理解した作り手でもある彼に、日常に溶け込む上質なレザープロダクトの魅力、そして作り手としての想いを聞いた。

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一度は白紙になった製品計画


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もともと「objcts.io」では、バックパックなどのビジネスユースを見据えたバッグが主力製品だった。ところがコロナ渦によって在宅勤務が主流となった影響で、これまでの製品計画はすべて白紙に。

しかし逆境ともいえる状況下で生まれた日常に溶けこむプロダクトの数々は、結果として幅広いユーザーが「objcts.io」に触れるきっかけとなった。

そこで、特に日常でレザーの美しさを楽しめるアイテム4つを角森さんに教えてもらった。

『ウィークエンド カメラバッグ ラージ/ミディアム』

「格好よく、機能性にも優れたカメラバッグがほしい。そのちょうどいいバランスを突いた製品で、ここ最近ではベスト3に入る売れ行きです。しなやかで程よい艶感のあるレザーを選び、素材の特性を活かしたデザインにしたことで、フォーマルになりすぎず、カジュアルスタイルにも合わせやすくなっています」

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「使い手を想定したとき、みんながそこまで多くの機能を求めているわけではないだろうと。そこで機能性は最低限に絞り、ほかはデザインに振ることで、デザインと機能性を両立させました」


『ウォレットバッグ/ウォレットバッグワイド』

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「2サイズ展開のウォレットバッグも人気のあるアイテムです。最初に発売したのは、最低限の物だけを持ち運べる『ウォレットバッグ』。家族と近所に出かけるとき、心身ともに軽やかになるバッグをイメージして開発しました」

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「より移動範囲が広く、ハンドサニタイザーなど厚みのある物を持ち歩きたい人には、後続の『ウォレットバッグ ワイド』を」

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「バッグ本体には、2本の革紐をねじったショルダーストラップを繋げました。洗練された印象を与え、ストラップ全体の強度が高いので、半日程度の外出で必要な物を気軽に持ち歩けます」

『ショルダーストラップ付iPhoneケース』

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「ウォレットバッグみたいに、たまの外出を心地よくサポートできるアイテムを増やせないだろうか? このiPhoneケースは、その思いから生まれました。使い手のファッションスタイルを崩さないデザインで、iPhoneケースとカードケースはそれぞれに独立可能。家の中では、iPhoneケースだけを持って行動することもできます」

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さらに、Magsafe対応の新仕様バージョンも先日発売されたばかりだ。

『ウォッシャブルレザートート』

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「たくさんの荷物を1つのバッグに詰め込むと、肩や背中への負担が大きい。とはいえ、サブバッグに使うのは、耐久性のない紙袋や大きくて無骨なトートバッグ。満足のいくサブバッグと出会えていない。そんな悩みを持つ知人女性たちの声から生まれたトートバッグです。本来、革は水に弱いはずですが、この牛革は色落ちしにくく、柔軟性を保てるウォッシャブルレザーで作られています。洗濯乾燥後は軽いシワや縮みが生じて、全体的にくたっとした柔らかな質感を楽しめる製品です」

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光が生み出す上質さ

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コロナ渦をきっかけに生まれた、新たなプロダクトたち。デザインと機能性、そのどちらも兼ね備えた製品を求める使い手に、日常生活のなかで「レザーの美しさ」に気づくきっかけを与えてくれる。

長年にわたり、レザーでモノづくりをしてきた角森さんが感じる、レザーの魅力。それは、天然の革が醸し出す、高級感や上質さだという。

「フランスに本拠地を構える有名バッグブランドは“光をため込む素材”として革を捉えているそうです。革に差し込んだ光はギラつくように反射するのではなく、革に吸収されつつも、艶やかな淡い光となって反射します。そうして放たれた光の表情が、革独特の上質感を生み出し、多くの人が直感的に『美しい』と感じ取ることにつながるのでしょう」

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レザーがもつ美しさに惹かれ、レザーを中心にモノづくりを続けている角森さん。そのきっかけは、文化服装学院の学生時代に大江戸線の電車内で見かけたある女性だった。

「ジョン・ガリアーノがデザインした、赤いレザーのサドルバッグを持つその人のファッションが格好よくて、目を奪われました。それで自分でも作ってみようとレザーバッグを制作してみたところ、革の魅力に気づいて。それから革製品づくりの面白さがくせになり、ここまでやってきたのだと思います」

機能性とデザインの妙を活かして

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レザーアイテムは、フォーマルに合わせるもの。そんなイメージを持つ人は多いだろう。しかし、「objcts.io」ではフォーマルでもカジュアルでも合わせられる製品づくりを意識してきた。そのため、オフの日に使う製品が増えてきた今、作り手として意識を変えた部分はとくにないという。

ただし、毎日使うものほど、機能性や耐久性を求められる。そのときに光るのが、職人として胸を誇れる製品を生み出し続けてきた、角森さんの経験だ。

「もともと作り手だった人間ですから、品質の低い商品は作りたくないんです。その思いが強く、ほつれにくい製品にするため、ステッチ一つにまでこだわりを持っています。また、機能性だけではなく、デザインにも満足してもらえる製品を作り続けていきたい。だからこそ、使い手からのフィードバックはきちんと受け止めようと心がけています」

レザーが持つ機能性とデザインのバランス。そのちょうどよい落とし所を見つけたからこそ実現できる、使い心地のよさ。それが「objcts.io」が生み出すプロダクトの魅力だ。

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「製品を製造・発売して終わりではありません。『objcts.io』の製品を使った人は、さまざまな思いを抱くはず。よりよい製品づくりのためにも、その声に耳を傾け、試行錯誤しながらプロダクト開発を続けています」

素材の「制限」を乗り越え、「魅力」を引き出す

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水に弱くて重いなど、メンテナンスが難しい素材だと思われがちなレザー素材。しかし、素材は進化して、「植物性の革」や「半透明な牛革」などのユニークな素材も登場している。

新素材を使うことで、環境への配慮や個性的なデザインを追求できるなどのメリットも。とはいえ、そう簡単に製品化できるわけではない。

このような個性あふれる新素材をいかに魅力的なプロダクトに落とし込むか。それは角森さんが今後の「objcts.io」でチャレンジしたいことの一つだ。

「先進的でユニークな素材のほとんどには、『接着剤を使えない』など製品化を難しくさせる制限があります。ただ、僕たちは製品の構造などを理解している。製品化に時間はかかるかもしれませんが、新素材をとりまく制限をはずし、素材のよさを十二分に引き出したプロダクト開発にチャレンジしていきたいです」

SHOP DATA

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objcts.io オブジェクツアイオー

アトリエ併設白金Pop-up Store
〒108-0072 東京都港区白金5-13-6
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Pop-up Storeとオンラインショールームは、完全予約制で毎週金・土の13:00-19:00(18:00最終入場)で開催中。
詳しくはこちらから

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