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成人式を迎えた息子へ

あなたが生まれてから20年の歳月が流れました。

生まれた直後は、初めての子育てということもあり、どう接することが正解なのかわからず、可愛いと思うよりも、「この子をきちんと育てないといけない」という責任感でいっぱいでした。

1時間半ごとに夜泣きをし、夜中にミルクを作り、おむつを替え、寝かし付けていたこと。泣き止まないときには、深夜のドライブに連れていったこと。

元々、不眠症だったことと、若かったこともあり、なんとか乗り切っていたけれど、今、思い返してみると、よくやっていたなぁ、と自分で自分を褒めてあげたいと思います。

「三つ子の魂百まで」

これは、昔から言われる有名な格言ですが、俺は、本当にそのとおりだと思っていて、特に、あなたが3歳になるまでは、相当、厳しかったと思います。

ご飯を食べずにグズっていたときなどに、玄関の外に、放り出していたことを、今になって、メチャクチャ反省しています。

もっと優しく接してあげればよかったのではないか、小さい子どもに対して、親が言って聞かせても、いうことを聞かないのは当たり前だ、ということを、頭でわかっていても、あなたのことをコントロールしようとしていたのかもしれません。本当にごめんなさい。


小学校に入学後は、毎年、学校から呼び出しを受けましたね。

同級生と喧嘩して歯が折れたり、逆に、昼休みに遊んでてて、人とぶつかり、相手の歯が折れたり。道路の白線やガードレールに落書きをしまくったりもしましたね。他には、石を蹴って歩いていて、他人様の車のフロントガラスを割ったり、わざとではないものの、友達の顔に鉛筆を刺したり、階段の踊り場でふざけていて、後ろ向きに倒れて、後頭部を強打し、脳神経外科に担ぎ込まれたり、と、本当に様々なことがありました。

4年生くらいのころは、学校から電話が入ると、「またか。今度は何をやったんだ」、という呆れモードになっていたのを思い出します。


中学校、高校では、さすがに呼び出しを受けるようなことはなくなりましたが、あまり本気で勉強する様子がなかったのは、残念に思います。

それでも、小・中・高と、「学校が楽しくないから行きたくない」などということなく、楽しそうに通っていたので、それだけでも嬉しく思っていました。


そして、幼稚園から始めたサッカーを、高校3年まで、続けたことは、本当に尊敬しています。ほとんど練習をサボることなく、頑張ったこと。毎週のように試合があり、あちこちに出かけていったこと。送迎など、大変なこともあったけど、それよりも、あなたや、あなたの仲間たちが、真剣な顔でボールを蹴っている姿を観て応援することが、本当に楽しい時間でした。

試合が終わった後に、ビデオを見ながら一緒に反省したこと、クラブワールドカップを観に、横浜まで行ったこと、南アフリカワールドカップを一緒に観まくったこと、サッカーのおかげで、濃密な時間を一緒に過ごせたと感謝しています。


あなたが中学3年のとき、家の中がゴタゴタしてしまい、結局、高校1年の時に離婚してしまったことは、今でも本当に申し訳なく思っています。本当にごめんなさい。

それでも、そのときに、何も言わずにそばにいてくれたことは、すごく嬉しかったし、力になりました。あなたが、一緒にいてくれたおかげで、俺は、父親で居続けることができました。本当にありがとうございます。

また、再婚した後も、変わらず、自然体でいてくれたことは、とてもありがたかったし、あなたがいることで、場が和んで、みんなが優しくなれていたと思います。


もう、まもなく、学生の時間も終わってしまい、いよいよ社会に出ていくことになります。これまでも、伝えてきたけども、社会に出るための競争はすでに始まっていて、学生の間に、どれだけの技術を身につけたのか、どんな結果をだしたのか、どんな作品を作ったのか、を問われる戦いに身を投じることになります。

そのため、時間を無駄にせずに、自分が一生懸命になれることがあるなら、その夢に向かって、一生懸命、努力してください。

自分がやりたいことを、やりたいステージでやれるように、しっかり準備をしてください。

その様子を、父親として、これからも見守っていきたきと思います。


最後に、あなたは、初対面の人に対しても心の壁を作らず、そして場を和ませることができる、素敵な魅力を持っています。その魅力をなくすことなく、素敵な笑顔で、人生を楽しんでほしいと思います。

そして、これからの人生で、何か相談があれば、いつでも話を聞くので、遠慮なく、なんでも言ってください。

いつでも、いつまでも、あなたの味方です。

成人、本当におめでとうございます。


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