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生きてる短歌のタイムでワッサー vol.27

それゆえに宿敵である、おそろしく未熟であった親の背中は。

しょっぱいの「ょ」ってだいじね、たいていのことは涙で洗い流せる。

遊ぶ金ほしさにやった労働で失ったもの たとえば家族

幸せが壊れた先で安酒をぐずぐずと飲む、この先ずっと

復興を遂げたニュースは心まで閉創済みのハッピーエンド

血縁がなくて保護者と見なされずじっとりとした迷子センター

うまれつき風船をみる運命だ きらいなものは眼圧検査

どうせなら滅んでほしい(わたくしを抱きしめたまま滅んでほしい)

あなたって家族みたいね大五郎、愛してるけど大好きじゃない

かわいいな、ちいさなおててかわいいな、ああ、もう、ぜんぶ、ぜんぶかわいい!

常温になった麦茶をのみほして火照った顔が恥じらっている

学校はどうだったなど尋ねられ夢幻を語るマシーンになる

父母の訃報たまわり縁談のテロリズムより解放されぬ

生活は楽やないけどだいじょうぶ百年したら風になるだけ

私とは違う匂いの髪の毛にケタケタ笑って馬鹿みたいだね

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