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人生レコード ~中学生の頃の話~

『人生はレコードのようなものだ』

プレーヤーの中でグルグル回りながら音楽を奏でる「レコード」を見ながら、私はそう思いました。

中学生の頃の話です。

その音は、
黒い円盤に刻まれているとても小さなギザギザの溝を
針が通り過ぎることによって出ます。

不思議。

ですが、とにもかくにも、このギザギザが美しい音を生み出しているのです。


・・・レコードはグルグル回り続けている・・・

ふと、「走馬灯」という単語が頭に浮かびました。

人が死ぬ間際に観るという映像。
これまでの人生が映画のように頭の中を駆け巡るというアレです。

もし。
それが「走馬灯」という映像ではなく、
「レコード」という音だったらどうだろう・・・。

中学生の私は考えます。

人生を進みながら、イロイロな紆余曲折を経験することによって刻まれる「ギザギザ」。

死ぬ間際に、
自分の名前がタイトルになっているそのレコードを
ココロの中で回しながら耳を澄ます。

どんな曲が流れるのだろう。

激しい調べ。悲しい調べ。
楽しい調べ。切ない調べ。
優しい調べ・・・。
きっと色々な曲調があるだろう。

ならば・・・。

人生色々あった方が、
イロイロなギザギザがたくさん刻まれていた方が、
『人生のレコード』
を最後に聴いた時、絶対に楽しいに違いない。


そう思った中学生の頃から、
もう随分と時が経った今も・・・・

私のレコードはギザギザを刻み続けています。

2022年6月22日
小幡良祐

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