2020年3月2週目のアフリカ最新ニュース:アフリカ投資、コロナ対策、ピラミッド公開、観光地トップ10、スローなコロナ拡大、キガリで映画、カノ州首長退位

2020/3/4-3/10に取り上げたアフリカ最新ニュースです。
Twitter(@BlueBaobabBar)や
Facebook(https://www.facebook.com/cafebarbluebaobab/)でアフリカ記事をほぼ毎日ひとつ紹介していまして、そのまとめです。

#アフリカ 450 2020/3/4
【アフリカ投資まとめ:
TLcomは7千万ドル投資資金、Jumoは5千万ドル調達、AWSはSafaricom提携】

アフリカテック系の投資の話。
AWSもマイクロソフトAzureも地元の強力な顧客ネットワークを持つところと組んで進めてるてのが
海外進出のセオリーて感じですね。

コロナで投資熱も冷えこまないといいんですが、外に出ないで使えるテック系だと伸びるチャンスだったりするのかしら。
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・VCのTLcomは7100万ドル(約71億円)の投資資金を1年半で12のスタートアップに投資する
  テック系で収益主導のアフリカベンチャーにシードステージからシリーズBまで
  
・地理的にはナイジェリア、ケニア、南アの三大テックハブに注目。エチオピアも伸びてるのでいい

・現在の支援先:ナイジェリアのトラックロジKobo360、ケニアのTwigaフーズ(B2Bの食品サプライチェーン)、テック人材系Andelaなど
 これらは米国投資会社ゴールドマンサックスの投資も受けている

・スタートアップには連絡をして価値提案をするよう勧める「面白ければ投資するよ」

・南アのジュモJumo:デジタルフィンテック
  5000万ドルの投資でも足らず、ゴールドマンサックスから5500万ドルの追加投資を受ける
  2018年も5200万ドルの投資。
  2015年設立。新興国での貯金、貸付、保険商品のベンチャー
  6か国で展開中。ナイジェリア、アイボリーコースト、アジアはバングラとインドも進出予定。
  10億ドルの貸付、150万の個人と小規模事業者にサービス提供中

・ナイジェリアの決済系Interswitchは2019年はVisaから2億ドル出資。
  Vergeカードをローンチ
  
・アマゾンのAWSはSafaricomと提携
  Safaricomはケニア最大の通信、モバイル決済会社。M-pesaなど
  SafaricomがAWSのクラウドサービスを東アフリカの顧客網で販売予定
  
  Mペサはアフリカ6位の経済規模のケニアで盛ん。ケニアのモバイルマネー、送金の8割を占める
  2050万人のユーザー、17万の代理店、サファリコムの2018年の収益22億ドルの1/4を占める
  企業、中小企業、スタートアップなども顧客
  
  今回の提携は、米国のクラウドサービスがアフリカで拡大する上で
  地元パートナーのネットワークを活用する、その競争が激化するかも
  
・AWS-サファリコムのライバルはマイクロソフトーLiquidテレコム
  2017年からマイクロソフトは南アのデジタルインフラ会社Liquidテレコムと組み
  マイクロソフトのクラウドサービスAzureを展開している

Africa Roundup: TLcom closes $71M fund, Jumo raises $55M, AWS partners with Safaricom
https://techcrunch.com/2020/03/03/africa-roundup-tlcom-closes-71m-fund-jumo-raises-55m-aws-partners-with-safaricom/

#アフリカ 451 2020/3/5
【アフリカ大統領らのコロナ対策】

アフリカ各国のコロナ対策で、笑いごとじゃないけど笑ってしまったのが、ルワンダの保健大臣がコロナ検査キットの数をごまかして誇大報告してクビになった話。

タンザニアでは握手を止めて、足挨拶(?)。
欧米では肘挨拶のニュースが出てましたが、
今こそ接触しない日本式お辞儀あいさつを広める好機では!w

あとはパニックをなだめたり、南アは武漢の自国民を帰国させて隔離。南ア人はプリンセス・ダイヤモンドにも乗客とクルーとして乗ってたんですね。

欧米の肘挨拶はこちら
https://www.bbc.com/news/av/world-asia-china-51726440/coronavirus-the-wuhan-shake-or-the-elbow-bump
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・アフリカの大統領らはコロナ対策で力強い声明を出し対策を講じている
・主な対策は医療関係者による検査、入国時のスクリーニング検査、他国と協力する外交など 

・タンザニア大統領のマグフリJohn Pombe Magufuli氏はもう握手をしない
 野党の政治家Maalim Seif Sharif Hamad氏と足で挨拶をした
 
・握手をしないというのは保健省が出しているコロナ対策の一つだ
・他国でもハグ、キス、手を使っての挨拶を避けるよう推奨されている

・タンザニアではまだコロナ疑いも報告されていない

・南アのラマポーサ大統領は、中国の自国民の避難、21日間の隔離を命令
  199人の南ア人が武漢に居る。うち132人が帰りたがっている
  ダイアモンド・プリンセスには2名の南ア人がいて、陽性で日本で治療中
  10人のクルーは陰性だが隔離されている
 大統領は経済への影響も懸念

・ナイジェリアのブハリ大統領は落ち着くよう呼びかけ
 ・初のコロナ患者が確認されたのち、パニックを避けるよう伝えた
  「過度の警戒は却ってマイナスになる」
 ・コロナについてのフェイクニュースも流れ、政府とWHOの情報を信じるよう呼びかけ
 
・ケニアのケニヤッタ大統領はパニックの国民をなだめる
 ・ケニアは中国便再開でパニック
 ・21名のタスクフォースを組み、隔離センターを7日で準備

・ウガンダは行動によるアプローチ
 ・ムセベニ大統領は行動を変えることで対応しようと呼びかけ。HIVやエボラでも成功した
 ・不必要な握手を止め、コロナを広げるような行動を止めよう
 
・ルワンダのカガメ大統領は健康大臣をクビ
 ・大臣がコロナ検査キットの数をごまかしたため
   95しかないのに3500あると報告した
 
African presidents lead anti-coronavirus efforts
https://www.africanews.com/2020/03/04/african-presidents-lead-anti-coronavirus-efforts/

#アフリカ 452 2020/3/6
【コロナウィルス:3つの大きなカンファレンスが中止に】

サウジではコロナ対策でメッカ巡礼を停止し、メッカがガラガラという珍しい状況。
サウジではイラン帰りの5人のコロナ患者が発生。

https://www.dailymail.co.uk/news/article-8078827/Coronavirus-Courtyard-Meccas-Great-Mosque-closed-disinfecting.html?ito=social-twitter_mailonline

アフリカでは3つの大きなカンファレンスが中止に。
中止になったこと自体よりも、そういうカンファレンスが予定されてたのかーと
そっちに興味が行きました。
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・1/7の武漢発生以来、80か国以上で感染者が確認された
・WHOは世界規模での健康緊急事態を宣言
  中国は強固な健康システムで検知・管理できるが、脆弱なシステムへのウィルス流入を懸念

・アフリカではアルジェリア、チュニジア、モロッコ、エジプト、セネガル、ナイジェリア、南アで感染報告
・エチオピア航空以外のアフリカの航空会社は中国フライトを中止

・3つのカンファレンスが中止に
 ・国連アフリカ経済委員会のハイレベル閣僚会議
   3/18からエチオピアの首都アジスアベバ
   
 ・次世代アインシュタインフォーラム
   来週にケニアの首都ナイロビで予定されていたが延期
   79か国から2千人が参加予定
 
 ・2日間のアフリカCEOフォーラム
   来週にアイボリーコーストのアビジャンで予定されていたが延期
 
Coronavirus: Three major Africa-centered conferences cancelled
https://www.africanews.com/2020/03/05/coronavirus-south-africa-confirms-first-case/

#アフリカ 453 2020/3/7
【エジプトは有名なジェセルのピラミッドを公開】
【トリップアドバイザーの人気観光地トップ25!】

コロナニュースにも疲れたので、旅の話題2つ。
エジプトのピラミッド修復が終わって公開された話と
アフリカ観光地トップ10。
コロナが収束したらみなさん行きましょうね!
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・木曜にカイロで有名なジェセルのピラミッドが公開された
・カイロ南部の古代都市メンフィスの4700年前の建築物。世界遺産
・2006年から14年かけて修復(2011年から2014年は中断)、コストは600万ユーロ以上
ユネスコ基準に合うように修復した by エジプトのMostafa Madbouli首相

・古代遺跡大臣Khaled al-Anani氏「古代の神官イムホテプは石灰石でこの墓を作った。
 エジプトに残る最初で最古のピラミッドの修復完了を祝う」

・高さ60メーター。紀元前2700年に28メートルの深さの穴にピンクの御影石の墓がある
・内部は天井の一部が崩落しており金属トラスで補強。ピラミッド本体も補強と保護をした

・ファラオのジェセルが始めたエジプト初の家族の大墓地ネクロポリスの一部
・2011年の反乱で減少した観光客を呼び戻すため、エジプトは近年、考古学的遺物の公開を増やしている

Egypt unveils famed 'Djoser' pyramid
https://www.africanews.com/2020/03/06/egypt-unveils-famed-djoser-pyramid/

【トリップアドバイザーの人気観光地トップ25!】

・2020年のトリップアドバイザーの人気観光地25に
モロッコのマラケッシュがランクイン。21位「市場、庭、宮殿、モスクでいっぱいの魔法の場所」

・世界トップ3:英国ロンドン、フランスのパリ、ギリシャのクレタ島
・アフリカトップ10:
 モロッコのマラケッシュ、タンザニアのザンジバル島、モロッコのフェス、南アフリカのケープタウン中央、
 ケニアのナイロビ、モロッコのエッサウィラ、タンザニアのアルーシャ、南アフリカのOverstrand、
 モーリシャスのグランベ、ジンバブエのビクトリアの滝

Morocco is Africa's most popular travel destination: Trip Advisor
https://www.africanews.com/2020/03/06/morocco-is-africa-s-most-popular-travel-destination-trip-advisor/

#アフリカ 454 2020/3/8
【アフリカでのコロナ拡大がスローなのは当然】

医療システムの脆弱さが心配されてる割にはアフリカでのコロナ拡大速度がスローなのは
検知出来てない訳でもなく、
アフリカでの感染者は欧米籍の人が多かったりするけど、アフリカ人がコロナに強いわけでもなく
世界との人との行き来が少ないから、という話。
過去の感染症拡大の歴史を振り返っても、アフリカに入ってくるまでには時間がかかるよう。

面白い内容でしたが、結局ウィルスが入ってきたら対策をしっかりしないと、という点はいままでの報道と同じ。
幸か不幸か、アフリカが世界から断絶されてるということですね。

アフリカへの中国人労働者の2割がアルジェリアに行くという話も、へえーと。
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・COVID-19は世界で9.5万人の感染者、アフリカではまだ27人だけ
・医療関係者はアフリカでの未報告、未検知を懸念
・アフリカの脆弱な医療システムを考えると感染拡大が懸念されている
・SNSではアフリカ人はこのウィルスに強いという噂も

・しかし歴史を振り返ると理解できる、アフリカと世界の関係性のため

・アフリカの外で発生した感染症はいままでアフリカにはなかなか到達しなかった、入ってきても感染者は少数
 例えば2002年のSARSは中国での発生の5か月後、南アのみ
 2009年のH1N1はメキシコでの発生の2か月後のエジプトで。アフリカでの死者は世界の1%

 ->人間の移動に関してはアフリカは世界とのつながりが少ない 
  世界の旅行者のうち、アフリカへは5%のみ
  世界からの労働者の移動も少ない
  中国の世界への労働者のうち、アフリカへは16%のみ。そのうち2割はアルジェリアへ

・アフリカで発生した7か国は観光業が盛んだったり、外国人居住者が多い国
 (エジプト、アルジェリア、ナイジェリア、モロッコ、セネガル、チュニジア、南アフリカ)
 
・しかし一度持ち込まれたらアフリカ大陸内で国境を超えて広がる恐れがあるので
 対策を講じるべし

COVID-19 is only slowly reaching Africa. That’s no surprise.
https://www.theafricareport.com/24160/covid-19-is-only-slowly-reaching-africa-thats-no-surprise/

#アフリカ 455 2020/3/9
【キガリで映画「小さな国Petit Pays」のプレミア】

フランスで人気のラッパーでフランス・ルワンダ系のガエル・ファイユさんの自伝的小説の映画の話。

小説は40言語に翻訳されてるそうで、日本語でも出てました。
ちいさな国で ガエル・ファイユ
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「高校生が選ぶゴンクール賞」受賞らしいので、読みやすいのか、高校生に人気のラッパーなのかしら。

ルワンダでプレミア公開され、フランスでも公開されるとのことなので、タイトルもフランス語だしフランス語映画かも。見たい。
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・フランス系ルワンダ人のガエル・ファイユGael Fayeの小説が原作の映画がルワンダの首都キガリで封切られた

・ブルンジで育ったフランス系ルワンダ人の感動的な物語。ルワンダ出身の家族もいる。

・亡命、友情、民族間対立で引き裂かれる家族の物語。
 1990年代初頭のブジュンブラで、フランス人とルワンダ人の間に生まれた10歳のガブリエル

・「この本がこんなに読まれるなんて思わなかった。世界で40もの言語に翻訳され映画にまで。
映画はルワンダで撮影され、ルワンダ人、ブルンジ人、コンゴ人の俳優が出演してる。本当に私たちの物語だ」

・小説は2016年に発売されたとたんに評判に。いくつもの文学賞を受賞
・製作費500万ユーロ。コンゴ民主近くのルワンダのGisenyi地区で撮影
・フランスでは3/18公開予定

'Petit Pays' film premieres in Kigali
https://www.africanews.com/2020/03/09/petit-pays-film-premieres-in-kigali/

#アフリカ 456 2020/3/10
【ナイジェリア 議論を呼ぶカノ州首長が退位】

ナイジェリアってスゴイ世界だ、というニュース。
私衝撃でした。
カノ州首長という方が退位させられた話ですが、
世襲らしい首長の座にいたこの人は元中央銀行総裁で、
汚職や一夫多妻制を批判してよく議論になっていたそう。

どの写真を見ても衣装が独特で、ウサギ耳をぜひ見て欲しい
https://www.google.com/search?q=Emir+of+Kano&hl=ja&sxsrf=ALeKk01XAAPq1isjdPxFUd55ZNV-d1S7zg:1583813217526&source=lnms&tbm=isch&sa=X&ved=2ahUKEwj6o-KBhI_oAhUU62EKHQa0BRsQ_AUoAXoECBIQAw&cshid=1583813390641715&biw=1242&bih=577

今回も旧態依然の州政府が首にしたのかなという感じですが、
ナイジェリアは歴史と宗教と政治と進歩的な人と古い人達が混ざって混とんとしてそうだなーと。
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・ナイジェリアのカノKano州首長が退位
  何か月も州政府と対立していた。退位は州議会の満場一致で承認
  
・Emir Muhammadu Sanusi II ムハマド・サヌシ2世首長は2014年より在位、第14代
・以前はナイジェリア中央銀行総裁。初の北部人だった
・社会問題に率直な批判をする人で州政府方針との亀裂を招いたとの見方

・2019年には議会はカノ首長の伝統的宗教的役割が5つに分割。200年続く統治の形だった
 4人の首長権限追加。それも州政府との亀裂が招いたもの

・Kanoはナイジェリア北部の中央、宗教的歴史的地域
 50年以上首長を務めた叔父が亡くなった後に継いだ
 
・Sanusi氏について
・スーダン大学でアラビア語の学位取得
・ナイジェリアのBenin大学の学長
・2011年にフォーブスで「今年のアフリカの人」に選出
・首長になる前はアフリカ開発銀行のCEOを狙っていた
・ムスリムで2番目に力があるリーダー。1位はソコトSokotoのスルタンSultan

Outspoken Emir of Nigeria's Kano State dethroned
https://www.africanews.com/2020/03/09/outspoken-emir-of-nigeria-s-ancient-kano-state-dethroned/

このアフリカニュース投稿について。
だいたい毎日、英語のアフリカニュース複数サイトから気になるニュースを1つ選んで
自分で日本語で要約して投稿してます。

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主に自分のアフリカ情報収集と英語訓練目的で、多少皆さんのアフリカ情報のお役に立てればと思っております。
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