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#02 世界陸上2023で、私の目の色が変わった。

9年振りに、闘争心が湧き出てきた。

8月24日(木)。私は業務が終わらず、徹夜をしていた。
徹夜をする時は、大抵モンスターと、眠気に襲われた瞬間はなんとか自分の好きなYouTubeを見て眼を覚ます方法でなんとかいつも業務を行なっていた。YouTubeを開くとたまたま、世は世界陸上で盛り上がっていることに気がついた。
私は中学時代に長距離をやっていたこともあり、女子5000mの予選を自然と再生した。
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まず、当たり前に涙が流れた。そしてその次に、「自分っていつからこんなに弱くなったんだ?」と感じた。5000mには、私が陸上に打ち込んでいた際に同世代の頂点にいた田中希実選手が出場をしていた。田中選手の走りをみて、中学生時代の自分を思い出したのだ。向上心、過酷な練習を乗り越えたからこそ漲る自信、そして何よりも人生の充実度。今の自分とは別人である。9年前の自分の感覚を思い出した時から、私の中で何かが変わった。
「あの頃の強い自分に戻りたい」。

性格を180度変えた高校時代(=勉強時代)。

私の今までの人生は、陸上現役時代と引退後で大きく様変わりした。
よく言えば「丸くなった」。悪く言えば「自分に自信が持てなくなった」のだ。少しだけ具体化すると、「自分軸から他人軸思考」になってしまった。もちろん、陸上も最初から自分軸で行っていたわけではなく、始めたきっかけは奇跡的に陸上部の顧問である父親に、強制的に入部届を出されたことだった。(小学1年生時の話です。笑)だが、幸いに周りに優秀な選手が多く、伸びる環境が整っていたため、いつしか練習で泥臭い努力をし、結果を出すことが生き甲斐になった。中学校に入学してからは、陸上にかける想いややりがいはより強くなった。その時の自分のやりがいは、「単純に勝つと嬉しい。負けると悔しい。」「勝つと自分の親はもちろん、友達の保護者も、島の人みんなが喜んでくれる。」「島の中では見れない新しい景色が見れる」ことにあった。だから、卒業時には二度と陸上なんかやるもんかと思っていたくらい過酷な時期を過ごしたが、私はいつも自信に満ち溢れ、毎日が楽しかった。しかし、それが一変したのが高校生活だった。今まで部活漬けだった私が、何の手違えか、「学力奨学生」として高校に入学してしまったのだ。私は両親を安心させるため、国立大学もしくは公立大学には行きたいとは思っていたが、「部活と両立できるくらいで勉強を頑張れたらな〜」くらいにしか思っていなかった。しかし、そんな甘い考えは入学初日から打ち砕かれた。「部活?いや、困りますよ。あなたには旧帝大に合格してもらわなければならないんですからね。」そこから、人生で味わったことのない暗くて苦しい時代が始まった。ただ、私の母校の先生方の名誉のために言うが、先生方は本当に熱心に指導をしてくださった。おかげで、ギリギリ公立大学のラインに乗っているくらいだった私が、旧帝大を模試の判定欄に書いても遜色ない成績まで伸ばしていただいた。ただ、模試の点数と引き換えに、「夢」を見失った。自分は何のために勉強していて、大学で何が学びたいのか、正直よくわからなかった。そこまで考える余裕が私にはなかった。この高校生の経験から私は、「遠慮がち」「自信なさげ」「控えめ」と言う言葉が似合う人物像になっていった。

陸上とは違う方法(=知識)で自信を作った大学時代。

そんな私も、大学に進学すると、自ずと「就職活動」が迫ってくる。
正直、就職活動は私にとって「苦痛」「苦手」でしかなかった。
「なんでそんな威圧的に自分のこと聞かれないといけないの?」「何で、ただあなたの会社に行きたいって言ってるだけなのに、敵みたいな扱い受けないといけないの?」そんな気持ちでいっぱいだった。
そこで、私はそんな自分を変えなければと考え、コロナ禍になったことをきっかけに日本中の就活イベント、学生団体イベントに参加した。
そこで出会ったのが、「AltuM」という団体だった。その団体は、「自分は何のために生きるのか?」「人生の目的・軸を考える」ために日本各地の学生が集まり、知識をつけたり目標達成に向けて何かに打ち込んだりする団体だった。陸上生活を引退してからずっと欲しかった、ずっとわからなかった「自分が生きる意味」がやっとわかると思って、学生時代最後の1年はほとんどその活動に費やした。そこで私は、かろうじて就活で闘えるレベルの自信と、「自分が生きる意味の見つけ方・作り方」を培ったのだ。

社会に出てやっとわかった、本当の気持ち。

さて、私は晴れて就職活動で成功し、働く先を決めることができた。
しかし、なんとか間に合わせで作った人生の目的。全てが本心や自分に合っていることではなかった。自分の生まれ故郷では触れることのできなかった文化や価値観、人の生き方に触れ、自分が全力でやりたいことが見つかった。自分が誇りを持てる「より洗練されたミッション」ができた。でも、正直今の仕事では、そのミッションを達成できる仕事ではないのが現実だ。だから、私は自分のミッションを叶えられる道を選ぶことにした。社会的には、まだまだ理解のされにくい部類の職業になる。でも、それでも、自分に嘘をつき続けて今後の人生を生きるよりは、今20代のうちに一回チャレンジしたいと思えるようになった。

結果、世界陸上を見てどうなったのか。

世界陸上を見て、私はなりたい自分になるために、「強く生きたい」と思えるようになった。
大きく2つ変わった。一つは、「ランニング」を始めた。現職で身も心もズタボロだった私は、会社に行く時以外はほぼベットの上で生活するまでになっていた。そんな自分は嫌だ。もっと生き生きしたいし、もっと大好きな服をかっこよく着れる自分になりたいし、健康に生きたいと思った。最初はできる範囲で始めて行くが、「ハーフマラソン出場」を目標にまた走ることを再開している。二つ目は、「今後の進路に覚悟と自信を持つ」ことができた。今まで、他人軸に押され、自分の決断に自信を持つことができなかった。でも、今の仕事で田中希実さんくらいの熱量で仕事に打ち込めるか?と考えた時に、「NO」が出た。だからこそ、期日と次に進む環境に自信が持てた。
今日から、私の水準は、田中希実選手が陸上に欠ける想いの水準と同じに掲げる。もちろんブレる時もあるだろうが、ブレたとしても、絶対に戻ってくる。自分のミッションを実現するために。

そして、田中希実選手、日本新記録と26年ぶり入賞の快挙、
本当におめでとうございます。
そして、私の人生を変えてくださってありがとうございます。


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