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経営者の覚悟と死生観「諸行無常の真理を見据えて」

「諸行無常」という言葉がある。
誰もが一度は耳にしたことがあるだろう。
簡単に言えば「物事は常に変化し一定ではない」という意味だ。
役職や肩書、組織構成、人間関係、家族、さらには健康状態さえも変わりゆくものであり、誰もが必ず死を迎える。
この現実を受け入れ、覚悟を持つことが、経営者には求められる。
究極的には、死生観を持って生きることが重要なのだ。

平家物語の冒頭にある言葉が、この真理をよく表している。

祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理を表す
おごれる人も久しからず ただ春の夜の夢のごとし
たけき者もついには滅びぬ ひとへに風の前の塵に同じ

諸行無常は宇宙の絶対的な法則だ。
しかし、これは決して人生が無意味であることを示しているわけではない。
私たち経営者は、この短い一瞬にどう輝きを放ち、そしてどう散るか、そこに真理があると肝に銘じるべきである。
多くの経営者は、その一瞬のために、さまざまなことを犠牲にして生きてきたに違いない。
そして、これからも多くを犠牲にし、どう散り際を飾るかに全てをかけていると言っても過言ではない。
これは、経営者にしかわからないことだ。

また、これから起業し事業を立ち上げようとしている人たちにも伝えたい。
経営は命懸けであると。
大袈裟ではなく、この諸行無常の世の中で全てをかける覚悟があるか、そのような気持ちで立ち向かってほしい。

孤独な同志よ、共に前進しよう。

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