見出し画像

【MBTI】INFJとINFP 違い・比較・見分け方 ②マニアック編

 続・INFJとINFPの見分け方。INFJ・INFPファンのための、ちょっぴりマニアックな話です。

■前回記事(①基本編)はコチラ



1.心理機能は似ていない両者

 INFJとINFPは、16タイプパーソナリティにならってアルファベット4軸で判断するとJ(判断)P(知覚)しか違いがないため一見判断しづらいように見える。IN型故に大人しく、F型ゆえに優しいという部分までは被るからだ。ついでにどちらもHSP傾向が強いため、ここでも被る。

しかし8つの心理機能で見ると、実は両者は心理機能がひとつもかぶっていないため、機能の別やその並び順で見ると判別しやすい。まずINFJもINFPも、内向型ゆえに主機能には内向機能(Ni・Fi)が来る。ともに内心に留まる機能となるため次の補助機能でJ型・P型の別が決まる。

 補助機能を見ると、INFJはFe外向感覚型:判断機能)が来るため、判断的態度(J)が外部に表出する。そしてFeユーザーであるがゆえFe-Ti軸(他人軸)で物を考えるタイプである。だから他人にウソはあまりつかない(自分に対してウソをつく)

一方のINFPはNe外向直観型:知覚機能)が来るため知覚的態度(P)が外部に表出することになる。そしてFiユーザーであるがゆえFi-Te軸(自分軸)で物を考えるタイプといえる。だから自分にウソはあまりつかない(他人に対してウソをつく)

①INFJ(Ni-Fe-Ti-Se)

INFJを1行構文にまとめるとこんな感じになる。

洞察力を発揮することを目的(生きがい)とし、それを実現するための手段として協調性を発揮し、時には論理性でカバーすることもあるが、それすらダメなら直接行動に出る人

 INFJの主機能として常時ステージ上がっている意識はNiとなる。そのためパターン認識、法則性の解読、全体像の理解、知識の体系化といった洞察力を発揮することを得意とし、またそれを欲する。

この洞察力で得たビジョンを、補助機能Feを手段として実現しようとする。具体的には気遣い、協調性、利他性、貢献意欲を見せることで合意形成を試みる。それが有効でなければ、代替機能Tiを用いて論理的整合性を確保することで正当性を確保する。それすらダメなら劣勢機能Seで直接実力行使に出る……といった感じのパーソナリティになる。

もしINFJがSeを強いられる状況になると、他人や組織集団に対して迷惑を掛けることになるが、これを不誠実と捉えて罪悪感を覚えてしまう。だから目まぐるしく状況が変わり、アドリブやマルチタスクを要求される環境はその不自由感・無能感から堪えられなくなってしまう。

②INFJをまとめると…

 INFJで重要視するのはビジョンの実現で、これを実現するために利他性や協調性を発揮して合意形成を測ったり、時にはロジカルシンキングを行う性格といえる。その一方で直接行動が不得手で、INFJがこれを行うときは相当追い込まれた時で、それゆえ失敗することが多い。


③INFP(Fi-Ne-Si-Te)

INFPを1行構文にまとめるとこんな感じだ。

自分らしさを発揮することを目的(生きがい)とし、それを実現するための手段として想像力を発揮し、時には現実的感覚でカバーすることもあるが、それすらダメなら開き直ってしまう人

 INFPの主機能として常時ステージに上がっている意識はFiで、自身の好き嫌い、喜怒哀楽、良心、個性といった価値観を存分に発揮することを得意とし、またそれが自由にできる環境を欲する。

この自身の価値観を、補助機能Neを手段として実現しようとする。すなわち想像力によって得たアイデアでこれをアウトプットする。それが周りに響かなければ、代替機能Siで習慣化・ルーチン化を行って価値観の浸透を図り、それすらダメなら劣勢機能Teで正論パンチを打って、自身の価値観を強制的に認めさせる、といった感じのパーソナリティとなる。

INFPがTeを強いられる環境下に身を置くと、自分に対してウソをつくことを慢性的に強要される状況となる。だから営業職のように自身・他人の良心を省みないセールスを行い、それをノルマで強制されたりする環境にはきわめて耐性がなく、それが生きづらさの一因となっている。

④INFPをまとめると…

 INFPで重要視するのは感情の発露で、これを実現するためにアイデアを発揮したり、時には自ら行動することで示す性格といえる。その一方で価値観の強制・押し付けを苦手としており、普段穏やかなINFPが積極的に権利主張を行うときは相当追い込まれた時だろう。

2.鈍臭いINFJ・逃げ癖のあるINFP

 これを踏まえると、見分けやすいのは結局劣勢機能になる。INFJはなにせ鈍臭い。劣勢機能Seゆえにマルチタスクやアドリブがヘタで連絡のレスポンスも遅く、即興性が致命的に低い。その一方で、強制力や義務・責任に対してはそれなりに耐え、むしろ結構頑張る。

INFPは逃げ癖が目立つ。劣勢機能Teゆえに競争・強制が苦手で、義務や責任を強要される状況を嫌い、逃げ出したくなってしまう。その一方で、マルチタスクやアドリブに対してはP型だけあって対処はそれなりにうまく、持ち前の愛嬌もあってうまくこなせるようだ。

3.「協調」するINFJ 「同調」するINFP

 ここまでは教科書的な話だったが、ここから筆者の所感となる。INFJやINFPは共に感情的で涙もろい性格ではあるのだが、実は袖を濡らす理由や対象が違うのだ。

INFJやINFPは「つらい」とか「かわいそう」といった自身や他人の痛みや悲しみ、寂しさや疎外感といった喜怒哀楽の「哀」に対する感情に敏感だ。HSP傾向の高さから言ってそれは間違えない、そういった人を見かけたら放っておけず、なるべく寄り添おうとするだろう。また自分自身もそうなったらなるべく早く助けを求めるかもしれない。

 しかし「つらい」や「かわいそう」といった「哀」の感情を受け取るプロセスは、INFJとINFPとでやや異なる印象を受ける。筆者の稚拙な表現で恐縮だが、洞察力を用いて協調するINFJに対して、共感力を用いて同調するINFPといった印象だ。

その違いは、自身または他者の感情を補助機能Feによって間接的かつ補助的に処理するか、主機能Fiによって直接感情をやりとりすることで処理するかといったところになるだろう。

①INFJは「構造」から感情を読み取る

 INFJは自身の感情の理解・表現が上手くなく、INFPのように気の利いた言葉が出づらい。よって自身や他人を理解する場合は、その人の置かれた状況、およびその人の周囲を取り巻く外部環境といった「構造」から理解しようとする。

行動⇒動機⇒性格⇒本質 と遡及・帰納していく際に、切れていてひと繋ぎにならない部分、繋がっているが捻れている部分などを見つけ、その不自然な部分が外的要因にもたらされていると推論していくイメージだ。たとえばウソをつくメリットがないウソがあった場合、わざわざそのウソをつく動機や、そうせざるを得ない外的要因は何なのかを探るといった具合だ。

 INFJにとっての「つらい」とか「かわいそう」は、その人の周囲に存在する環境要因、強制力、不安要素、人間関係といった力場(ストレッサー)、あるいはその力場に置かれた人物の立場や状況、一般的な心境(ストレス)といった「構造」から間接的に推察されるものなのだ。

INFJはこの「構造」を読み取る感度や精度が高く、その人が受けているストレスや、その背後にあるストレッサーが何なのかを思料し、補助機能Feで協調していくという感じだろうか。だからINFJは「なぜ好きなのか?」の「なぜ」の部分はわかる。INTJの持つ問題解決プロセスが、対人関係に発揮されるイメージだ。

②自他の「感情」には疎い

 INFJは他人の感情を読み取るのは得意だ。「読み取る」というのがミソで実は「理解」はしていない。だから「なぜ好きなのか?」の「好き」の部分は分からないことが多い。INFJは自分の感情を理解するのがヘタだからだ。これはISFJにも見られるが、自己肯定感(自己評価・自尊感情)が著しく低いことによる。

自己肯定感は個人差はあるだろうが、INFJは人から理解をされにくい性格で、さらに劣勢機能Seによってアドリブやマルチタスクと言った即興対応を苦手とすることから、慢性的な無力感・コンプレックス・自己否定に苛まれることが多いために低い人が多いのではないかと思う。

よってINFJは自身の感情をあまりストレートには出さない。周りから嫌われることを過度に恐れるあまり、自分の感情を出すのが怖いのだ。そのためINFJは往々にして他人の感情の発露に対して憧れ・尊敬の念を抱く。憧れてしまうということはつまり理解から最も遠い感情だということで、この感じはINFPにはない。

③INFPは感情そのものを「理解」する

 対してINFPは自分の感情を理解することは割と得意だろう。主機能Fiが健全に機能していれば、自分が好きなのか嫌いなのか、嬉しいのか怒っているのかは割と把握はしやすいと思う。INFPは「なぜ好きか?」の「好き」ということ部分の認識は割とスムースにできるだろう。

これは他人の感情においても同様で、他人の「好き」「嫌い」や「喜怒哀楽」といった生の感情を察するのはINFPは得意だと思う。自身の感情を常に理解しているために共感力が高いからだ。

他人を理解する場合は想像力を用いて「共感」すること感情移入し、相手の感情に同調(シンクロ)することで生の感情に寄り添おうとする。こうしてINFPは相手の感情から写し取った自身の感情を通して相手を理解する(ミラーリング)

④「構造」の理解には疎い

 半面、INFPは自身の感情から他者理解を出発しているので、その人の置かれた状況、およびその人の周囲を取り巻く外部環境といった「構造」の理解は難しいことが多い。

「構造」というのはしばしば様々な要因・人の意思などが複雑密接に絡み合い、重層的になっている。だからその人物の立場や状況を困難たらしめるストレスも、その原因となる強制力、不安要素、不確定要素、人間関係などのストレッサーも、一筋縄には行かないことが多い。

INFPはP型故に、あるいは劣勢機能Te故に、ルールやしがらみ、強制力や義務感といったものに苦手意識を持ちがちだ。そうした理不尽や不自由の本質を理解し、向き合わざるを得ないのが大人なのだが、ピュアなINFPはそれを嫌って目を背け、そうした「構造」の存在も遠ざけてしまいがちだ。INFJならばそれはありえない。

4.「書き手」としての立場の違い ※筆者の主観です

 INFJやINFPは内向型であり、一般的には社会適応力が低いタイプであるので、会話によるコミュニケーションだとタイプがわかりづらいことがある。社会に適応するためにペルソナをかぶっているからだ。

ここから筆者の主観になってしまうが、INFJとINFPについては内向型・直観型ゆえに文章を書かせると判別しやすくなる気がする。上述の通りINFJは主機能Ni+他人軸(Fe-Ti軸)のタイプであり、INFPは主機能Fi劣勢機能Teの自分軸(Fi-Te軸)であるため、「書き手」として立場が違うためだ。

ざっくり言えば、INFJは「役に立つ文章」を書くのに長けていて、INFPは「面白い文章」を書くことを得意としている傾向があるようだ。

①INFJは評論的

 INFJは他人軸のタイプであるため、文章を書かせるとどこか第三者的で主観性が薄く評論チックなことが多い。とりわけ不健全状態で代替機能Tiが出るとこんな感じになってしまう。

文体や文節は主機能Niで構成力が担保されるためか、比較的整理されていて読みやすい。比喩も適宜用いるためわかりやすい。

しかし網羅性が悪い意味で発揮されて何でもかんでも説明しようとするので文章が長い。また喜怒哀楽や好き・嫌いといった感情表現は薄味で、断定表現も少ないので歯切れが悪さが目立つ。自己肯定感の低さ、自身がなく遠慮がちな性分がここでも反映されるようだ。

②INFPは随筆的

 INFPは自分軸のタイプであるため、文章を書かせると随筆チックになる。主観性を前面に出した個性的な文体であることが多く、喜怒哀楽や好き・嫌いといった感情表現が鮮やかで、自分軸であるためそれなりに言い切る。

Fiのお気持ち表明と自分本位がいい意味で発揮されており、共感を用いるために読者との距離感を詰めるのが上手く、読んでいて面白いことが多い。

ただし主観性が前面に出すぎると、構成力が崩壊することがあり、カオスな文章になる一面がある。また網羅性が担保されていないため、内容が偏ったり、説明が省略されたりして読者が置いてけぼりにされることがある(そこがまた面白い)

まとめ

 INFJとINFPの違いついて思いつくところを書いてみた。はじめこの記事を書いたが若干マニアックで偏ってる感じがあったので、後になってから①基本編を書いた次第。

やはりポイントは自分軸・他人軸の違いと、劣勢機能(Se・Te)の違いだろう。そしてネットのように書き言葉だと割と判別がつきやすい。逆にリアルだとちょっとわかりづらいかもしれない。

実際のところ、同じINFの民として価値観や世界観が似通っていることが多く、それなりに共通点も多かったりする。特に共学の中学高校では、二軍っぽい女子中高生がお互いにハグしてる光景を見かけるが、ISFJ・ISFP・INFJ・INFPあたりはごっちゃでよくわからなくなることも多い。

共通点についてはそのうち別の機会に書いてみたいと思う。

リンク


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?