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ヒーローショーができるまで~事前リハーサル編~


こんにちは、ブローノヴァ制作部です!

今回も「ヒーローショーができるまで」シリーズです!
今回は「事前リハーサル編」をお送りします。

ヒーローショーは多くの人に観てもらうことが前提ですので、
やはり良いモノを見せたいわけです。

良いモノを見せるには、ぶつけ本番ではなくしっかりとリハーサルを
しておくのは当たり前じゃないの?

と、思う方も多いでしょう。
長年携わっていると考えもしなくなってしまうのですが、
ヒーローショー業界が少し変わっているのだと思います。

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人前で何かをみせるということは

ヒーローショーに限ったことではありません。

演劇であったり、音楽ライブであったり、漫才であったり、
セミナーであったり、発表会であったり、などなど、
様々なところで存在しています。

事前に準備・練習をしておくのは
何をやるにしても同じことだと思います。
しかし、映像と生では少し異なります。

映像作品はカメラ前でなにか行いますので、
もしうまくいかない、納得いかないと言う場合は
撮り直しができます。

しかし、ヒーローショーのように
お客さんの目の前で本番一発勝負になる生のステージは
撮り直しのきかない、本番一発勝負です。
映像よりも事前の準備をより一層必要とします。

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演劇の場合

ヒーローショーとよく似ているものとして
「演劇」を例に説明します。

演劇とはお客さんの目の前でお芝居を演じて物語をみせます。
ヒーローショーも「演劇」と言えば「演劇」なのですが・・・

演劇は、だいたい1時間~2時間くらいぶっ通しで
物語が進んでいきます。
途中休憩を挟んで3時間なんてモノもあります。
そんな膨大な時間の間に起こることを
役者・スタッフは把握しなければなりません。
セリフはもちろん、登場の段取り、衣装の早替え、
小道具の出し入れ、セットの転換などなど、
1つのステージで覚えることが盛りだくさんです。

もし、セリフを忘れてしまったら?
もし、あるべき小道具がなかったら?
もし、早替えが間に合わなかったら?
考えるだけで恐ろしいです。

ですので、演劇はとても長い期間
稽古(事前リハーサル)を行います。
1~2ヶ月単位でしっかりと作り上げていきます。

それだけのモノを積み重ねた上で
本番を迎えるものなのです。

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ヒーローショーの場合

それを踏まえて、ヒーローショーはどうかというと、

事前リハーサルは必須のモノではない、
というのが業界の暗黙の了解となっています。

もちろん、やった方が良いに決っています。
しっかりリハーサルをしたモノの方が
よりクオリティの高いモノをお客様に届けられます、
当たり前ですが。

大きめなイベント、スペシャルショーなどは
事前に何度もリハーサルを重ねて
クオリティの高いショーをお届けしていルのですが、

ヒーローショー界隈でのよくあることなのですが、
デパートの屋上やショッピングモール、住宅展示場などの
無料で誰でも見ることができるショーの場合、
当日あわせ(当日にはじめてメンバー全員が集まり、
段取りを付けるところからはじめる)ことがあります。

理由の一つとして、
全国各地で非常に多くのヒーローショーが同時刻に行われています。
各地のキャラクターショーに関わる事務所などが、
そのショー現場に必要な膨大な人員を必死に探して集めているわけです。

何が問題かというと、
レギュラーでヒーローショーの仕事をしている人だけでは
人員が足りないということです。※

※ゴールデンウィークや夏休みなどの
いわゆる繁忙期と呼ばれる時期は本当に人の確保が
各事務所の大変なところです。
逆に閑散期には人が余ってしまうこともあります。

スケジュールの都合で本番当日しか参加できないメンバーもいたりします。
ヒーローショーは主に土日などの世間がお休みの時にあるモノです。
ですので、専門でやっている人は実のところ少ないです。
ヒーローショー以外にも役者をやっていたり、スタントマンをやっていたり、いわゆる普通の会社員をやっていたりと
様々な人たちがヒーローショーに携わっています。

このような理由もあって、
事前リハーサルができない、と言う事態があり
仕方なく当日にすべてを作り上げることになるわけです。

長年、当日合わせを経験していると、
「当日でもなんとかなるだろう」という思想が芽生えてきます。
筆者の場合は、自信があるではなく、なんとかなるだろう、ですかね?

他の理由としては、
ヒーローショーの仕事は本番当日の「ショー」に対してのギャラしかありません。
事前のリサーサルにはギャラは出ないことが多いです。
費用対効果を考えると、やらなくてもなんとかなるなら、
事前リハーサルなしで当日あわせのがいい、と思えてしまうのです。

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はじめてヒーローショーをやる場合

かなり前置きが長くなってしまいましたが、
事前リハーサルはやった方がよいです!

はじめてショーをやる、または全然なれていない、と言う場合は
やってみないとどんな問題があるのかが分かりません。

事前リハーサルをやらなくてなんとかなるのは、
みなさん場数を踏んだプロの方々だからです。
経験値が高いので、多少のトラブルがあったとしても
ショーを成立させることができてしまうので、
当日合わせにしているのです。

事前リハーサルをやるときは
できる限り本番の環境に近い環境を用意しましょう。

ステージの広さ、控えの場所、PAの場所、
衣装、小道具、マイク、PAの操作、
考えられる限り、本番にちかいものを想定して
リハーサルを行います。

リハーサルでやるべきことは
・出ハケの動線の確認
 控えが上下にあるのか、片方だけなのかで考えることが変わってきます。
 複数人同時に出ハケがあるなら、誰がどの順番で出ハケをするのか。

・お芝居の段取り
 
お客さんに効果的にストーリーを伝えるための演習です。
 ここをよく考えておかないと、誰がセリフをしゃべっているのか
 分からなくなったり、セリフはのわりに何も動きのない芝居に
 なってしまったり、キャラクターの関係性が全然みえなかったり、
 見ていてとてもつまらなくなってしまいます。

・小道具の出し入れ
 小道具を持って出る、持ってハケる、なら簡単ですが、
 お芝居の途中で急に出てくる、あるいは急になくなる、
 という場合は、控えから出す、または飛んでくる、
 あらかじめステーに仕込んでおく、
 控えに入れる、お客さんの見えないところに隠す、
 というのも考えられます。
 
・アクションシーンの手付け
 ヒーローショーではここが一番気合いの入るとこですね。
 雑魚を蹴散らす、ピンチになる、互角の戦い、派手なトドメなど、
 どんなシーンをみせたいのかを考えて作っていきます。
 音源でアクションの時間が決っているなら、その時間に合わせた長さで
 アクションシーンを考える必要があります。

・早替えがあれば必要な時間の確認
 ショーの途中にお遊びがあると、時間に余裕が持てますが、
 そうでない場合は、はじめの役が終わってから、
 次の役で登場するまでの間に、着替えか終わるのかどうか
 時間を計って実際に早替えを練習しておきましょう。

・小道具の管理
 ヒーローショーの控えは狭いことが多いです。
 なのに衣装はやたらとかさばり場所をとります。
 細かいことですが、控えのどこに小道具を置いておくか、
 意外と重要になってきます。

・曲送りやSEのタイミングの確認
 専属でPAがいればリハーサルを見ながら
 順番に確認していけば特に問題ないのですが、
 音源がアクションシーン終わりはトラックチェンジしないと
 物語が進まないタイプの場合、アクションシーンを覚えておかないと
 曲送りのタイミングが分かりません。
 SEを当てる場合も、アクションシーンを見て
 どこでどのSEを出すか覚えておく必要があります。
 PA専属がいないときは尚更、誰がどのタイミングで操作するのか
 確認しておく必要があります。

・全体の時間の確認
 
以上のことをすべて確認できたら、最後に全体の時間をはかります。
 一度ショーの始まりからショー終わりのMCの後説まで、
 全てを本番通りにやってみましょう。
 多少トラブルがあったとしても、そのまま最後まで通してください。
 まずは全体の時間の確認をして、予定の時間より長ければ、
 どこか削って短くしなければなりません。
 または大幅に時間が余った場合は、ショー以外のこと(撮影会など)を
 行って時間調節を考えます。
 通している間に起こった問題点は、原因を探り、ちゃんと対処方法を
 考えておきましょう。
 本番までに問題が解決していれば大丈夫です。
 心配なら、この全体通しを何回か行い、自身をつけて
 ショーの質を上げていきましょう。

ここまで書いてきての結論、
事前リハーサルはメリットばかりなのでぜひやっておきましょう!

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ここまで読んでいただきありがとうござます!
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実践編シリーズ
「ヒーローショー台本の書き方~実践編~」
 実際の台本を公開して解説【初心者でもマネするだけで書ける!】

 https://note.com/blownova_elsol/n/n99c70f5a8114

ヒーローショーができるまでシリーズ
概要

 https://note.com/blownova_elsol/n/n99c70f5a8114
企画編
 https://note.com/blownova_elsol/n/n3421e8b1c488
打ち合わせ編
 https://note.com/blownova_elsol/n/n6836d37bf645
台本作り編
 https://note.com/blownova_elsol/n/n08be2010620a
音源作り編
 https://note.com/blownova_elsol/n/nd5d42e076d60
衣装・小道具編
 https://note.com/blownova_elsol/n/n81ffb45047f1
スケジュール管理・人材確保編 
   https://note.com/blownova_elsol/n/n9383e3057db1
ショー当日編
 https://note.com/blownova_elsol/n/n199445dc9982


サブカル営業旋士ブローノヴァ
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#作り方
#ヒーローショー

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