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上京準備

母が上京する日程を決めてみた。
今月8日(木)に帰り9日(金)の昼過ぎに出発。
実家から私の東京の自宅まで移動に半日かかるけど、普段の一泊二日の旅行だってそんなものだものね。

でもその2日間で病院で紹介状受け取り、当面の着替えなど宅急便で送って、親類のおじさんにもうちでご飯食べてもらって、生ゴミとか残さないようにして・・・、なんて考えているとなんと目まぐるしい。

やはり7日から帰りたいけど、娘がその日の夕方、永久脱毛体験初日だしな。

そして、なんやかんやと長い時間いると何かとボロが出そうで。。

母に上京することを秘密にしている訳ではないけど、ものすごく出不精でちょっと買い物に出かけるだけでもものすごく抵抗されることがあり、でも忘れるのでまた説明するとまた同じように気分を害して・・・と延々とループにハマるので直前に話すことにしている。

でも嘘はつきたくないので、必然的に履行時刻までの時間は短い方が気分を害するリスクは少なくなる。
よって、やはり8日に帰ろうか迷っている。

そもそも本当に無事に連れてこれるのだろうか。

新富士駅までタクシー、新富士から東京駅まで新幹線、東京駅から新宿駅まで電車、新宿駅でご飯を食べてそこからタクシーで自宅か。

これだけお金をかけても本人にとってはツラいのだろうな。
トイレも近いしね。

娘が赤ちゃんの時の帰省を思い出す。

ベビーカーを近くに置きたいので、普段は取らない指定席の予約を取ったり、授乳のために特別室を探したり。

そして、忘れ物をしないように持ってくるものを書き出しておこう。

通帳類、保険証類、紹介状があればあとはなんとかなるか。
着替えは送るし。いやパジャマ・・・

母のウエストサイズは3Lなので私のものを貸せない。

そうこう考えていると姉からメールが来た。
事務連絡とともに「デイサービスからまた腫瘍が大きくなったと報告がありつらいです」と。

私だって、治療をしないと決めたことに迷いがない訳ではない。
メールの文字が目に入った時に胸から腹にズシンと音がしたのではないかと思うぐらい体内を何かが落ちた。

そうだ、フコキサンチンを買おう。
高額だから躊躇っていた。やはり買おう。

目をつけておいたウェブサイトを見たら在庫がない模様。
一番人気のフコイダンの製品を買う。
38,800円・・・。
高いのう。それでも良心的な価格のようだ。
本当は栄養療法仲間の扱う製品にして安心したいが、1.5倍ぐらいの値がするし大量に飲む必要があるらしい。

効果があるのか、いつまで飲むべきなおか、お金はどうするのか・・・。

迷ってばかりだなぁ。
ちっとも穏やかな最期ではなさそうだよ、近藤誠さん。

何もしないと決めたのに大学病院に行くのは、花咲がんをなんとしても避けたいから。それだけの理由ではないけど、とにかくつらい思いをさせたくない。検査も手術もね。

何をどう判断するのか自信がなくて、ついついネットで検索しても大した情報が得られず、仕事も進まない。

母はこちらでの生活に戸惑って帰りたいって言うと思うし、私も同じことを何度も話さなくてはいけなくてイライラするだろうし、今からドキドキするんだけど、でもやはり母を一人で置いておけないよ。

投薬を始めるにしたって副作用にも気づけないじゃない。
いくら馴染みのある自宅とはいえ、仲の良い人と会えないとはいえ、完璧に揃った環境は用意できないんだよ。

認知症がさらに進むかもしれないけど、もう仕方がない。
できるだけそばにいて安心安全なところに身をおいてほしい。
しっかりと栄養と運動で全身状態を維持させてあげたい。

だからこれでいいんだ、と自分に言い聞かせる。
その先に何が待っているかわからないけど、やれることをやるしかない。

夫は、母を連れてくると言った私に黙ってうなずいた。
彼にどこまで覚悟があるのかはわからないけど、それができることのベストと思っているのだろう。

無口で私にはぶっきらぼうだけど、ありがたい。

あれこれ考えた挙句、物理的な移動よりも、心づもりの方が何倍も大きいことに気づく。

ウクライナの人々のことを思えば、なんと幸せな心づもりだろう。
誰に何を奪われた訳でもない。

そして、私が倒れる訳にはいかない。
心穏やかに過ごそう。
私は幸せ。

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