見出し画像

カウンセリング・コンサルティング・ティーチングと、コーチングって何が違うの?

「コーチングってカウンセリングと何が違うの?」と何度か聞かれたので、コーチングとカウンセリング、ティーチング、コンサルティングとの違いについて、まとめました。

コーチングの定義、コーチの役割などの基本知識については以下からご覧くださいませ。


最適なテーマ領域がある

課題解決や目標達成に向けて、コミュニケーションをとるという点では、
・カウンセリング
・コンサルティング
・コーチング
・ティーチング
は、類似点があります。
が、適した領域、価値を置く場所、実施目的はそれぞれ異なります。

コーチングが有効に機能するテーマ領域は、”重要だが緊急ではない事柄”です。長期で成し遂げたいテーマに対して、意識的に戦略をもち、行動を選択していくことにコーチングのアプローチは、一番効果を発揮します

重要度・緊急度

一方で、緊急に対応しなければいけないテーマや事柄に、コーチングは最適な手法ではありません。
緊急な事柄には、直接的な指示も可能なティーチング、あるいは戦略から行動プランまでを提示してくれるコンサルティングの手法が有効です

カウンセリングとコーチングの違い

「カウンセリングとどこが違うの?」という疑問は、カウンセリングとコーチングが、クライアントへの”問いかけ”をメインに行うため、湧いてくる疑問ではないかと思います。

カウンセリングは、メンタル領域の専門家がクライアント自身が抱えている問題に対して、主に過去を扱い、クライアントのことを掘り下げていきます。カウンセリングでは、病気の治療や問題の改善を目的に質問を行います。

コーチングは、クライアントが達成したいこと、叶えたい未来に焦点を当て、その達成にむけた問いを投げかけます。
クライアント自身が自分のアイディアに気づき、そのアイディアを発展させ、自発的な行動をもたらすことがコーチングカンバセーションの質問の目的です。
コーチは、その目的に沿った適切なクライアントの観察、目的を持ってクライアントの話を聞くこと、効果的な質問の作り方、フィードバックの方法などを綿密に学び、習得しています。

コーチングカンバセーションは、主体的な行動変容を引き出すための対話

またコーチングは、ティーチングやコンサルティングのように、直接的な技能の提供や対策、解決策を提供することに価値をおくアプローチではありません。

コーチの役割は、
・クライアントの自主性を高める
・クライアントに主体的な行動をもたらす
・目標達成、問題解決の方法を、クラアントが自分自身で考えられるように問いかけをする

ことです。コーチが解決策を提示していては、これらは達成されません。

コーチングの価値は、ゴールや戦略、解決策を教示することではなく、クライアントが、ソリューションについて考えられるように問いかけをすることで、クライアント自身の自発性や能力を長期的に高めることです。

図:4つの手法でなされるカンバセーションの違い

縦軸は主となる価値、横軸は主な焦点です。

4つの手法の対話の違い

コーチングの対話は、目標達成そしてそれを通じた能力開発のための対話

ただし、セッション中に「コーチはどう思いますか?」「コーチだったらどうしますか?」など、クライアントからの直接的なリクエストがある場合には、お答えしています。
また、教師やコンサルタントがコーチング 的な対話をまったくしていないか、というとそうではありません。上記の図はあくまでも手法の違いであって、職務の違いではないことにご留意ください。
毎月行っているコーチング のきほんオンラインセミナー(無料)でもこの違いについてご説明しています。もっと知りたい方、ご質問のある方は、ぜひご参加ください。(2023年 休止中)

コーチングは、スキルのある人が重要度、難易度の高い問題や目標に取り組むときに有効

ティーチングでは、「教える側」と「教えられる側」がありますが、コーチングでは、「教える側」「教えられる」といった関係性ではなく「対等な関係」であることが重要です。
ティーチングやコンサルティングでは、教える側やコンサルタントが目標達成のための道のりを提示しますが、コーチングは、コーチの問いかけにより相手の主体性を高めながら相手から解決策や行動の選択肢を引き出していく手法です。そのため、コーチングは一定以上のスキルがある人に有効な手法です。(新人育成にコーチング型マネジメントは有効ですが、コーチングそのものの実施が新人育成に向いているとは言えません。)

特にアラフォー、アラフィフを応援したい!

目的思考を持った若い世代は情報収集に長け、グローバルスタンダードな価値観をもち、新しいものを取り入れることに柔軟です。コーチングについて知識があり、興味を持っている人も少なからずおり、プロを活用することにも躊躇がない印象があります。彼らは時が来れば自ら必要なものを取りに行くと思います。

が、コーチングが外資系企業や大企業だけでなく、中小企業にとっても一般的になり始めた今、私が個人的に特にコーチングを自己成長手段の選択肢に入れて欲しいと思っている世代はアフラフォー、アラフィフ世代です。この年代は、上司、部下、また社内外に直接的な影響力がおおきい世代。しかし同時に責任が大きくなり、自分自身に取り組む時間が最も取りにくい年代でもあります。
社会人としての経験を積み、仕事への理解はもちろん、自身の強み、会社と自身の関係性、キャリア、やりたいこと、やりたくないこと、できること、できないことなどに多くの要素が描ける状態で、ある程度社会のことも自分のことも”見える”状態になってくる世代だからこそ、そこから固定観念をいつの間にか作り上げ、踏み固めてしまう前に、自分の思考と距離を取り、目の前、また関わっていく世界との関係性や自己認識をストレッチして、行動の選択肢と自分自身の可能性を広げ続けて欲しい。成長の機会を多くもたらされていた若い時代が終わると、次はその機会を自分でつくっていくタイミングです。

人生100年時代、私たちはこれからまだまだVUCAの時代を生き抜かなければいけません。より柔軟に、自分のための時間を取り、自律的な望みや思考を探索する人が増え、他者への寛容性を高めながら、一人ひとりが輝いている日本が実現することを願っています。

個人的には、自分の人生に取りかかれるリタイア前後のタイミングの方とも、パーソナルコーチング をやってみたいなとも思ってます。

こちら、株式会社ケンエレファント 取締役事業統括 青山雄二さんにコーチングの時間について伺ったインタビューです。ご自身のご経験を赤裸々に語ってくださっています。

まとめ

・コーチはメンタル領域のエキスパートではなく、能力開発のためのコミュニケーションのエキスパート
・コーチングではクライアントの能力開発も目的の一つであるため、ティーチングやコンサルティングのように、課題解決のための技能の直接的提供や対策、解決策を示さない
・コーチングは、スキルが高い人が、”緊急度が低く重要度、難易度が高い問題、目標に取り組むとき”に最も有効に機能する

お読みくださり、ありがとうございます!

コーチングでは、セッションに入る前に、クライアント様の状態やテーマ、そしてコーチングに対する理解を揃えるプレコーチングを行います。セッションを検討されている方は、以下から、プレコーチングをお申込みいただけます。


提供しているコーチングについてはこちらでご紹介しています。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

最後まで読んでくださり、ありがとうございます! いただいたサポートは、”新しい発見”のための活動に充てます。