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[日本語訳] デザイナーが必要なソフトスキル

こんにちは、momoです。

今回はMei Zhangさんのmedium記事「What makes a good designer 1: Soft Skills」を翻訳したいと思います。 

元の記事はこちらです。(この翻訳は投稿者本人からの承認を得た上で、翻訳しております)

ここではソフトスキルの話しかしていないので、「何のツールを使えるようになれば良いか」などの話は一切しておりません。


1. 伝える力を鍛える

デザイナーの仕事は簡潔に言うと、最適な解決策を見つけることです。それをいかにチーム内、クライアントに対して明確且つスピーディに理解してもらえるかが成功の鍵の一つになります。

そのためのいくつかアドバイスが以下の通りです。

自信を持つこと。あなたの自信によって、オーディエンスに影響を与えることができます。

アイデアや提案内容を裏付ける理由を可視化してください。それは、A/B実験の結果や、データアナリストの知見、フルファネルのユーザーテストでも問題ありません。

あなたが上記理由を元になぜこの提案になったかの「思考の旅路」をプレゼンする前に書き留めておきましょう。ユーザー/ビジネス/技術的なニーズがどのようにあなたのデザインを形作っているかを見える化するとより良いでしょう。大きなプロジェクトの場合は、ピッチを書いても良いかと思います。

すべての可能性を視覚化しましょう。ステークホルダが「なぜAを試してみないのか」と尋ねてきた場合、Aを見せて、なぜうまくいかないのかを説明できる方が、より明確に相手も理解ができます。

デザインを取り囲むステークホルダーにデザインの意図を正しく伝え、承認や合意を得ることは最適なUXを実現する上で必須です。そこに至るまでのコミュニケーション方法について、知りたい方はこの本をおすすめします。


2. 自主的に「まず自分でやってみる」

デザイナーに求められるのはもらったものを表面設計するだけではありません。UXデザインの領域になると、ビジネスモデルの提案まで関わることもあります。そうなってくると、私たちは単なる業務を遂行する人ではなく、これから提供するすべてのものがユーザーにとって本当に素晴らしいものなのかを確認するユーザー擁護者でもあります。

1)降りてくるタスクをただ待ってるだけではいけません。自分が何をすべきかを考え、自ら取り組むべきことを見つけましょう。多くの既知のUXの問題は、解決するものの優先順位をつけていると思うので、ユーザーに大きな影響を与えるものを選び、チームで解決していきましょう。

2)目の前の課題を解決したとしても、それに伴う新たな課題を発見し、掘り下げることが必要です。ユーザーの洞察を得ることができるソースに手を伸ばし(例:CSからの質問及びフォードバック、Usabillaなどの分析ツールによるフィードバック、Google Analyticsの導線フローなど)、問題を見つけたら、チームに共有し、課題解決のための仮説に取り掛かりましょう。


3. タスクをこなすだけでなく、プロジェクト全体に対して責任感を持つ

デザイナーは、プロダクトとエンジニアとの仲介者ではありません。それどころか、私たちが両者をハンドリングする必要があるくらいです。プロダクトオーナーと一緒にタスクの優先順位を決め、開発者と一緒にリリース後のユーザーの動きをトラッキングすることが良いチーム関係とデザイナーとしてのポジションを築き上げていくでしょう。

1)現在のタスクが終わったとしても、次のタスクに完全移行することはできません。むしろその解決したタスクのフォローアップする必要があります。実装は上手くいているのか?トラッキングタグは予想通りに動いているか?結果から何が学べると想定しているか?その結果に対して別の部分で必要とされるタスクはあるのか?課題として上がった物に対して「本当に解決されたのか」を定量的に測れるようにしましょう。

2)あなたはプロダクトの価値を創出しているのであって、単なるタスクを完了させていくことが仕事ではありません。改善すべき点が見つかったときはあなたのポジション範囲内であるかどうか関係なく、ステークホルダとの会話を進めましょう。あなたの役目は、みんなと協力して素晴らしいユーザー体験を提供することです。

3)最後まで何かを提供できるトピックやキーワードを持っておきましょう。アイデア出しからスコープの定義付け、ビジネスの議論からデザインへの落とし込み、実装から結果測定までに一貫するものです。そうすることで、コンセプトをプロダクトとして着地させる方法をシンプルに導くことができます。


4. 利害関係者(ステークホルダ)を巻き込む

異なる分野の人たちと協力して同じ目標を達成するためには、部署や役職問わずに横断的なコミュニケーションスキルを持つことが重要です。

1)ステークホルダはデザイナーではありません。そのため、彼らの理解する言語で物事を説明しましょう。デザインを提示する際には、彼らの利益になるような理由を伝えましょう。そのためには、彼らの分野に関する知識が必要であり、彼らが何を懸念しているのかをデザイナーが理解する必要があります。

2)ステークホルダから突拍子もない意見や想定外のこだわりがプロジェクトを進行している際に出てくる時があります。そのような場合は、まず意見を聞き、そこに至った経緯や彼らの視点を理解しましょう。あなたのソリューションはその全ての意見から生まれるでしょう。要求が無理難題や一貫性がなかったり、ユーザーフレンドリーではないと感じたら、恐れずに押し返すことはこれからプロダクトをグロースさせていくパートナーであれば、大切なことです。

3)常に何を期待しているのかを尋ねてください。影響力、緊急性、仕事の性質に基づいて、タスクに優先順位をつけましょう。いつ、どのタイミングで何を提供するかをステークホルダと常に共有してください。進捗状況の報告も同様です。物事があちこちに散らばっているようであれば、スプレッドシートを作成して、プロジェクトの進捗を把握しておきましょう。

4)早い段階でステークホルダを巻き込みましょう。タスクが開発的に重い内容であれば、開発者に議論に参加してもらい、彼らと一緒により良い方法を決めてもらいましょう。タスクがビジネスの目標を達成することを目的としている場合は、プロダクトオーナーと共同でデザインを行います。そうすることで、あなたのデザインはより説得力のあるものになります。


5. 立ち止まる時間を作る

ユーザーの行動データやセッション数、コンバージョン率などのプロジェクトにおけるフィードバックだけでなく、 1:1 MTGなどの自分のキャリアや働き方を見直すフィードバックも全て自分自身と仲間、事業を成長させてくれます。全てのフィードバックは基本的に自分自身が理解して終わりにするのではなく、少しでも前に進むためのネクストアクションまで考えることをしてください。

1)他の人からのフィードバックをただ待つことはやめ、自ら頻繁にフィードバックを求めましょう。1:1 MTG中に上司に聞いてもいいですし、フォームを作成して定期的にフィードバックをもらえるフローを作ってもいいでしょう。自分が計画していることを思いつき、改善しているかどうかをチェックするために、人にフォローアップしてもらいましょう。自分が計画していることを言語化し、改善されているかどうかを確認するために、誰かにフォローアップしてもらいましょう。

2)「振り返る」ことを習慣付けましょう。毎週のルーティンもしくは何かがもっと良くなっていたかもしれないと気づいたときだけでも大丈夫です。同じような状況になったときに、次に何をすべきかを考えてみましょう。あるいは、自分に足りないものを見つけて、日々の仕事の中で意識的に伸ばしていきましょう。

私も自分自身も、課題を可視化させるために「KPT法」に取り組んでいます。自分が思う課題がどれくらいあるのか、どの領域に置いての課題が現状多いのか。書き出してくると、共通点があったり、新たな発見をすることがいまだにあります。半年もやると、自分が課題と思ってきたことがどれくらい解決されてきたかも目で見て分かるので、自分の成長にすぐに気づくことができ、キャリアアップへのモチベーションに繋がるでしょう。


最後に

Mei Zhangさんも最後に書いていますが、「もっと早く成長したい」「もっと良くなりたい」という気持ちが自分の成長を伸ばす唯一の方法です。しかしデザイナーという職業である以上、1人じゃなく誰かと一緒に作り上げていくものなので、周りの人から学び、意見を聞き、今の自分に必要なものは何なのかを落とし込み、定期的に振り返ることこそが、最終的には「なりたいあなた」にたどり着けるでしょう。