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旅の果て

昔からお菓子作りが好きです。

きっかけは多分、小学生の頃。

『わかったさんシリーズ』を図書館で借りて読んだことかな。

お菓子って手作り出来るものなんだなあああ!と感激したような。(記憶は曖昧)

そうして興味を持ち、

流れるように、

いつの頃からか、ベーキングはわたしの生活に入り込んできてくれたのでした。

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つぶやき機能にも残したのですが、

昨夜、こんなパウンドケーキを焼いたんです。

ブランデー漬けのドライフルーツとくるみ、

それから、たっぷり過ぎるシナモンパウダーを加えた、

テーマは『はちゃめちゃに癖の強いフルーツケーキ』

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(これは食べかけ)

すっかり存在を忘れていて、気付けばドライフルーツ達を1週間もブランデーに浸からせてしまいました。

そのおかげで、ぷりぷりしたジューシーさがケーキに加わってくれた。

そしてカリッとしたくるみの食感。

このコントラストが堪らなく美味しいです。

絶品さんが出来ちゃった喜び。

大切に味わいながら、週末かけて食べようと思います。


そうそう、でね、

今日は何をここに綴っておきたいかと言うと。

このケーキが誕生するまで、その裏にどれだけのエピソードが隠れているのか、と考えたら、

どうしようもなく愛おしくなってしまった。

そんなことを書き留めておきたいです。


材料は、

薄力粉、ベーキングパウダー、グラニュー糖、バター、卵、ドライフルーツ、くるみ、ブランデー、シナモンパウダー

でした。

このうちの、例えば薄力粉。

製品化されるまで、店頭に並ぶまで、そしてわたしの手に渡るまで、

その間に、どれだけの人々が関与していたのでしょうね。

農家の方もそうだし、加工工場で働く方もそうだし、包装に携わっている人もいますよね。

運輸してくれる人、お店で陳列してくれる人、レジを打ってくれた人。

10人どころの話ではないと思うのです。


材料の分だけ同じことが言えるなと考えたら、

気が遠くなるほどの壮大な旅を経てわたしの元に集まってくれたメンバー、

そんな子達でこのケーキは構成されているのですよね。


もうこんなの奇跡じゃないの。


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(奇跡の結晶、食べかけ)


材料たちはケーキとなり、

わたしのお腹に吸い込まれてゆきました。

じきに消化され、わたしが生きるエネルギーとなり、

そうしてようやく長い旅を終えます。


おいしいね、ありがとう。

おつかれさまでした。


なんだか壮大な物語を観終えたときのような、

感動に似た愛おしさに包まれている金曜夜。


このケーキの材料たちに限らず、目の前に存在する全てのものに物語がある。

ある日突然、姿形が出来上がるなんてないですもんね。

そんな風に考えたら、全てが尊くて仕方ない。

絶妙に組み合わさって出来た『奇跡』の中に、

わたし達は暮らしているってことですよね。

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