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わたしへ。観たいものはすぐに観にいこうよ【ジブリ】

2020年というのは特別な年だなぁと思う。コロナやらオリンピックの中止やら長期政権の終わりやらで、きっと歴史の教科書に載るような出来事が毎日のように起こっている年。こんな年にまさか自分の人生で一番好きな映画をシアターで観ることができるだなんて思ってもいなかった。こんな2020年だったからこそ観ることができたのだけれど。

わたしの一番好きな映画は、千と千尋の神隠し。
日本で一番有名な映画といっても過言では無いと思うので、きっと他にも大勢一番好きな映画に数える人は多くいるんじゃないかと。
これが公開されたのは2001年の頃で、わたしが3歳のころ。初めて観たのは、親が持っていたDVDだったようで「お父さんとお母さんが豚になっちゃった」と大泣きしていたと言うのをジブリを見るといつも母親が笑って話す。そのDVDは上京したわたしが手元に持ってきていて、セリフを覚えてしまうくらいまでよく見ていた。VHSだったら擦り切れていたはずだから、あのときDVDを買ってきた親にありがたい。

そんな作品を初めて映画館で観たとして楽しめるのか?と悩んでいたはずが、すっかり頭から抜けていて、公演ギリギリ8月29日と30日に、千と千尋・ゲド戦記・ナウシカを観に行った。2日で全部観る予定だったのに予約順を間違えシアターの時間が被り、もののけ姫は観れず。
28日にセンパイが見に行ったよ〜と赤岳を登りながら話していたから思い出した。本当にギリギリだった。

はじめに千と千尋を観た。やっぱり何回見ても好きだし、シーンごとにどうなるかわかっているのにドキドキしてしまう自分がいる。橋のところで千尋と息を止めて、階段から降りるときにビビって、でもいろいろできるようになっていく様子をみながら、「あれ、そうか千尋は10歳のただの女の子だったっけ」って思い出した。いつの間にか年齢がすごく千尋を追い越してしまっていた。今までずっと共感をしていたはずのに、千尋の心配と成長をニコニコと見守る自分に変わっている自分がいて、もうひとまわりも千尋と離れてしまったことにDVDで見ていると気づかなかったのだ。今までなら
「ああ!なんでそんなこと言うの!」だなんて、ぷんぷんしていたはずだったのに。そういえば自分はもう社会人になって、大人になってしまったんだなーというのが千と千尋を映画館ではじめて観た感想になってしまった。

次にゲド戦記。これは映画版を初めて観た(と思う)いとこの家に子ども用の絵本があったらからストーリー自体はだいぶ昔にインプットされていた。でもやっぱり映画で観るとクモの表情の迫力が恐くて、映画館という環境だからか音響のせいか曲がとても沁みる。説教くさいなあとあとで思いもしたけれど、映画館で観たからか一つ一つの台詞が響いてちょっと泣いた。小説版は全然違うらしいので、読まなければいけない。たぶん別作品だと思ってしまうだろうけど、映画と変わらず魅力があることには変わらないでしょうし。

最終日にナウシカを観た。漫画版の印象が濃くあったからか最後の「感動的」に終わる感じがどうしても不思議で、ああ、これは漫画版をどうしても見なきゃいけないし、他のジブリも、できるなら庵野監督の作品も追わなければいけない、宮崎駿がかきたかったものをいろいろなものから掘っていかなければいけない、ただ「あーおもしろかった」だけでは終わってはいけないようなそんなことがぐるぐる頭で回ってしまって、無駄にシアターから2時間歩いて家まで帰った。陸橋からみる高層マンションの明かりが綺麗で、家の反対側の地域にはこんな景色が広がっているのかと明かりが目に滲みた。どうしてもジブリ作品って、頭の中でぐるぐる考えてしまうことも多くて、設定を作る上で知らないことも多すぎて、何回でも見返さなければならないと思わせる要素がすっごく多い。たった2時間の、ドラマとかアニメよりは短いはずなのに。また映画館でやってくれたらもうちょっとお勉強をして観にいきたいな。米林作品の思い出のマーニー・借りぐらしのアリエッティなんかも好きだからやってくれたらなぁ。あれは最近の作品だし、どちらも映画館で見たけれど。

そのときは、いつ観ようかだなんて頭の片隅に置いとかないでさっさと観にいってね、わたし!


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