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アコークロー

仕事で失敗をしたとき
友人、恋人関係がこじれたとき
私はよく夕暮れどきの海へ行く


強烈な太陽のオレンジが、冷たい海のブルーに浸かり
それを追いかけるように夜がやってくる

そんな三者のせめぎ合いを見つめていると
太陽と空と海が、私と対話を始める

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自分の中のギラギラと熱い、
やるせない気持ちと少しの言いわけが
時間の経過とともに海に沈み、
高ぶった気持ちを徐々に冷やしていく


物事には変えられないこともあり、
答えが出ずとも明日にそなえ
今日は帰りなさいと言うように、
夜がすべてを包みこもうとする


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悩んでいたことが整理されていく
私はアコークローの海が好きだ


アコークローとは沖縄の言葉で、薄明かりが残っている夕暮れ暮れどきのこと


潮水も苦手だし泳ぎも得意じゃないけど
心がすり減った時には、海を求めてしまう
それはやはり沖縄で生まれたからなのだろうか


夕暮れの海で目を閉じて波の音を聞いていると
『だいじょうぶ、だいじょうぶ』と
言ってくれている気がして、
そのまま波に身を任せていると
次第に心の傷が癒えてくる


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目を開けるといつの間にか夜が来ていて
私はようやく歩き出す


「明日も、がんばってみようかな」


アコークローの時間はとても短い
海で過ごす、不思議な時間


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