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なんこう練太郎の導入メリットと実際の使用感について

内科 (総合診療) クリニックの門前薬局です。これまでは外用塗布剤の混合処方が出れば軟膏板と軟膏ヘラで混合軟膏を作っていました。
が、業務の効率化が今の薬局のトレンドということもあり、機械化できる部分は機械に頼るべきだと考え、軟膏の自動練り機械「なんこう練太郎」を導入しました。
価格が高いので、導入したいなあと思っていてもこれまで躊躇していたのが、実際のところです。

まあ、導入しようと決意した最も大きな理由は、「レスタミンコーワクリーム+l-メントール」の混合の煩雑さです。

この処方は病院の院内製剤 (病院によってレシピは違う)でよくみられるかと思います。
レスタミンコーワクリームの中にわざわざl-メントール入れる理由は「清涼感を出し、掻痒症状の改善効果を増大させるため」です。

メントールは常温で結晶化しているため、液体にして、レスタミンコーワクリームと混合する必要があります。メントールを液体にする方法は以下の通り、3つの方法(a.粉砕してハッカ油で溶かす方法 b. エタノールで溶かす方法 c. 湯煎して液体にする方法)があります。

a. l-メントールを乳鉢にて粉砕する。ハッカ油を入れ液体になるまですりつぶ す。
b. 乳鉢にl-メントールを入れて乳棒で粉状になるまで粉砕。その後、エタノールをほんの少量入れてメントールを全部溶かす。
c.l-メントールを湯煎して液体する。(l-メントールの融点は42–45 °C) 

この溶かした液体状のメントールをレスタミンコーワクリームに混合する作業が、非常に時間がかかります。

当薬局ではレスタミンコーワクリームをボール容器にいれて軟膏ベラで、液体l-メントールと混ぜていました。混ぜるのに時間がかかりますし、終わった後の掃除も大変です。

そこで、なんこう練太郎を使用することで、この作業が短縮できるのではと考えたわけです。

唯一の心配事は軟膏と液体を混合することで、混合中に液漏れしないかということでした。
実際に導入して使ってみると、まったく問題なかったです。

さらに機械で作った綺麗な軟膏を出せば患者満足度も高くなったかなと思います。

他社からも練り機が発売されていますが、なんこう練太郎にした理由は、単純に一番コンパクトだったからと、練り機業界のパイオニアだからです。

なんこう練太郎の中でも120g容器が混合可能なNRE-120Aにしました。スペックは以下の通りです。

特徴
ウエイト調整不要なのでスピーディな軟膏調剤を実現します。
置き場に困らないコンパクト設計です。(H351xW264xD272mm)
薬局の環境を損なわない静粛性を実現します。
9割以上の市販容器に対応しています。

製品仕様詳細
方式 自転/公転プロペラレス混和方式
型式 NRE-120A
混練重量 10~100g(ネット)
レシピ登録 5メモリー(プリセットレシピあり)
運転時間 0秒 ~ 30分
供給電圧 AC100V±10%、50Hz / 60 Hz
消費電力 待機時:約50VA
動作時:最大900VA
安全機構 ドアセンサー・振動センサー・回転センサー
本体外形寸法 H351×W264×D272(mm)
軟膏容器アダプター 専用マルチアダプター(市販容器の9割以上に対応します。)
本体重量 約20kg


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