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【ボドゲ紹介】FULL with LIFE

この記事は、ボドゲ紹介 Advent Calendar 2020 の24日目です。
昨日は、@halbarad_bg さんのAliens: Another Glorious Day in the Corps!紹介でした。

はじめに

皆さん、ゲームマーケットは好きですか?
皆さん、同人ボードゲームは好きですか?
私は好きです。

「同人ボードゲームなんて、粗の目立つゲームばかりじゃない?」
「同人ゲーム買うより、海外で評価されてる商業ゲーム買ったほうがよくない?」
「そもそもお金も時間も有限じゃん?」
わかります。

でも、このFULL with LIFEに出会って以降、玉石混交のサークルカットの中から Good For Me を見つける喜びに身体が支配されてしまったんだよ……

『FULL with LIFE』

“増やしたいのに死んでしまう?
7枚のカードで生態系を操れ!”

タイトル:FULL with LIFE
デザイン:アソビ鮫
イラスト:アソビ鮫
発行年:2015年(初版)/ 2018年(第二版)
プレイ人数:3-5人(初版は4人まで)
プレイ時間:10-15分
対象年齢:6歳以上

『FULL with LIFE』は、生態系をテーマにした、10分ほどで遊べるシンプルなカードゲームです。
初版はカード1列の小箱サイズ、第二版では最大プレイ人数が5人に増えて2列サイズになりました。

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手前の大きい箱が第二版。ロゴも刷新。

ちなみに私が普段好んで遊ぶゲームは、60-120分くらいの中重量級のゲームが多いです。
『FULL with LIFE』と全然違いますね。全然違うけど大好き。

好きな理由は、生態系を扱う壮大なテーマ設定とミニマムなルールに潜む戦略性、そして何度も遊びたくなるリプレイ性の高さにあります。

食物連鎖を制する神となれ

私たちの住む地球上では、何億年と生物たちの食物連鎖が繰り返されてきました。
肉食動物は草食動物を食べ、草食動物は植物を食べ、植物は動物の死骸によって肥えた土で育ちます。

『FULL with LIFE』では、自然界にとって当たり前に起きているこの仕組みを、ゲームのルールに落とし込んでいます。

各手番では、各プレイヤーは手札から生物カードAを1枚選び、場に出します。
このとき、生物カードAの捕食対象となる生物カードBがすでに場にあるなら、生物カードAは生物カードBを1枚捕食し、種の数を増やします(結果として、場にある生物カードAは+2枚、生物カードBは-1枚となります)。

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肉食動物は、草食動物を食べる。

各プレイヤーは、こうして増減を繰り返す生物のいずれかを担当する神となって、ゲーム終了時(=全員の手札がなくなったとき)に自分の“推し生物”の個体数を最大にすることを目指します。

『FULL with LIFE』に登場する生物は、以下の7種類です。
生物間の捕食関係は、同封の紙製プレイマット(第二版のみ)に描かれているのでプレイアビリティも十分。

✓ 肉食動物
✓ 草食動物
✓ 鳥類
✓ 魚類
✓ 爬虫類
✓ 虫
✓ 植物

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イラストもめちゃくちゃオシャレ。

栄枯盛衰、迫りくる死

植物は動物の死骸によって肥えた土で育ちます。
動物の死骸…?

現実の自然界がそうであるように、『FULL with LIFE』では、必要以上に増えすぎた生物たちは餓死してしまうのです。

手番が一巡するごとに、各生物カードの「餓死チェック」を行います。
ある生物カードAの枚数が、その捕食対象となる生物カードBの枚数より4枚以上多いとき、生物カードAを1枚減らして「死骸」として扱います(複数の捕食対象に対して条件を満たしている場合、1回の餓死チェックで同じ生物カードが2枚以上「死骸」になることがあります)。

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過剰に増えた生物は、飢えて死ぬ。

自分の“推し生物”の個体数を増やすためには、その捕食対象を食べさせる他ありません。
けれども、肝心の捕食対象が少なくなってしまっては、“推し生物”は餓死して個体数を減らしてしまいます。

“推し生物”を増やすために、その捕食対象を増やし、さらにその捕食対象の捕食対象を増やせばいい…?
しかし、食物ピラミッドの低層に位置する虫と植物の捕食対象である死骸の数を増やすには、いずれかの生物を餓死させる必要がある……

誰かが生きるためには、誰かが犠牲にならなければならない。
まさに弱肉強食

なお、ゲーム開始時に各プレイヤーに配られる初期手札は、各生物カードが1枚ずつの計7枚です。
ゲーム終了までにすべての生物カードを1枚ずつ出すことになるので、そのタイミングを見誤れば、望んでいない生物の個体数を増やしかねません。

生態系シミュレーションを何度でも

『FULL with LIFE』を一度遊んでみると、初回は何をやればいいのかよくわからないかもしれません。
増やしたいのに死んでしまう」と首を傾げる人も多いでしょう。

『FULL with LIFE』の絶妙な生態系は、各プレイヤーがどの生物を担当しているか、そして、その組み合わせに左右されます。
例えば、虫と植物のプレイヤーがいると肉食動物や鳥類はあっという間に餓死させられたりしますし、肉食動物のプレイヤーがいないときの草食動物はその数を伸ばしやすい傾向にあります。

どの生物が繁栄するのかは、各プレイヤー――神々の思惑によって遊ぶたびに変わります。
こうした『FULL with LIFE』の1ゲームは、地球上の生態系シミュレーション1回ぶんと言えるでしょう。
ぜひたくさん遊んで、様々な地球の行く末を見守ってみてください。

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B4サイズの上で繰り広げられる、壮大な物語。

この不思議な生態系を制するためには、各生物の増減の違和感にいち早く気づいて、各プレイヤーの“推し生物”を推理する必要があります。
推理といっても、人狼ゲームのようなトーク力は求められません。
各プレイヤーの“推し生物”は、プレイの様子から手番が進むごとに徐々に明るみになっていくことでしょう。

むすびに

たった10分で繰り返すことのできる、何億年と続く生態系の物語。
今回の地球は肉食動物が制したとか、虫が地球の覇権を握ったとか。
およそ日常生活に登場しないスケールの会話も楽しい、それもボードゲームの良きところだと私は思うのです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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