ネタはないが厚い小説本を出したい

 同人誌を出したい! いいよねー!

 とにかく厚い小説本で殴りかかりたい! あるよねー!


 わたしはそういうとき短編集を出していました。

 「ネタはない」と仰っているのにたくさんネタ出しが必要な短編集をお勧めするのは本末転倒というふうにも見えますが、長編小説一本で殴りかかるためには、長編小説向きのネタを出さなくてはなりません。つまりネタの没が出ます。

 その点短編集、もしくは設定共通の短編を詰め合わせた連作集であれば、ずるずる量を増やせますし、本にするには短すぎるネタでも二ページ稼げた! みたいになって塵も積もっていきますし、なにより「まだ50ページしかないけど力尽きたけどでも本は出るもん!」とか言えます。

 小説書きの強みは、ちょっとしたネタをぺろっと書いて同人誌の穴埋めをするのが漫画を描く人よりだんぜん早いという点にあります。つまり、一冊丸々全部穴埋めみたいな本を出すことが漫画を描く人より簡単です(多分)(四コマ漫画とかだとまた違うと思うけど)。

 まず、どうでもいいネタ、没にしたネタ、1000字くらいしかなさそうなネタ、なんでもいいから全部掘り返してきましょう。全部書きましょう。全部。本のテーマとかどうでもいいです。全部そろえてみたらなんとなく通底するものはあるものです。なかったら「ギフトボックス」とかそれっぽいタイトルをつけてしまえばいいのです。今回大事なのは! 厚いこと!

「厚い同人誌を作る」以外の一切を捨て、ただまっすぐにページ数を増やすことだけを考えましょう。そしてあらゆることからネタ出しをしてください。

 推しは万物に宿る。


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