もし、テレビや新聞のトップニュースが見知らぬ人のささやかな幸せだったら?
朝の公園で手をつないで歩いているシニアのカップルを見たら、いつまでも仲がよく幸せなのだろうと思うでしょう。
小さな女の子を抱っこしたパパが彼女のほっぺにキスをしたら、幸せな親子なのだと思うでしょう。
電車の中で妊婦さんに席を譲る女子高生を見たら、やさしい大人になると思うでしょう。
目が不自由で白杖を使っている人に、「一緒に歩きましょう」と言う小学生がいたら、きっと心のやさしい保護者に育てられたのだと思うでしょう。
生活の中では、ささやかなやさしさを提供したり、やさしさを受け取ることがあります。殺人事件や企業の不祥事や芸能人のスキャンダルは、時間と共に忘れられてしまいます。しかし、人から受けたやさしさというのは、忘れ得ないものになるし、私たちの一生に大きな影響を与えることもあります。
こうした話をアメリカのボブ・グリーンは新聞のコラムで紹介してきました。彼のコラムにはファンも多い。特徴は、名もなき人の勇気や幸せややさしさを紹介しているところ。でも、一面を飾ることはありません。
もし、見知らぬ人の小さなやさしさがテレビや新聞のトップニュースになったら?
人はそのメディアに関心を失うのでしょうか?
だとしたら、私たちは大切なことを見落としているように思います。
「群馬県高崎市の山田さんがプロポーズに成功しました!」
「札幌市の田中家に待望の赤ちゃんが生まれました!」
という見出し。
個人情報云々とかという話になるんですかね?
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