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ヘッドハンター名鑑vol.7

※掲載内容(プロフィール等を含む)は取材当時のものです。

【川井美幸氏 プロフィール】
関西学院大学商学部を卒業し、2016年に新卒で株式会社クイックに入社。
機械系・電気系・自動車関連の製造業界のコンサルタントとして、企業の採用支援、求職者の転職支援の双方を担当。
技術者の転職支援に強みを持ち、ハイクラスから若手層まで幅広く実績を持つ。
2018年度、2019年度に社内の敢闘賞、部長賞などを受賞。
現在はチームリーダーとしてプレーヤーとしてだけでなくマネジメントも担当。

インタビュー

Q. 新型コロナウイルス感染症の拡大による、ご自身の業務などへの影響はいかがでしょうか。川井様ご自身の業務への影響や心境の変化はありますか。

私が担当しているメーカー(製造)業界は、4月以降求人数が全体的に減っている状況で、弊社で扱っている求人数も例年と比較すると2~3割減でした。
特に4月のはじめは、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で先行きの見通しが立たないことから、企業側が求人をひとまず取り下げる動きがありました。製造業界内でも、特に自動車メーカーや家電メーカーは、商品需要の冷え込みや海外からの部材調達が必要なものに関してはサプライチェーンの停滞で、生産に影響が出たことにより、求人数が減少しました。
リーマン・ショック時と同様にこのままさらに求人数が少なくなると予想していましたが、6月頃から半導体系のメーカーを中心に採用活動を再開する企業が増えてきました。背景としては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で在宅ワークが進んだことからサーバー向けの半導体や引き続き5G関連の需要が見込めるため、採用を改めて強化しようという動きがあったことが挙げられます。
通常であれば、中途採用ですので即戦力となるような経験者採用が前提ですが、半導体業界に関しては、学生時代に化学系や材料系を専攻されていた20代の方であれば、半導体業界での実務経験がなくても募集対象とし、ポテンシャル層を含めて中途採用を行っています。また、私が担当する関西は自動車、総合電機、産業機械、建機・農機、電子部品などさまざまな業界の企業様がいらっしゃいますので、「この業界が好調、不調」というのは一概にはいえません。ただ、リーマン・ショック時に採用を止めたことで業績回復に時間を要した経験がある企業様は、この状況でも先行投資として採用を続けています。
求職者の方にこのような正しい情報を伝えるため、クライアント企業側の担当としても「なぜこの状況でも採用を続けるのか」「今後どのようなビジョン・目標を持っているか」「どのような人材を採用したいか」等の情報収集は日々、怠らず行っています。

Q. ビズリーチをご利用いただくにあたり、何か工夫されている点はありますか。

特に工夫しているのは、1to1を意識し、「あなたにだけに送っています」ということが伝わるスカウトを作成することです。
もし私自身が求職者だったらどんなスカウトを受け取りたいか、自分の立場に置き換えて考えています。候補者の方は一日に何十通もスカウトを受け取っていると思うので、テンプレートのようなスカウトでは読んでみようという気持ちがなくなってしまうと思いますし、テンプレートだと感じたら返信もしないと思うのです。
そのため、私は候補者の職務経歴書や登録内容を読み、「あなたのこの経験を見てスカウトをお送りしました」ということが伝わるようにスカウトを作成しています。
また、面接等に課題を感じていそうな方には、転職サポート時の強みとして面接フォローが得意である旨を記載することもあります。

Q. 製造業などの専門性が強い業界の知識は、どのように身につけていますか。また候補者の職務経歴書で、しっかりと確認している部分を教えてください。

まず知識を身につけるためには、日々の面談のなかで候補者の方から詳細な業務内容を伺い、そこから学ばせていただくことが多いですね。そこから新たに学んだことは、メモにまとめるなどいつでも見返せるようにしています。地道な作業ですが私にとってはこれが一番役に立つ方法で、知識を身につける秘訣だと思います。それ以外の取り組みとしては、業界に詳しい先輩社員に質問しています。
方法は人それぞれだと思いますが、大切なことは「分からないことは、分からないままにしない」ことだと思います。特に専門性の高い業界においては、候補者の方からすれば、知識があるのが当たり前だと思われるでしょう。曖昧な対応をせずにしっかりと候補者の方と向き合えるように、常に知識の吸収に励んでいます。
候補者の職務経歴書は、希望年収・希望職種・職務要約を必ず確認するようにしています。そこから過去に担当した候補者の方を参考に転職理由を想像し、イメージを膨らませています。

Q. この仕事をしているなかで、大切にしていることは何でしょうか。

一番大切にしているのは、候補者の方に対して「あなたにとってベストなのはこの企業です」と自信を持って言えるように心がけることです。
これは、私が新卒で入社した当初に、OJT担当だった先輩社員から学んだことで、今でも続けています。
言葉だけではとても簡単なことのように感じると思いますが、候補者の方の人柄をはじめ、職務経験や転職軸、どのような企業に応募されているかなど、情報収集したり理解したりしておかないと、第三者として「あなたにとってベストなのはこの企業です」と断言できないと思っています。たとえば、複数の企業に応募されている場合は、比較表を作り、判断する根拠を含めて見える化したものを候補者の方に提示するなど、工夫をしています。

Q. この仕事をしていて、特に印象に残るエピソードがありましたら、お聞かせください。介在価値が発揮できたエピソードはありますか。

20代後半の食品トレーメーカーで生産技術業務に従事されていた方の転職をご支援した経験が印象に残っています。その方からは、年収アップと仕事内容の改善をしたいと相談を受けました。
当時勤務されていた企業が人手不足で、メイン業務以外の雑務で忙殺され、自身の担当業務に集中できず、技術力の向上が見込めないというのが転職を希望される理由です。
ご紹介した1社から内定が出たのですが、面接後すぐに辞退したいと連絡がありました。
クライアント企業の内定条件が悪いわけではなく、年収も多少アップし、業務環境等も希望をかなえられている点が多かったので、ご本人から辞退理由をお伺いし、ご本人が見えていなかったことへの気づきを促し、結果的に入社に至りました。

Q. 最後に今後の展望をお聞かせいただけますか。

今回このような賞をいただきましたが、私自身まだまだ成長できる部分が多くあると感じています。日々、候補者の方一人一人に向き合い、「川井さんが担当で良かった」と言ってくださる方を増やせるよう、頑張りたいと思います。また製造業は厳しい状態が続いていますが、私たちが企業に候補者を推薦することで製造業を早期に回復に導けるよう尽力したいと考えています。

次回のヘッドハンター名鑑vol.8は、2020年10月8日(木)公開予定です。


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