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本当のアフターコロナ

 緊急事態宣言も解除され、新規感染もかなり減ってきている上に、3回目のワクチン接種が始まりそうという状況ですが、今、皆さんはどのようにこの状況を捉えているでしょうか?

 オリンピックとパラリンピックの終焉とともに感染が抑えられたというのは、ある程度、事実でしょうから、不安要因として、国内の感染は抑えられているものの、海外の状況はどうも予断を許さないようで、そこが気がかりではありますが、ただ、逆に言えば、海外の方はのんびりと日本に旅行している場合でもないでしょうから、しばらくはこのままのインバウンド状況が続くのではないかと思います。日本でコロナが抑えられているのか、あるいは、日本人だから発症が減っているのかは、このインバウンドの方々をウォッチしていけば、おのずと答えが出てきそうです。

 コロナが収まった途端、リアルで飲むチャンスと言わんばかりに、会食や外出が増えているという方も多いのではないでしょうか。その裏には、しばらく我慢してきた自粛疲れと、またコロナが流行り出したら行けなくなるのでいまのうちに、という心理が働いているように思います。

 一方で、割を食っているように見えているのは、オンラインでのイベントなどです。コロナでリアルからオンラインに舵を切ったのはいいのですが、いきなりコロナという海が消え去り、陸に上がった船よろしく、急に参加者申し込みが減ってしまった。そんな主催者の方の当惑があちこちから伝わってきます。

 ただ、全部ではないのかな、と思います。例えば、学会や情報共有のための会議などは、オンラインの方がコロナ明けでも便利だという認識は一般的でしょう。しかし、出会いや交流を求めるイベント、人間関係の構築や深まりを求めるようなイベントやセミナー、そして飲み会などは、これはやはり、リアルを好ましいと感じる方の方が、大多数ではないかと思います。このバランスというか、見極めをどのように考えるのか、ということがこれから先、非常に重要になってくるかと思います。

 また、コロナ明けと時期を同じくして、放火や暴力沙汰を含む、様々な事件が起きています。数が増えているのかどうかは統計を見ないとわかりませんが、リストラやその他、さまざまな理由で困難な状況に陥った方々がこれまでコロナ自粛で隠されていたものが、コロナ明けで噴出してきているような印象もあります。つながりを求めて飲み会に走る人、孤独に耐えかねて事件を起こす人。どちらも根源的な「ひととのつながり」を求める欲求という意味では同じかもしれません。

 リモートにした方がコストはかからない。ですが、それで抜け落ちるものをどう補うか。真のアフターコロナのためのイノベーションは、まだまだこれからという気がしています。

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