オンライン化

イベントのオンライン化をお考えの方に

 新型コロナ・ウイルス感染拡大防止ということで、様々なイベントが自粛されたり中止されたり延期されたりという連絡が入ってきています。そんな中には、なにも中止にしなくても、カンタンにオンライン化できるのになーというものもあり、そんな相談もぽちぽち入ってきているので、その辺のところをまとめておく、というのが、今回の文章の目的です。

200人超オンライン講座を運営してみての実感

 私は今、基本はプロコーチという仕事をしていながら、EMSというスクールの事務局のお仕事をお手伝いしています。EMS には2019年1月スタートの0期から関わってきました。当初より、リアル会場、Zoomによるリアルタイムオンライン、そして動画による反転学習形式の3つの方法での参加が可能というスタイルで、なんとなく(笑)開始されたのですが、0期のときにはそれぞれのノウハウが確立していないので、まあ、今から思うと中途半端であった感は否めません。

 1期では、会場とオンラインをシームレスにつなぐ、ハイブリッドオンライン配信 のノウハウを確立。(っていうか、この言葉自体、そもそも、この道のプロの福島さんに教えてもらった言葉だけどwww。)と、同時に、プロのカメラマンさんに入ってもらって、反転学習形式(EMSではMBALと呼んでいる)の動画のクオリティをアップ。

 2期からは、ハイブリッドオンラインチームを結成し、複数名ができる体制を構築し、なおかつ、オンラインでのファシリテーターもなんとなく(いきあたりばったりで?)養成し、3期に備えよー、としていたところでの、新型コロナでした。

 そんな準備が進んでいる中だったので、2/19の講義で「もう、会場に人を集めるのを止めて、250人全員、オンラインでいいじゃん?」という意思決定になったのは、そんなに違和感のないことだったし、実際にやってみたら、大変な部分はあるけど、割とカンタンにできるじゃん、というのが、おそらく運営側の感想であったと思います。ちなみに、MBALに回った方もいたので、実質240名弱の参加でした。

 ちなみに大変な部分、というのは、Zoom特有のブレイクという機能があって、それぞれオンライン上で小部屋に分かれてディスカッションする、ということを、あらかじめ決められていたチーム別にやったから。そしてそっから質問を出してもらい、会場に届けて対話するってのをやったから。だから、こういうところを除けば、実は極めてカンタンに、イベントのオンライン化はできるというのが、やってみた実感です。

 ここで一旦、まとめてみると、、、

 イベントのオンライン化のケースというのは、実は何段階化あるわけで、どのレベルまで実現したいかによって難易度が変わってきます。

 イベントや講座のオンライン化をやってみたい!と思っていらっしゃる方のために、それをカンタンな順番に並べるとこうなります。

①全員、オンライン

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 講師・登壇者も含め、全員がオンラインというケース。これは最もカンタン。難しいのは参加者への通知と、Zoomを事前にダウンロードしてね、テストしてね、ということの徹底。まあ、その辺のノウハウは、こちら のサイトを見て活用してもらえれば、すぐっちゃすぐ。一応、バナー的な何かも貼っておきます。与贈工房さんにはEMSも大変、お世話になっております。

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 ちなみに、2/19に先立つ2/16に、アカデミック・コーチング学会 でZoomオンリーの研究会をやりましたが、Zoom初めて!という方も複数居ましたが、まったく問題なくできて、満足度も高かった。運営も楽だし、後で動画をシェアするのも、Zoomのクラウド・レコーディング機能を使えばすぐ。もともとこの学会ではビデオカメラ担いで記録したものを編集してアップしていたので、それに比べればむしろ楽と言って良いです。

 さらに当日のオペレーションを楽にしようと思うなら、講師の部分は動画にして事前に撮ってしまってシェアしておき、対話などの部分だけオンラインでやる、という反転学習形式もさらにカンタンですね。ただ、事前準備は大変になるので、これはどっちが良いかは一概には言えません。

 ちなみに、このケースの場合、2名(オンラインファシリテーション+Zoomテクニカル)のスタッフが居れば、即、実現できます。

②登壇者リアル、参加者全員オンライン

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 講師の中には、オンラインが嫌、という方もいます。そういう方には、講師は会場かスタジオに入ってもらい、普通と同じように登壇してもらいます。ただ、参加者は全員、オンライン側に。

 ただし、講師が一人の場合には、①の場所が移動しただけで難しくはなく、②のケースでは、講師が複数いるようなケースを想定しています。

 このケースで必要になってくるのは、オンライン側に音声と映像を届ける「配信チーム」というスタッフです。写真に写ってますが、映像配信用のカメラと会場とオンラインにそれぞれ音声を届けるミキサーと、それぞれの操作が、最低でも必要になります。また、スムーズに運営するためには、逆に、オンライン側の情報をリアル側にフィードバックする役目の人も必要になります。

 もし、イベント会場からの配信、ということであれば、上にも書いた通り、オンライン側のスタッフの人数については、講座やイベントの内容、予想される参加人数によっても変わってきますが、リアル側でいえば、ざっくり5名くらいが関われば、実現できるのではないかと思います。どこまで複雑なことをするのか、によって、オンライン側のスタッフが増えるイメージですね。

 2/19のEMSの講座では、思い付きで、こんな仕掛けも導入してみましたが、講師的には、カメラに向かって話すよりも話しやすかったようです。

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 イベント会場からの配信の場合、通信状況などの下見も必要ですので、もし、お考えの方は早めに動かれた方が良いかと思います。(ちなみに、ハイブリッドオンライン対応のスタジオからの配信であれば、事前確認不要なので、即できますね。)

③登壇者と参加者の一部がリアル、オンラインにも参加者

オンライン化

 これがまさに最も実現が難しいタイプで、EMSでも毎回毎回の実践の中で、日々レベルアップ実践中です。

 先の与贈工房の田原さんは普段はマレーシア在住ですが、昨年、11/6に来日されたときに、登壇者も一部がリアル、一部がオンラインという実験的なイベントをやったのですが、このときには、まだまだシームレスに会場とネット上の講師が対話するのは難しく、まだまだ完成されたノウハウではないなーと感じました。

 普段のEMSはもう少しレベルを下げて、登壇者は会場か、オンラインであってもコメント程度、という運用をしていて、これはまあ、問題ないレベルで動かしています。もちろん、ハイブリッドオンライン配信は必須です。実際のところ、最も難易度が高いのは「音」の処理で、音は波なので様々な要因でいろいろなことが起こり、これを問題なく制御するのがなかなか難しいのです。なかなか自分達だけでやってみよう、とはいかないと思いますので、ここはプロに相談されるのが近道かなーという気がします。

 これに関わっている人数がどれくらいかというと、最低でも10~20名程度になってしまうので、なかなか実現するには、事前調整が必要ではないかなーというのが、実感です。

 ハイブリッドオンライン配信については、先のアカデミック・コーチング学会 の10/24の大会でも実装しようと考えていまして、現在、準備中です。

まとめ

 以上、イベントのオンライン化について、ざっくりとまとめてみました。①②については、おそらく、イベントを中止される主催者の皆さんが考えるほど、手間も費用もかからない話かと思いますし、参加者の方が初めてでも高齢者であっても、実はそれほど問題にならないことが、これまでの経験でわかっています。ですので、むやみやたらに中止にしないで、オンライン化を検討して、ただでさえ消費税増税でダメダメになっている日本経済の停滞に、歯止めがかけられれば良いなーと思います。

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