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愛とは、何か。その1

愛とは、なんですか?

この問いに、いったい誰が明確な答えを出せるでしょうか?
日本の過去の著名人の名言を調べても、親に聞いても、誰も答えを知りません。
なぜなのか。
答えは簡単。
僕たちがよくよく知っていると思っている愛などないからです。

愛の語源をご存知ですか?
愛という漢字は仏教とともに日本にやってきました。
愛染明王という仏様の名です。そしてその愛の意味は「性愛」。
元々の意味は今の僕たちの知っている意味とは随分乖離しています。
僕たちが知っている愛はキリスト教とともにやってきたLOVEの和訳です。


昭和には愛という言葉がドラマに音楽に使われ倒しています。

でも、時代劇に愛している、というセリフは出てこないですよね。
僕たちが当たり前に持ってると思っていた愛という概念は、実は明治維新以降に急速に広がった、近代の産物だったわけです。

僕は、この事実に気づいた時、すごく腑に落ちました。
愛してる。って、心底思ったことないんですよ。
愛おしい、ならあるけれど。


思うに、LOVEという言葉の響きやメディアから伝わってくる意味がとても鮮烈で、オシャレで、キャッチーだったのでしょう。
そう、The BeatlesでLOVEを初めて知ったりね。そんなふうに当時の事を想像すると、それは愛という言葉が広く市民権を得るのは当然だと思えます。
でも、だからこそ、僕たちには愛のかたちがわからない。
僕たち日本人の感性に、愛という概念は組み込まれていないんですね。


I LOVE YOUに憧れて、愛しているよ。と言った人は沢山いるでしょうが、きっともれなく、歯が浮いていた事でしょう。時代劇に出てくる「月が綺麗ですね」や「あなたのことをいつも思っております」、「お慕い申しております」という告白の方がしっくりこないですか?少し体温が上がる、心に熱が灯る、そんな感覚。

ちなみに、先程あった

愛おしい

という概念はもともと

厭う

が語源で、愛は当て字です。


幼い頃から英語圏で生活をし、日本語を母国語としている、つまり両方を深く理解している宇多田ヒカルもこんな事を歌っています。

愛してるよ、よりも 大好き。の方があなたらしいんじゃない

最初に僕が言った、愛などない、という発言。
それはつまり、僕たちが日常的に使う、恋と同列に位置するようなハートマークの愛は、我々日本人の遺伝子には組み込まれていないという意味です。
でもでも、そんなこと言ってたって、もう愛という概念なしでは成立しない世の中になってますよね。
そして実は、僕たちが、いや、生命全てが持っている、普遍的な愛があるのではないかと思うのです。

次回に続け!

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