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「『他人との違い』を知ると未来も変わる!」外国人労働者に対して偏見を持っていませんか?

おはようございます!あきた創生マネジメント代表の阿波野聖一です。

前回はグローバルメンバー受け入れに関して、弊社のさまざまな取り組みについて紹介しました。

「外国人労働者」=「安い労働力」ではなく、弊社では「外国人労働者」=「共に働く仲間」という考えのもと、共育・協働・共生を目指しています。そのため、彼らの不安が少しでも軽くなるよう生活面でのサポートや地域での交流にも力を入れてきました。

地域のグローバルメンバーとの交流会

では、なぜ弊社が、外国人労働者(技能実習生)を受け入れるようになったのか?また社内や地域での外国人労働者に対する反応はどうだったのか?

今回は、弊社が技能実習生を受け入れたいきさつと、外国人に対する偏見に視点を置いた「価値観」について、書いてみたいと思います。

なぜ外国人労働者(技能実習生)を受け入れるようになったのか?

わたしが【あきた創生マネジメント】の起業を決心したのは、2011年に起きた東日本大震災がきっかけでした。救援活動を行うため宮城県の被災地を訪れた際に、そのすさまじい光景に驚愕し、生存された方々を通して「人間の生と死」という現実を見せつけられました。その体験が「人生は一度きり。まずはやってみよう!」と、起業への背中を押したのです。

その後、紆余曲折がありましが、ありがたいことに多くの方たちに支えられ事業を拡大していきました。しかし、少子高齢化率が高い秋田県においては、どの業界においても人手不足は深刻化しており、弊社においても、中途退職したスタッフの補充が厳しい状況の中、残ったスタッフへの負担が増えていきました。会社の代表として、スタッフを守るためには、外国人労働者を受け入れるしか選択肢がなかったのです

価値観を変える―①まずは社内から~「言葉が通じない!」が一番の課題

 外国人労働者(技能実習生)を受け入れるという新しいチャレンジにおいて、まずはスタッフと正直に向き合い、わたしの想いや現況の説明をしました。会社の土台をしっかり固めることからスタートしたのです。そして、スタッフの一番の不安が「言葉の問題」であることが分かりました。

そこで、インドネシアからの来日前に、技能実習生とスカイプで繋ぎ、日本人スタッフとのコミュニケーションを何度も行いました。その結果、日本人スタッフが驚いたのが、彼らの日本語レベルの高さです。

インドネシアと日本とリアルに繋げる

技能実習生は、日本で働きながら技術を学ぶことを前提としています。そのため、現地で一定レベルの日本語習得が条件となっています。特に介護の職種においては、ご利用者様との会話も含め、介助に対応するため、より高度なレベルの日本語能力が必要となるのです。

そして現場で言語の問題が発生した場合には、ICTツール(Information and Communication Technology)翻訳機能を使うなどして、現在はコミュニケーションの円滑化を図っています。

LINEWorksにて翻訳し情報共有

このように、「外国人労働者とは言葉が通じない」という先入観による不安は、雇用前に当事者同士が対話してみる。また、現場ではICTを駆使すれば解決できるのです。

価値観を変えるー②地域交流を通して~「外国文化に触れて国際感覚を育む!」

外国人労働者を受け入れる場合、彼らの生活面でのサポートにおいては、地域の人々との交流は欠かせません。

そこで弊社では、グローバルメンバー(技能実習生)を町内会のクリスマス会など、積極的に地域のイベントに参加してもらいました。また、ようやくコロナも落ち着いた為、地元の小中学校と連携し「交流の場」として、地域で働く外国人を知ってもらうインドネシア料理を紹介する機会を作れるように動いております。

交流の機会をつくる

こうした文化交流は、地方だからこそ感じる「人々の温かさ」をグローバルメンバーたちは体験し、また、子どもたちにとっては外国文化に触れる貴重な機会となりました。

外国人を異邦人として扱い壁を作る状況から、「新しい世界を教えてくれる人」として価値観を変えていきました。

無知から生まれる宗教に対する偏見

外国人労働者を受け入れるにあたって、彼らの宗教に対する偏見も大きな問題の一つです。弊社のグローバルメンバーは、インドネシア出身でイスラム教を信仰します。

イスラム教に対する、皆さんのイメージはどんなものでしょうか?

昨今の世界的情勢から見れば、「テロリスト」など悪いイメージを持たれる方もいるかもしれません。また、食事やヒジャブ(イスラム教徒の女性が頭に被るスカーフ)、お祈りなど、さまざまな戒律に違和感を感じる方もいるでしょう。

しかし、一言でイスラム教といっても、国によって宗教観の違いがあることをご存じですか?

中東などは厳格なイスラム教国ですが、インドネシアは戒律が比較的に緩い国です。たとえば、弊社のグローバルメンバーは、勤務中には「お祈りはしない」など、日本の規律に従ってくれます。世界的に宗教に対する偏見から人種差別が問題となる今、わたしは彼らの「郷に入れば、郷に従え」という日本を尊重する姿勢に、とても感動しました。

食・宗教文化コミュニティを地域に!

宗教などに対して、一般的なイメージだけで外国人を判断するのではなく、まずは自分で調べてみる。無知からくる偏見は、案外多いものです。

同じ想いをもつ人たちとの輪を広げたい

このように、わたしたちは外国人労働者への不安や偏見に対して、一つひとつ対処していき、皆の価値観を変えていきました。弊社にとってグローバルメンバーは、今やかけがえのない戦力であり、人手不足に対する未来へ希望を繋げてくれています。

日本において最も深刻化している少子高齢化の問題ですが、弊社と同様に、介護事業における外国人労働者の必要性を発信されている方はたくさんいます。今回はその一例を紹介し、今後も輪を広げていけたらと思います。

①沖縄県の離島の高齢化 
「外国人に介護されるより、自分の孫たちに介護されたい!」
島を出ていく若者を説得してほしい

②産官学の連携「神戸モデル」で介護業界に外国人材を 
人手不足が深刻な地方のロールモデルに

【人口減少社会において、介護経営をリデザインする】をパーパスに、あきた創生マネジメントでは、介護の人材育成と採用における経験を通して、業界全体の未来に貢献するため、人手不足に悩む事業所をサポートする事業を立ち上げようと思っています。

インバウンド再開など、ようやく経済的に明るい兆しが見えてきました。しかし、観光や飲食業界などは、コロナ禍で離職した従業員の復帰が進まず、未だ人手不足の問題を抱えています。そのため外国人労働者の受け入れを検討される会社も多く、弊社にもお問い合わせを頂くようになりました。

今後は、外国人労働者の受け入れ準備から、複雑な就業手続き、また日本での生活のサポートなど、これまでの弊社の取り組みを通して得たノウハウを、業種を問わず他社さまのために活かしたいと考えております。
私のTwitter、リニューアルしたホームページなどにご連絡いただけると嬉しいです!


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