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栄養過多

概要

栄養過多とは簡単に言うと栄養>代謝量の状態です。

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摂取量が過剰ならば栄養過多、摂取量が足りなければ栄養不足と定義されます。

代表的な栄養過多の症状は肥満、便秘、倦怠感であり、これは脂肪組織量が過剰な状態や内臓機能低下などを指しています。
肥満自体は病態ではないですが、栄養過多・運動不足など沢山の因子が絡むことでそのリスクや内臓機能低下などに繋がる可能性は高くなります。
その結果、健康障害や数多くの疾患を発症させる、これを肥満症などと呼びます。
また、肥満度の高い方の疾患率の高さなどから、「肥満は病気」と捉える概念が生まれ、先進国などでは特に広く知られるようになっています。

ほとんどの人は栄養過多状態である

栄養不足の項では、栄養不足の方は非常に多い、、、みたいな内容を書かせて頂いておりますので、矛盾しているようですが実際はそうではなく、何かに偏重していたり、そもそも摂らなくてもいいものを過剰に摂取している方が殆どであり、、という意味になります。

代表格なのが、砂糖や異性化糖(科学的に生成されたブドウ糖や果糖など)、栄養とは違うかもですが人工甘味料やその他添加物などで、発がん性作用の報告があったり、甘味料の中には生物化学兵器用物質のリストに入っていたりしていたものまであります。

筆者は研究者や医師とかではないので、ハッキリ断言できない部分はあるのですが、3食食べる時点で栄養過多であり、様々な病気などの発症リスクが跳ね上がる、という報告がある程です。

ホルモンなどの基礎分泌は低下してくる20代半ば頃からは、特に過多になるリスクは上がります。

栄養過多が原因と考えられている具体的疾患

これは多数あり(様々な要因はありますが)、

●高血圧 ●便秘 ●胃腸障害 ●泌尿器系結石 ●心血管障害 ●脳疾患 
●腎機能障害 ●筋力低下 ●徐脈 ●起立性低血圧 ●全身倦怠感 ●傾眠
●脳機能低下 ●抑うつ症状 ●体脂肪増加 ●関節障害

ごくごく一部なのですが、このように身体全体に広く影響を及ぼし、死亡率を高める事もわかっています。

つまり、たかだか栄養過多ですが、これらの疾患を発症させる主因や判断材料にはなるという事になり、わが国では、体格指数(BMI)25kg/m2以上が肥満と定義され、なぜか栄養過多の評価基準となっています。
肥満症の治療としては、食事療法、行動療法、薬物療法などの内科治療が一般的ではありますが、重度の肥満では外科治療を加えた集学的治療が必要とされています。

近年は上記したような、たくさん食べていて糖質や脂質などだけ栄養過多状態ではありますが、特定の栄養素だけが不足している「新型栄養失調」と呼ばれる状態の方も非常に多く、こういった方は、より疾患率や死亡率が高くなると言われています。

相撲の話

筆者は元々は大相撲の世界で、毎日太るために大量の食事を摂取していましたが、いわゆる「ちゃんこ」は実は油っ気がなく、1日2食でお米をたくさん食べて太るのが基本でして、毎日1.2升ほどの白米を食べていました。

しかし、稽古してトレーニングして米とタンパク質を大量に摂取、太りそうなものですが、筆者はどんどん痩せていきました。

今は30代になり、ボディビル競技をかじっているのですが、実はボディビルの食事とちゃんこって似たような栄養バランスで、高たんぱくで低脂質な構成になっています。

ちなみに今は、その栄養の構成ではどんどん太ります。

つまり同じ身体でも、仕事内容、やっている競技内容、生活習慣、運動量、年齢によるホルモンバランス等、筋肉量、体組成、生体回路、、、様々な要素を自己判断できなければ、何が過多で、何が不足しているか
なぜ過多になってしまっているかは分からない、という事になります。

当社記事では、何の栄養素が過多になったり不足したら、どのような症状がおこるのか。
一日の摂取目安は分かりやすく言うとどのくらいなのか?という部分を掘り下げていきます。
皆様の疑問やお悩みが解決すればうれしく思います。

さあ、それでは本編をスタートしていきましょう!

栄養にまつわる様々な情報、、、ホント?ウソ?

〇〇は摂らないほうが健康にいい、偉い先生が言っていた、メディアで見たことがある、なんて感じで制限を含む食事法は諸説様々ありますね?そういった情報をよく目にする方はそれだけ、食事や身体に関心があるという事ですから、とてもいいことだと思います。諸説ありますが、基本的には「ひとつの栄養素や食品群を完全に断ってしまうのは、特に医学的な理由がない限りおススメできない」です。

特に炭水化物なんかはカットしてしまう人は多く、とある専門家や施術者、トレーナーは
健康のために炭水化物は抜くべきだ
何も食べないことが腎機能の回復につながる
僕なんて糖質をずっと食べてませんよ」なんて話をよくします。
勿論、脂肪分やタンパク質でなどでも同じことが言われます。
これらは全て、正解半分、不正解半分で鵜呑みにしてしまうのは非常に危険です。

なぜ、学位や資格があったりと知識のある方達の意見の正解率がその程度になるのか?というと、それらの専門家は「あなたの事をよく知らないからです」

例えば、
腎臓の病気を持つ方で医師にタンパク質の摂取量を制限されている方が、
トレーナーに「健康のために炭水化物を制限しましょう」と言われた場合、
何を食べたらいいのでしょう?脂肪分だけ?となります。
●医師は・・・医学的に考えて腎臓に負担をかからないように処方します。
これは勿論正しいです。
しかし、
●腎臓を病んでいる本人の考える健康像が・・・
無駄な脂肪がなく、筋肉質で、アクティブに活動ができる身体だった場合、
その健康像を求めにジムや運動を行おうとします

これも間違ってはいません。
●相談を受けたトレーナーは・・・クライアントが求めた身体になるように水分摂取を増やすよう促し、食事制限を指導します
これもやっている事自体はいたってベーシックです。
しかし、合わせるとかなり身体に悪いことをしています。

この場合はリスクを見抜けないトレーナーが悪いのでしょうが、(普及率は低いですが国家試験やライセンスを持っている場合はそうはない事ですが、)クライアントさんによっては、持病や身体の状態を上手く伝えられなかったり、認識が甘かったり、隠したりすることも多いので、難しい場合も多いです。

また別のパターンとして、
運動が苦手な40代の女性が「テレビで見た同年代の女優さん」に憧れ、
ダイエットをしようとエステなどに行ったとします。
そこで施術者に「脂質と糖質を減らすように」と言われたとします。
よくある流れです。
それにより体重が減り、身体が軽くなった感じがして、自信満々に健康診断に行ったら、医師に
「血液検査の結果、肝臓とすい臓の機能が低下しており、耐糖能異常がみられます」
などと診察された、という話もよく聞きます。

この場合も、施術者、本人、医師共にちゃんと行動や仕事をしていますが、
全体でみると身体に悪いです。

つまり、ジムやエステなどの広告や、メディアで見るような
健康で綺麗」な身体と、
医学的」に良しとする身体、
自分の現在の身体」というものは当然バラバラなのです。

つまり、医師は医学的にはあなたの事を分かっていても、トレーナーや施術者はそれぞれの業種的な見解としてみたあなたの事は分かっていても、考え方や目標などまで含めるとまったく「あなたの事をよく知らない」というわけです。

テレビなどでコレステロールは、乳糖は、塩分は身体に悪い、とされても、
〇運動部の10代男性
〇美容に関心のある30代の女性
〇身体か資本の職人で40代の男性
〇基礎疾患のある60代女性
これらの方が全員当てはまる事はあり得ないのです。

成長期ではコレステロールや塩分も沢山必要だったりしますし、
美容ではタンパク質が特に必要だったり、不必要な脂質を減らす必要がありますが、
便秘持ちならば多めに脂質を摂取する必要があったり、と。

また、内臓機能や消化能力でも全く必要量が変わるのがくせ者です。

栄養過多のタイプ

栄養過多と言っても

〇単に量を沢山食べ過ぎている方。
〇お酒や肉、お菓子など特定のモノだけを食べ過ぎている方
〇気を遣っているから自覚はないが、実際には多い方
〇何かの目的のためにわざと多くしている方

など様々なタイプがあります。

勿論ですが、肥満してきたり、むくみ等が酷くて明らかに食べ過ぎで内臓機能がおかしくなってきたり、自覚があるくらい大食漢であったりする場合は駄目である事が多いです。
そういったイメージからも、栄養過多と言うと、太る、身体に悪い、というようなネガティブな印象を持たれる方も多いと思います。

上記した以上に色々な栄養過多のタイプは存在しますが、実際は身体にとって良い場合もありますし、非常に悪い場合もあります。
例えば、赤ちゃんにしっかりお乳を飲ませたら身体に悪いという方は少ないでしょうし、お相撲さんやラガーマンがハードな練習をしているのに少食だったら怪我のリスクや内臓機能の不調を疑うと思います。

そもそも栄養過多の定義とは何か?これは考え方や学問などにより異なるでしょうからハッキリ決めてしまうのは難しいですが、言葉だけで言うならば、
「栄養を身体が必要量としている量よりも多く摂る」
というシンプルなものです。
『身体にいい、悪い、というのは後付け』である、という部分をハッキリさせたほうが分かりやすいと思います。

全ては正解半分、不正解半分である、と思って下さい

また、共通の話として、
〇野菜は摂らないと駄目だ!
〇健康にいいから残さず食べなさい
〇朝は必ず食べる、しかも一日で一番沢山の量を
〇弱ったときは精の付くものを食べよう
〇野菜から先に食べないと駄目だ
なんて感じで、家庭や部活や学校の先生たちに色々言われた経験は誰しもあると思います。

また、メディアなどでも、
〇麹がいい
〇スーパーフードがいい
〇緑黄色野菜がいい
〇季節のものがいい
〇タンパク質がいい
といった感じで、有名な先生や何かの専門家という方が様々な情報を発信していますね?

これらも人によりですが、実際は全くそんなこともなく、学位や資格があったりと知識のある人達の発する内容でもこれらは全て正解半分、不正解半分くらいで考えておくとちょうどいいです。

よくある例の紹介

4つほど紹介します。
① 腎臓の病気を持つ方で医師にタンパク質や塩の摂取量を制限されている方が減塩になるからいいとテレビで専門家が言っていたから、夜は塩麴に漬けたものにした
② 筋トレをしっかり行うボディビルダーが運動後に野菜から食事を食べて、糖質やタンパク質の摂取量を一般的にした
③ 二日酔いで内臓機能が弱っている方に過剰に香辛料が入っているスープなどを食べさせた
④ 便秘だから野菜やヨーグルトをたくさん食べる

これらもすべて、正解不正解が半々といったところです。
なんか身体によさそうな例もありますが、下手をすれば全部過多になる事もあります。

① なんかは、麹に漬けることで食材のタンパク質がアミノ酸等のうまみ成分に分解されたり、塩分が少なく済んだり、腸内環境が良くなったりとメリットも確かにあります。しかし、腎臓疾患の方などは塩分だけでなくアミノ酸を持つたんぱく質の摂取量自体に制限がある場合もありますし、麹に漬けると食材の水分が抜ける場合もあり、結局は塩分含有量が高くなる場合もあります。

② は、ボディビルのトレーニングはシーズンにより食べ方が違う場合もあり、あえてタンパク質量を減らして内臓をケアしたり、枯渇させたりする事もあったりします。また、トレーニング後には血糖値をいち早く上昇させるようにしたいという方も多く、野菜から食べることで逆に筋肉痛が強くなったり、回復しにくくなったりすることもあります。

③ 二日酔いで内臓機能が低下している方は、自律神経のバランスに乱れが生じている場合もありますので、チゲ、酸辣湯、スパイスカレー、薬膳鍋、なんかが分かりやすいかもしれませんが香辛料等で強い刺激を与えたら交感神経が優位になり、逆に正常なバランスに戻ったりすることもあります。スパイスを生薬として扱うような国ではむしろベーシックな方法かもしれませんが、胃腸の弱い方ならば駄目な場合もあります。

④ 食べ過ぎ便秘の方に食物繊維をたくさん食べさせたら酷くなる事も多いです。
またヨーグルトは体が冷える場合や、乳製品の刺激等からも代謝が低下することも
あり、量により便秘が悪化したりすることもあります。

まとめ

このように人はそれぞれ状態が違うため、親兄弟でも良い悪いは異なってくるのです。
この事から言えることは、専門家はそれぞれの業種的な見解として栄養や食材の事は分かっていますが、あなたの考え方や目標、また身体状況などまでは知り得る訳はないですし、何ならあなた自身が「あなたの事をよく知らない」という場合も多いです。

また、何かが過多になっている分、何かが不足している、とも思っているくらいの気持ちでよく、これを「新型栄養失調」と呼びます。
例えば酒を飲んだらご飯は要らない、といった方も多く、
酒とつまみでアルコールと塩分だけが過多であり、他の栄養素が欠乏しているようなケースなどではよく見られます。
これだけでも十分複雑なのに、内臓機能や消化能力でも全く必要量が変わるので、もっともっと難しくなってきます。

例えば、
胃腸が疲れていて消化液等の分泌が充分でないような方は、糖質や脂質を上手く吸収できずにエネルギーが不足している可能性があります。
表面上は内臓機能が優れず、エネルギー不足を感じているため、お粥等消化に良いものや、精を付けようとハードなものをしっかり食べるとします。
しかし、吸収分解が不十分でエネルギーにならず、お粥でも強精作用のあるものでも、どちらもただ脂肪が増えていく、、こういったケースです。

●内臓や消化液の説明です↓

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このように、身体状況によっては・・・内臓機能によっては・・・消化能力によっては・・・選択しているスポーツ種目によっては・・・何ならその日の体調によっては栄養が過剰になったり不足してしまうこともあり得るのです。
つまりは「あなたの深い所までを完全に理解できるのは結局あなただけ」であり、専門家や施術者は「あなたの事をよく知らない」と言う訳です。

無駄なく上手に情報を仕入れて、過剰な分だけを減らし、不足している分だけを補填できるように、できるだけわかりやすく書いていきますので、ぜひご覧になってください。




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