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料理したくなる3冊

今の時代、なにも料理本を買わなくてもネットでチョチョッと検索すれば、たいていの料理の作り方はわかる。あまりに多くてどれを参考にすればよいか迷うくらいだ。

それでも、休みの日に、料理本を1ページずつめくりながら、写真を眺め、コラムを読む。そして、出来上がりに思いを馳せる時間は楽しい。もちろん、いくつかの料理を、レシピに忠実に作ってみるのもいい。集中して作ってみると、著者の料理に対する考え方を体験できる。すっきりした味が好きなんだなとか、はっきりした味付けが好みなんだなとか、身をもって知ることができる。

これまで、何度も読んで料理を作ってきた本を3冊。

まずは、辰巳芳子さんの「あなたのために」。ポトフやポタージュ、みそ汁など様々なスープの作り方が書いてあります。時短、簡単、コスパばかりが求められる時代ですが、どれも、手間と時間をかけてる丁寧な作り方です。

一番最初に紹介されている、玄米スープは、炒った玄米と昆布と梅干を煮出してスープにするだけ。簡単と言えばこれほど簡単な料理はないけれど、玄米を水に浸して、丁寧に時間をかけて炒るのがコツ。

体に染み入るようなやさしい味で、水分だけなのに不思議な満足感があります。お腹も空きません。


2冊目は、インド料理。基本のマサラさえ作り冷凍しておけば、あとは、鯖缶や鶏肉などのメインの食材を入れ味付けをすれば、本当に15分くらいで本格的な南インドカレーができる。その都度、マサラを作ったとしても大した手間はかからない。+5分くらい。

カレーと言えば何種類もの材料を投入して秘伝のスパイスをいれて何時間も煮込まないとおいしくならないのかと思っていたが、インドの人たちにすれば、毎日これを食べているのだから、そんなに手間をかけられない。ちゃちゃっと作れないはずがない。

ベースとなるのが、トマト、玉ねぎ、ニンニク、ショウガ、クミン、コリアンダー、ターメリックだけなので、出来上がりはスパイスが際立ってまことに爽やかで、食後は胃がスーッとします。胸やけしません。


3冊目もスープの本。有賀薫さんの「スープ・レッスン」。有賀さんのスープの特徴は、野菜が主役であること。野菜をおいしく食べるためのスープです。

この本で一番のお気に入りが、焦がしキャベツのスープ。野菜炒めやタンメンのうま味は、焦げたキャベツのうまさなんだと気づかされました。濃厚だけど後味はすっきりしている。何度も作りたくスープです。


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