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「裸のランチ」いろいろ解説

映像化不可能と言われた難解小説を奇才が描いた!!
あっぱれ!クローネンバーグ!!

映画「裸のランチ」を鑑賞しました。

奇才デヴィッド・クローネンバーグの作品です。

本作はウィリアム・バロウズの長編小説を基に製作された作品で、原作自体に明確なあらすじがありません。

そのため、映像化は不可能と言われていたものの、クローネンバーグ監督が独自の解釈のもとに脚本を書き、映像化に成功させました。

非常に難解かつ不可解な作品で、好みが分かれます。

私は今回、シネリーブルにて開催中の、名作をリバイバル上映する〈12ヶ月のシネマリレー〉にて劇場鑑賞してきました。

はたして、私は本作を楽しめたのか、少しは理解できたのか…。

見どころと合わせて解説していきます。

1953年、ニューヨーク。害虫駆除員のリーは誤って妻を射殺、ドラッグに溺れ、謎の生物に言われるままスパイ活動に巻き込まれていく男の冒険譚。映像化不可能と言われたW・S・バロウズの代表作を鬼才クローネンバーグ監督が映画化し、カルト的人気を誇る問題作。バロウズ自身の半生を盛り込み、大胆な脚色と鮮烈な想像力で描く。

シネ・リーブル作品紹介ページより引用

クローネンバーグ作品の特徴

クローネンバーグ監督の作品は、これまでいくつか鑑賞しています。

見事な特撮や特殊メイクが堪能できる作品が多いです。

非常にねっちょりした気持ち悪い(でもどこかカッコいい)メイクが満載なのです。

これらは、ボディホラーと呼ばれ、観る者に強烈な印象を与えます。

ストーリーは、「スキャナーズ」「ザ・フライ」「クラッシュ」「ザ・ブルード」など、わかりやすいものもあるのですが、

「ビデオドローム」のように一見ではわかりにくい作品もあります。

本作「裸のランチ」も後者のわかりにくい作品のひとつなのかもしれません。

なので、鑑賞にあたっては、理解は諦めてボディホラーやシュールな世界観を楽しむか、

なんとか理解しようと血眼になって思考を張り巡らせながら観るかのどちらかになると思います笑

私は割と考察などを楽しむ方なので、がんばって分析しつつ、ボディホラーも堪能してきました。

ボディホラーの見どころ

本作、特殊効果やボディホラーの見どころは多分にございます!

・巨大ゴキブリの話し方

・マグワンプの汁

・巨大ムカデの解体

・鳥かごの中での×××

・ベンウェイの登場シーン

などなど…。

宇宙系SFのようなネッチョリした特撮満載なのです。

物語を理解するためのポイント

ここからは物語を理解するためのポイントをいくつか解説していきます。

クラーク・ノヴァ

本作ではいくつかのタイプライターが登場します。

クラーク・ノヴァはあたかも実在する商品名のように度々登場しますが、実在しません。

ゴキブリ型タイプライターをそう呼んでいるようです。

本作でタイプライターはとても作家にとってかなり重要なものとして扱われます。

「良い文章を書くと2種類の麻薬を出す」

「作家自身に指示を出す」

など、作家にとって文章を生み出すことはどういったものであるかを象徴している描写が度々見られます。

また、なぜ「ゴキブリ」にしたのかは、タイプライターのこの部分が

ここ!

がなんとなく虫っぽいからですかね。

マグワンプ

物語の序盤で登場し、中盤でタイプライターとして出現、終盤でも出てくるこいつ。

伝説とか伝承に出てくるものかと思いきや、これまた完全オリジナル。

農薬の肥料に同じ名前のものがあるのと、

議決に際して党派的立場を取らず自主的に投票する政治家を指す政治スラングがあるそうです。

なんか結果的に裏切り者っぽかったので、そういう政治的なネーミングの意図がありそうですよね。

水棲ムカデ

麻薬の原料ともなる巨大水棲ムカデ。

マグロくらいでかいので、もちろん実在はしません。

しかし、2021年に沖縄で143年ぶりに新種が発見されたそうなので、水棲ムカデ自体は実在するそうですね。

麻薬物質になるかどうかは知りません。

「ビデオドローム」と近いテーマ

本作は「ビデオドローム」に近い作品であるように思います。

これに気づくと、かなり本質に迫ることができます。

宮崎駿監督最新作「君たちはどう生きるか」にも繋がるポイントをブログで詳しく解説します👇


「裸のランチ」とは

こちらもブログで👇


今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

「裸のランチ」の考察をお伝えしました!

やっぱり難解です!

でも特撮は見ごたえあります!

虫が苦手な人はきついかもしれません…笑


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