家具店のお姉さんの、Yチェアを魅力的にさせた一言
個人的なことですが、いわゆるデザイナーズ・チェアが欲しいなと、ずっと思っていたわけです。
たとえば3本脚のアントチェアが好きです(金沢21世紀美術館にずらっと並んだ様子とか、たまらない)。
でも、いざ買おうとすると、部屋に合うか。1脚10万くらいしちゃうものなので、慎重になりました。
結局、定番のYチェアが良さそうだと思ってきたのが昨年。
ただ、寸法が部屋に合わず……諦めました。でも、諦めたモノって、やっぱり魅力的に見えて。
そこで、部屋のレイアウト変更と合わせ、Yチェアを買おうと決めました。
Yチェアの良さ
デンマークのハンス・J・ウェグナーがデザインしたYチェア(写真はカールハンセンの)。正式名は「CH24」ですが、背もたれの形からYチェアという愛称で呼ばれています。
ファンは多く、日本でもYチェアの本が出てますね。
https://www.amazon.co.jp/dp/4416516274
中国・明の時代の椅子にインスピレーションを受けて、デザインされたというだけあって、どこかオリエンタルな雰囲気。
「だから日本の家にも合います」とは、わりとどこの店でも教えてくれます。
ほかにも、世界で評価されるデザインや座り心地の良さなど……。決まり文句のようにどこでも言われました。
店のお姉さんの一言
ところが、某店のお姉さんが言ったことはちょっと違ってたんです。
前段として、2020年10月31日現在、このYチェア、発売70周年の限定カラー・特別価格で売っています。
限定カラーは、すべてマットカラーの、白や黒、赤などの5色。
特別価格は7万円。ふつう、10万近くするのに、7万円、しかも税込みです。
これ、ほかと何が違うんですか?
とお姉さん。
もちろん色は違うけれど、それ以外の仕様は変わらないそう。では、なぜ?
変なこと、とっても好き
この「ときどき変なことをする」という言葉に、しびれました。
そういう完璧じゃないことって良い。やっぱり、ちゃんと完璧にやろうとしていても、どこかハミ出してしまうことがあるというのが人間的だなと。
たとえばヒッチコックが、自分の監督する映画にカメオ出演しちゃうのも、ストーリーの本筋からすると必要ない。
でもそういう“変なこと”って、人間的だと思うんです。ま、ヒッチコックはカメオ出演するという意味では完璧で、探すの楽しいんですけれどね(笑)
Yチェアの、70周年だから7万というのも、そういう遊び心がある。すっごくサービス精神満載なのに、人(店のお姉さん)から「変なことをする」と言われてしまう。「自分が引き取ってやらないと」とか思いません?
しかも安いし、限定色だし。
もう、まんまとつられて、購入しました。
出会い方ってやっぱり大事です。
演出ひとつで、好きの深度が変わります。
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