育成年代の指導について

今日、普段から指導しているバレーボールチームの試合でした。試合をしながら思ったことをつらつらと書いてみます。

練習でできていないことはできない。
スポーツは様々な技術を身につけ、様々なシチュエーションに対応できるように練習していくことになります。当然のことですが、メンバー一人ひとりクリアすべき課題も違います。次の試合までにその全てをフォローし、指導してできるようにするのは中々難しいものです。試合がある以上は、個人練習だけに時間を割くわけにもいかず、チーム全体に関わる練習も行わなくてはいけません。チームスポーツに関しては、僕は「技術」と戦術理解を合わせて選手の力量と考えているので、チーム全体の練習も選手個人個人のためになっていると思っています。しかし、個人トレーニングを集中的にやって「技術」にフォーカスした方がいいタイミングの選手もいたりします。このあたりは、試合(特に大会など)があることの難しさだと感じています。
そんな中で、練習でできるようになるまでトレーニングできたプレーは、試合でもできます。ただし、これも難しいところです。バレーボールを例にすると、セッターにクリーンなボールをあげてスパイクを打つ練習を繰り返し行い、いいスパイクが打てるようになってきたとします。しかし、試合ではほとんど打てません。試合ではレシーブが乱れて二段トスになることがまああります。セッターも練習と違う位置からトスを上げることの方が多いかもしれません。ポジションチェンジをして練習の時と違う位置からスパイクを打つこともあります。出来るだけ試合で起こりうるシチュエーションに近い条件の下で練習しておくことが大切になってきます。そこまで練習でできていなければ、試合でうまくいかないのは当然と思わなければいけません。また、シチュエーショントレーニングでできていなかったことも、試合ではできないと思わなければいけません。練習でやっていないこと、練習でできていないことが試合でできないのは、選手の責任ではありません。指導者の責任です。

試合で負けた?

これから練習してできるようになっていけばいいだけです。チームごとにスタートラインは違いますし、立ち位置や目標も違います。選手一人ひとりの課題や目標、チームの課題や目標を把握しなければいけません。そして、課題や目標は「試合に勝つ」や「グループリーグ突破」などではなく、選手やチームの成長においておくべきです。もちろん、モチベーションを高めるために試合に向けた目標を選手に伝えることはあります。試合が終わったら、選手に伝えた目標を基準としたフィードバックをします。でも、指導者の内心は選手やチームの成長にフォーカスしていなければいけません。その眼を持っていないと、選手やチームの小さな成長を見逃してしまいます。小さな成長を見取ることで、選手たちにとって適切な課題を設定した次の練習を組むことができます。また、小さな成長を捉えてフィードバックすることで、選手の気づきや成長を促すことができます。

練習を通じて選手を成長させる。ここに指導者の責任と醍醐味があるんだなとつくづく思いました。

今日の試合に負けた言い訳だと言われればそれまでですが…。

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