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益子の住処#12 竹と暮らしについて思う

新年明けましておめでとうございます。人と会うことが憚られる静かな年末年始でしたが、我が家の庭では小鳥達の賑やかな訪問を受けていました。

というわけで、今年の年末年始も我が家は変わらず益子に引きこもって過ごしました。そしてこの期間にお向かいの竹藪の手入れに取り掛かりました。今回はその様子をお伝えします。

竹藪の手入れの時期

通りを隔てた我が家のお向かいには、竹林があります。かなりの広さの竹林ですがあまり手入れはされておらず、いわゆる竹藪となっていました。

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竹の水分が少なくなる秋から冬にかけては、竹林の手入れをするには絶好の季節です。夏でもできるとは思いますが、水分が多く含まれていて竹が重かったり、その後竹を使って何かを作ったときに腐敗しやすくなってしまうそうです。また、この季節には虫たちもいないので作業がしやすい。実際に、今回の手入れの時も空になった蜂の巣を何個か見つけました。夏に出くわしてしまうと思うと、恐ろしいですね。

竹林の手入れの成果

さて、まずは手入れの成果から。こちらの写真(↓)を見てください!

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しなって道路に飛び出していた竹を取り除き、竹が竹らしく真っ直ぐに伸びています。そして、林縁には常緑樹であるシラカシが所狭しと成長していたのですがそれを伐採したことで、林床にも陽の光が届くようになりました。育ちすぎたノイバラや野イチゴも剪定してスッキリです。そういったものを取り除くと、この辺りには雑木の幼木らが細々と育っていました。この春に、どんな若葉を萌えてくれるのか、今から楽しみで仕方ありません。

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林の奥の方はまだまだ手がつけられずに薄暗いままなのですが、林縁がスッキリしたことでこの通りをお散歩するご近所の方々にも喜んでもらえて、こちらも嬉しかったです。

竹を使った暮らしの品 その1「門松」

さて、伐採した竹のうち、まだ青いものを使って暮らしの品を作ってみることにしました。竹を使った道具といえば竹カゴなど憧れますが、私などは竹を扱うのは初めて。素人でもできてお正月ということもあり、門松を作ってみました。

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調べてみると、3本の竹の長さ比は7:5:3にするそうです。門松の竹の長さなんて、考えたこともなかった。こうやって作ってみると色々な発見があって面白いものです。そして、松も菰も我が家周辺では手に入らなかったので、杉の葉や竹の端材で代用。ナンテンの葉はたくさん手に入るのですが、ナンテンの実は鳥たちに残らず食べられてしまったので、緑一色の門松となりました!

竹を使った暮らしの品 その2「料理の器」

そして二つ目の竹のお品は、おせち料理のお飾りの器です。竹をパカパカ割っていくとこれも簡単にできます。そして、割った竹の中身がとても綺麗。少し水洗いはしましたが、料理をそのまま置くことには全く抵抗ありません。むしろ、竹には抗菌力があるとの言われいています。そういえば、昔の人は竹を水筒代わりに使っていましたよね。

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竹を使った暮らしの品の作り方

竹を割るときは鉈を使うのが正しいやり方らしいのですが、我が家には鉈がなかったので、薪割り用の道具を使ってみました。これが大正解で、刃の部分に竹を置いて上からハンマーで軽く叩くだけで、繊維に沿ってパカっとキレイに割れます。ちなみに、この道具は女性でも簡単に薪割りができるため、かなりオススメ。ただし、太い薪は割れない。

ちなみに、竹の青い表面の部分は、料理用にサラダ油などをぼろ布に少しつけて磨くだけで、綺麗な光沢が生まれます。この光沢でテンション上がること間違いないので、是非やってみてほしいです。

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竹の可能性はアイデア次第

今回、竹を使ってものづくりをした中で感じたのは、竹は素人にも扱い易くて、アイデア次第で色んな暮らしの道具を作ることができるということ。そして、竹は全国各地で厄介もの扱いされていて、材料としてはいくらでも手に入るという利点もありますよね。
むしろ、道具として利用するだけでは竹藪問題は解決しない(処理しきれない)ので、私は竹ボイラーを導入するのがいいのではと思っています。竹でお湯を沸かして、お風呂のお水にしたり、床暖房の熱源として利用してみたい!いつの日か(できれば今年中に)実現してみたいと企んでいます。
ただ、なかなか手が出る価格ではないので、まずは今年の春のタケノコのアク抜きの熱源は竹を利用した焚き火でお湯を沸かしてみます。

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竹は昔から日本の暮らしになくてはないないものだったのに、気付けば厄介もの…昔のような使い方にはならなくても、今の暮らしに合った方法を考えて適切に使っていき、気持ちの良い竹林の風景が全国に広がっていくことを願います。


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