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【Fly fishing川内】2024年5月18日宮城源流域釣行

今シーズンの雪代(雪どけ水での増水)は1~2週間早く終わったようで国土交通省の水位観測データ(https://www.river.go.jp/index) を見ると鬼首の「轟堰堤」は既に安定水位となっています。ペンションオンザロックの後藤塾長が三途の川の向こう側でロッドを振っているかは知るすべもありませんが、季節はめぐりシーズンはやってきます さてどんなシーズンになることやら。

快晴の岩魚日和

例年より1週早い源流域の釣りは沢の様子が変わっている事も有るので現地に着いてから場所を決める事にして東京を20時に出ました。なぜか道路はすいていて25時過ぎには宮城県「伊達の道の駅」に到着し6時過ぎまで仮眠しました。(朝マズメ、ユウマズメがありますが、あえて陽の出ている時間帯に活動しています、写真を撮影するにも適していて、熊の影響を受けにくいメリットもあります)
前日に雨が降った影響を見ながら移動して来ましたが、状況は良さそうなので軍沢最上流域に入りました。
 9時に谷に降り始めると枯葉の堆積が多く良く滑るので重心を下げながら転ばないように慎重に谷底へ。春ゼミが鳴きタニウツギが咲いてカゲロウも飛んでいて良い雰囲気の中、数投で魚は瀬尻のヒラキからフライを吸い込みました。

今日のテーマは、ラインの軌跡を意識する事で、以前 後藤塾長にペンションの室内で「プラクティス PALミニ」を見せたら狭い空間で完璧にラインをコントロールしビュンビュン振り回して衝撃的でした。

室内キャスト練習用 プラクティス PALミニ


TVや動画撮影でもフライの着地点が主になっていて、ライン軌道のブレやフライ着地時のラインの置き方が見えない事が多いのですが、源流域でのキャストは障害物が多く、フライの空中での動きがブレると枝に引っ掛けたり岩に挟まったりとトラブルのオンパレードとなります。

トラップの多い渓流

引っ掛けたフライやラインを回収できずにポイントをダメにする事も多く、難しいポイントほど尺サイズが居たりします。(上手な人が後追いで尺を釣るのは攻めきれないポイントを的確に釣るからですね)
基本として‟フライはライン軌道上”を飛んでいます、ラインはロッド先端で作った軌道に沿って動きます。つまりロッド先端の動きがコントロールできなかったり、意識が無い場合フライは暴走し引っかかりまくります。
ただ、フライキャスティングでも身体を自由にコントロールするのはとても難しく、例えとして「自転車に乗る事を説明するのと同じくらい難しい」と表現される事も有ります。竿先から7~8mの先にある重さのないフライを、ラインと共に決めた形で水面に置くためには様々なハードルが発生します。

渋谷直人著 「尺ヤマメの戦術」より

「釣れた魚」と「釣った魚」

釣る工程は
①上流に歩きながらバックキャストの障害物を確認する
②流れと深さを見る(魚視点で)
 ・食べ物の流下の多い場所(流れの合流地点)
 ・危険回避場所が有る事
 ・待機に労力を使わない場所
 ・食べ損なわない安定した流れや水面(水流の安定)
 ・定位する目印など特長(底石)
 ・食べ物の流れて来る方向確認(魚の向く方向)
③魚の一等地を予測する(2等地に魚のいる可能性も考慮)
④食わせる場所からフライの着水場所を決める
⑤流れる間にラインにフライが引っ張られる(以下ドラッグと言う)可能性を確認しラインスラック(糸が流れに引かれてもフライが引っ張られないような糸の置き方)の入れ方も考慮する。
⑥ドラッグフリーで流すための流れの筋やライン形状を予想
⑦魚が食べやすいかを再考し(食べ損なう魚も多い)自分のキャストするポジションを決める(魚本位)
⑧枝など障害物を確認してラインを通す場所を決める(バックは見るだけではなく記憶する)
⑨キャスト→フライ&ライン着水→思った場所で食わせる→合わせ→ランディング
これらの工程に予想とのズレが少なければ「釣った魚」として満足できる。
思った場所では食ってくれず、ミスキャストなどで釣れると「釣れた魚」となる。

釣れなかった時の理由

・魚のいる場所の読み違え(水深不足、底から水流が湧いていて定位出来ない流れなど)
・近づきすぎて魚にストレスをかけた。
・フライが水流より速く流れた(ラインドラッグ)
・吸い込もうとしたがライン(テンション)が邪魔で魚がフライを吸い込めなかった(ラインドラッグが原因)

キャスト

うまくロッドを振れないのでライン軌道が乱れるが、ライン軌道を意識していないとロッド先端に意識が無い。
水面に置かれているラインの形状も理解している必要があり(流体は複雑)、水面からラインを剥がす時に、思った位置にバックキャストが飛んでいくように調整する事が出来ていない。そのためにはロールキャストっぽくラインを水面に置き直してからバックキャストに移行する必要がある。
まだ水面にラインを落としていない時は空中でのライン軌道を意識してコントロールする必要が有る。

オーバーヘッドでもサイドキャストでもバックハンドでも真っすぐに振れるのが前提だが(キャストを使いわけられないとフライ先行で流せない)、身体の使い方にブレがあり どこかでトルクが逃げているので逃がさないように意識する必要がある。(距離を伸ばそうと前のめりになるのは釣り経験が多い程有りがちだが、キャスティングする人の軸のブレはライン軌道に反映され、軸をベースした腕振りは各関節とグリップの安定が正しく出来なければロッドは正しく曲がらず、棒を弧を描いて振っているようになってしまう)

結果

色々な事が出来なくても、岩魚にやる気さえあれば釣れてしまう数は増えるのですが、この日は魚にやる気がありすぎて 少々ミスをしても魚に助けられ釣果は非常に良かったです。
想いどうりに釣った魚は2~3割というところでしょうか、練習します。

環境から季節変化を感じ、釣り方を変化させる事も岩魚釣りには大切です


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