「イラッとする」という不幸の連鎖を断ち切ろう
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「イラッとする」という不幸の連鎖を断ち切ろう

びんこ/長谷川敏子

このところ私は、実におだやかな日々を送っている。

朝は近くの公園までウオーキングをして、季節の花々の写真を撮る。今朝、ウオーキングついでに撮った花は、白いツツジ。雨上がりの公園で春の日差しを浴びて、ひときわ白く輝いて見えた。

帰宅後にシャワーを浴びてから、コーヒーを飲む。午前中にちょっと仕事をして、お昼ごはんをつくり、食べる。

午後は散歩がてらお気に入りのカフェまで行き、カフェラテを持ち帰って、それを飲みながらまた仕事をする。

夕方になったら「きょうはなにを食べようかなぁ」と考えながらキッチンへ行き、ビールか焼酎のソーダ割りを飲みながら、おつまみをつくる。

そして、できたおつまみを食べながら、音楽を聴いたり、読書をしたりして、眠くなったらベッドへ入る。

コロナ禍になり、在宅ワークが多くなってからは、ほぼ毎日、そうやって過ごしている。


だがしかし、今日はちょっと違った。

午後の散歩から戻った直後、スマホがブルブルッと震えた。クライアントからメールが来たのであった。

「ん??なんだろう?」

そのクライアントは、定期的に仕事を依頼してくれる編集プロダクションだ。直近の仕事は、3月の終わりに納品した。あれからもう2週間あまり経っている。

「新しいお仕事のご依頼かしらん」

そのクライアントの担当者とは結構ウマが合うので、私は機嫌よくメールを開いた。しかし、残念ながら、新しい仕事の依頼ではなかった。

「今ごろで恐縮なのですが、原稿の内容についてご確認させていただきたく……」

メールの内容をものすごく端的にいうと、私の原稿を読んだエライ人が「この原稿、わからんところがある」と言っているから、書き直してほしいというのである。

その文面から、担当者は本当にとても申し訳なく思っていることがわかった。なぜなら、そのエライ人のところに私の原稿が届くまでの間に、複数の関係者がその原稿を読んでおり、誰も「書き直してほしい」とは言わなかったからである。

私は正直、「そのエライ人の読解力がないんじゃないの??」と思った。

だが、この程度のことで憤ってもしょうがない。ササッと、原稿の修正案を考え、メールに添付して送った。担当者からは「迅速なご対応、ありがとうございます!」とお礼のメールが来た。

そういうメールのやり取りをしてから、改めて思った。

「私、久しぶりにイラッとしたかもしれない」


ふり返れば、コロナ禍になる前の私は、いろんなことでイラッとしていた。

朝、目覚まし時計代わりにしているスマホのアラーム音に、イラッとした。

電車が遅れて取材に遅刻しそうになると、イラッとした。

ランチを食べに行ったお店が混んでいると、イラッとした。

カフェでにぎやかにしゃべっているグループがいると、イラッとした。

コワーキングスペースで原稿を書いているときに、電話の話し声が聞こえると、イラッとした。

飲み屋に行って、隣席のおじさまが自慢話をしていることに、イラッとした。

だけど、コロナ禍になって、あまりイラッとしなくなった。

ほとんど在宅で仕事をするようになり、電車に乗ることも、ランチを食べに行くことも、飲み屋へ行くことも減ったから、という理由もある。

けれども、最も大きな理由は「イラッとする時間がムダ」と思うようになったからだ。コロナ禍になって、なにが起きるかわからないこのご時世に、時間をムダにはできない。時間は有限だ。イラッとする時間を減らして、その分をしあわせな時間にしたい。


「イラッとする」というのは、たいてい、自分以外の誰かが要因だ。だけど、イラッとするのは自分自身であり、イラッとすることによって落ち着きをなくし、それまで順調に進んでいた仕事が進まなくなったりする。

その、順調に進まなくなった時間が「ムダ」だと思うのだ。

たとえば、今日の私は久しぶりにイラッとしたけれど、その原因は「エライ人の読解力がないんじゃないの??」と思ったことだった。

もし、私がイラッとしたままで「なんで、エライ人だけが私の原稿を理解できないのよ?他のみんなは理解できたのに」と、いつまでも原稿を書き直さなかったとしたら?メールの返信を何日間も送らなかったとしたら?

そうなったらきっと、今までウマが合うと思っていた担当者が、私に対してイラッとしたと思う。そして、私に催促のメールをよこすだろう。催促された私は、またイラッとするだろう。

そう。「イラッとする」ということは、不幸の連鎖を生むのである。

それに対して、イラッとした自分をちょっとおさえて、ササッと仕事をやってしまえば、みんながしあわせになる。実際、今日は私が早くメールを返したから、それを受け取った担当者から感謝のメールが来た。

イラッとしてもそれを引きずらないことは、時間もムダにならないし、しあわせの連鎖を生む。

そういうことが、私はようやくわかるようになった。いや、「アンガーマネジメント」ということばや知識としては知っていたが、まったく実践できていなかった。コロナ禍になっていなかったら、今もいろんなことで「イラッとした」ままだったかもしれない。

大事なことなので、もう一度。自戒を込めて。

なにが起きるかわからないこのご時世に、時間をムダにはできない。時間は有限だ。イラッとする時間を減らして、その分をしあわせな時間にしたい。


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びんこ/長谷川敏子
東京在住のライター。山形→沖縄のテレビ&ラジオ局→東京。書く&司会も。得意分野は沖縄・酒・食・ビジネス系など。「いろんな自分があっていい」なのでnoteのテーマは絞らず、徒然に書きます。仕事内容はホームページをどうぞ。 https://www.binco-hasegawa.jp/