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1. 多くの組織ができていない営業組織における目標設計の本質〜Sales Enablement Programシリーズ〜


Buffの営業組織向けコンサルティング「Sales Enablement Program」では数十名のベンチャー企業から上場企業まで数多くの営業組織を改革してきました。


※Buffの営業組織向けコンサルティングサービス


その実際のプログラム実施時には組織や会社によって様々な課題が浮き彫りになります。その上で再現性ある組織づくりを行い、中長期で売上UPに寄与した施策やプログラムの一部を紹介いたします。


第一回目は

「目標設計」


目標設計と聞くと「そんなん毎月経営目標から逆算して設定しとるわ」
と思うかもしれませんが意外に組織や個人にとって「適正」な目標が置かれていることはあまりありません。

なんとなく
「これくらいいけるだろう」
「このくらいいってくれないと困る」
といった感じで決めている組織も数多くあります。

目標は
高すぎると諦め思考になり未達が当たり前の組織になりがちです。
逆に低すぎると組織のアッパーが上がりにくくなります。

目標は

「必死に努力したらギリギリ達成できるかもしれない」

という値に設定するのがベストです。
このちょうどいい絶妙な数字にするのが重要です。


ではどうするか。

我々は目標設計シートというものを独自にスプレッドシートで作成し
それをもとに目標を設計しています。

目標設計に重要な観点は以下です。

・KPIの設計
・KPIからKPIの移行率
・商材のリードタイム
・リソースの可視化

一つずつ説明します。

1. KPI設計

目標設定の大前提にその営業組織にとって最適なKPI設計がされていることが重要です。

一般的には

売上

受注数

案件数

訪問数

架電数

など置かれることが多いですが、当社では売りにつながるアクションとしてその業種業界、営業フロー、商材特性、リードタイムなどあらゆる観点から他に7〜10個ほどKPIを設計させていただきますがKPIの設計に関しては別途書かせていただく予定ですので一旦割愛します。
上記のように個人のKPIを設計し、各KPIに「適正」な目標を設計する必要があります。

KPIの粒度が例えば
「受注数」と「訪問数」のみしか設定していないケースですと
営業メンバーが今この瞬間何を頑張れば達成できるのかがわかりづらくなります。


2. プロセスKPIの移行率

次に過去のプロセスKPIの移行率を見ます。

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組織及び個人の過去営業データはN数が多ければ多いほどKPIからKPIへ推移する率が精緻に出ます。

本来、人によってスキルや経験値が異なるので人によってそれぞれの過去の率によってKPIやKGIの目標を設定すべきですがこの「移行率」が取得できていないと一律の目標を設定しがちです。

例えば移行率が設定できていないと

「おまえ、全然売上上がってないからもっとロープレしろ」
「もっと量こなせ」

みたいなバブル期のアドバイスしかできません。(バブル期5歳とかなので全然知らんですが)

逆に移行率がしっかり把握できていると、

「訪問数は達成しているが訪問から案件になる率が低い。」
「案件はたくさん作れているが全然受注にならない。」
「純粋に量少なすぎ。」

などが把握できます。

さらに発展して

「訪問数は達成しているが訪問から案件になる率が低い。」
・訪問時の営業の質が低いのでは?
→スケジュール握れてる?
→ヒアリングちゃんとしてる?
・あたり先悪いのでは?
→どうやってアポ取ってるん?

など営業課題の目処が絞られていき、仮説の精度があがります。

KPIとなる指標が多ければ多いほど個人や組織の課題が浮き彫りになるので負荷過多にならない範囲で多面的な観点からKPIを設計しておくことも大事です。


3. 商材のリードタイム

業種や商品の特性、価格帯によって
初めて顧客にPRしてから購入いただくまでの期間に差があります。

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上記のようにKPIからKPIに移行するまでに必要な期間を鑑みる必要があります。

具体的には初回、商品のPRをしてから実際売れるまで平均的にどのくらいの期間を要するのか。
案件化してから売れるまでどのくらいかかるかなどを考慮します。


多くのtoB営業の場合、営業活動は当月で終わるものではなく来月以降の達成に向けて種まきが必要です。

よって、リードタイムも目標計算のロジックに入れる必要があります。

この観点なく設計してしまう当月は達成しているが来月以降にしばらく未達が続いてしまう可能性があります。


4. リソースの可視化

最後はリソースの可視化です。
いかに目標達成に必要なKPIを立てられても
人員数、営業活動にさける時間には限りがあります。

そこでリソースを可視化する必要があります。


営業活動を行う営業メンバーの人員で目標を割ることはどの組織でも実施されてると思いますがそれに追加でそもそも営業メンバーが1ヶ月でどれほど営業時間に割けるかも鑑みます。

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それっぽいKPIを立てられてはいるが、受注後フォロー、納品業務、実はセールスの方がCSやその他業務も行なっているなどが原因でそもそも営業時間を全振りしてもKPIが達成できない数字に設定されているみたいなことを避けなくてはいけません。


以上の上記4点を過去データを元に相互に計算すると

天文学的な到底無茶な目標を立てることも、容易に達成してしまうような目標を立ててしまうこともなくなり

個人及び組織にとって「適正」な目標を設定することができます。


今回は営業組織の改革において重要な『目標設計』にお話をさせていただきました。弊社の提供しているSales Enablement Programの一部ですが、このシリーズを読んでいただき強い営業組織を目指している方のお役に立てれば幸いです。


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