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【河和田微住】

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由移住者們開創新文化的手工藝城鎮 移住者が新たなカルチャーを醸す手仕事とものづくりのまち
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言語は、はたして壁となるのか?/河和田微住

文 : 蔡 奕屏(yiiping) 写真:Jerry Wang 翻訳:伊藤ゆか 私の日本語は、とてもじゃないが流暢と言えるレベルではないのだけれど、微住期間、唐突にたくさんの翻訳係のミッションが私に降ってきた。 日本語レベルの問題の他に、僅かな葛藤が時たま生まれている。どうにも、いつも如何に翻訳すべきか躊躇っていて、どんな話題だと話すとバツが悪くなるものだろうとか、ここは端折ってしまっても差し障りないのではないだろうかとか考えてしまう。時に言葉の外にあるもの、それから日台

藉由”不帶回家”所延伸出來的生產體驗/河和田微住

文:田中 翻譯:邱 子菁 福井縣鯖江市的河和田地區,是以生產眼鏡以及有1500年歷史的越前漆器而聞名的製造工藝重鎮。 就一句”今後的重點是消費體驗!”,農村體驗或是傳統工藝等各方面都開始常常看到體驗式旅行方案。我自己也在全國各地做過玻璃杯或陶瓷盤。做的時候會覺得很開心,但實際做出”世上唯一僅有”的作品時,往往都沒有使用就深深收藏在櫥櫃裡。各位有沒有這樣的經驗呢? 為了不讓微住者的工藝製作有這樣遺憾的感覺,在微住倡導的「有益生產,有益消費」概念上,我們想到微住才能做

どのような人が微住に来たの? 台湾微住メンバーをご紹介!/河和田微住

文:蔡 奕屏(yiiping) 攝影:Jerry Wang 翻訳:伊藤ゆか 微住発起人の田中さんは、1月のはじめにFacebookで募集を出し、2月のはじめにはもう台湾微住メンバーたちが福井で顔を合わせることになった! どうあれ、全員が微住に惹かれ「行くと言ったら行く」行動力の持ち主。ここで紹介する一緒に福井微住した6人は「古民家雙層公寓(古民家テラスハウス)」の台湾微住メンバーだ! BuBu(魏 曉恩) 桃園出身。台湾農業推進少女で、目下のところ文学雑誌の編集をメインの

聞いてみたら、台湾に帰った後、みんな変わったって!?/河和田微住

文:蔡 奕屏(yiiping) 攝影:Jerry Wang、曾 祈惟(太一) 翻訳:伊藤ゆか 微住が終わって2ヶ月が経ったが、今もまだ時折まぶたの裏にinstagramで見た、メンバーたちがシェアした微住中の写真を思い描く。うっかりアプリを開けると、あの時の古民家や、突然降ってきた雪を見てしまって、ついつい思い出の中に沈み込んでいってしまう。 後になってから皆んなとゆっくり話して気づいたのだが、時々思い出の中に没入してしまうのは私だけではなく、微住の記憶は皆んなの心の中に

いったい何故?河和田にはこんなにも若者い移住者が多い!/河和田微住

文:蔡 奕屏(yiiping) 攝影:Jerry Wang 翻訳:伊藤ゆか 台湾の田舎町でも日本の田舎町でも、どこも同じように深刻な高齢化と若者人口の流出という問題に直面している。けれど人口約4,500人の河和田はというと、ここ数年で100人以上の移住者が外から移住してきており、間違いなく特例中の特例と言える町なのだ! 「この100人は、どんな人なんだろう」「河和田はいったいどんな凄まじい魅力をもっているのか」……これは私たちの心の中に浮かんだ、是が非でも解き明かしたい謎で

河和田微住エピローグ/河和田微住

文・攝影:Jerry Wang 翻訳:伊藤ゆか 大阪と京都を通るのは3度目だったか、5度目だったか。そこを通り過ぎるということは、濃厚な地方文化へ迫っていくということだ。微住というものは、その土地の人々と一緒に、心ゆくまで遠慮なしに自分の才能を発揮するもの。青春は短く、存分に楽しまねばならない。微住に参加することで、互いの関係はぐっと近づく。 地方を知るのには、たくさんの段階がある。河和田の微住プランでは、最初に「地方の生活をリアルに質感として味わって」と言われ、日本のメ

河和田での”to do list” =夢の漆自転車に乗る/河和田微住

文 : 蔡 奕屏(yiiping) 攝影:Jerry Wang 翻訳:伊藤ゆか もしあなたが河和田の漆器工房や眼鏡工房、雑貨屋を一軒ずつくまなく見たいのならば、散歩するのが一番良い方法だ。 けれど、もし日が落ちる前に、色々な夕焼けの風景を見飽きるまで見たいのならば、自転車に乗った方が良いだろう。風に乗ったように早く進めるのだから。特急「しらさぎ」を追いかけて、一緒に走ろう。 ここ数日は温かい日が多い。日が落ちるとちょっと冷えるけれど、紅色に染まる地平線はとても美しく、感嘆

大野へ行き、みんなと遊んだある日/河和田微住

文:魏 曉恩(BuBu) 攝影:Jerry Wang 翻訳:伊藤ゆか 微住二日目の夜は、日本流の「飲み会」で幕を開けた。靴を脱いで、階段を上って、障子戸を開ける。四角くて細長い机を囲むように人々が座り、卓の上には丸いオードブルの皿が鎮座し、串焼きや寿司、前菜料理や丸々一匹を焼いた鯖がのっていて、まさに垂涎必至の光景だった。初めて出会う人たちは親切に自己紹介をしてくれた。日頃の仕事のストレスから解き放たれ、自分という人間が開放されていくような心地だ。初めてこんなふうに日本人と

東郷の初雪─寒いけれど人は温かい/河和田微住

文 : 魏 曉恩(BuBu) 攝影:Jerry Wang 翻訳:伊藤ゆか 東郷で迎える初めての早朝。私たちが布団の中でグウグウ眠っていると、伊藤さんが嬉しそうに扉を開けて入ってきて窓を開けた───「外は雪が降っているよ!」。雪は羽毛のように車の上に積もっており、私はこれ以上ないほど興奮して、一瞬で服を着ると手足が冷えるのにも構わず庭に飛び出し雪の中で跳びまわって、車の窓にハートマークを書いた。庭の松の木にも分厚く雪が積もっていて、天を仰ぐと雪花が舞っていた。ひらひらと落ちて

器が料理に魅力的な彩りを添える—福井の漆器工芸/河和田微住

文:魏 曉恩(BuBu) 攝影:Jerry Wang 翻訳:伊藤ゆか 日本料理の店へ行くと、味噌汁は丸いお椀に、うな重は四角い丼重に入っている。お盆や箸などを含めた一揃いが、赤と黒の容器で統一されていることが日本の食卓の美学であり、それは台湾人にとっては馴染みのないものだ。艶のある高品質な漆器はプラスチックの質感を彷彿とさせるほど滑らか。その美しい見た目と複雑な工芸技術によって「プラスチックかと思った」と誤認させるほどの完成度に達している。私は福井に来て、漆器製造の魅力的な

工房を開き、新しいものを創り出していく。谷口眼鏡、転換の道/河和田微住

文・攝影:Jerry Wang 翻訳:伊藤ゆか 福井微住に応募したキッカケは、自分が今かけているハンドメイドの眼鏡だった。近年、日本のハンドメイド眼鏡が台湾で人気を集めており、その中でも「金子眼鏡」が最も有名だ。96%のハンドメイド眼鏡が福井の鯖江市で作られていると、微住に来て私は初めて知った。 最初に福井について知ったのは「策展的時代(キュレーションの時代)」という台湾の人気書籍からだった。その本の中で鯖江市の田中眼鏡が例として触れられていた。眼鏡屋の田中店主は消費者の

越前和紙 老舗製紙会社の新たな展開/河和田微住

文 : 蔡 奕屏(yiiping) 攝影:Jerry Wang 翻訳:伊藤ゆか およそ1500年の歴史をもつと言われる越前和紙。越前市の今立地区は日本の和紙発祥の地と言い伝えられている。品質や種類の多さ、生産量、どれをとっても日本で一二を争う越前和紙は、明治政府が全国共通の政府紙幣を発行する際に採用されるほど評価が高いものだった。 しかし、輝かしい歴史に次第に影がさすようになる。時代の変化とともに和紙産業は衰退。売り上げは年々下がっていき、さらに和紙の材料不足が追い討ちをか

「仕事はおしまい!ご飯だよ!」ユニークなお昼の時報/河和田微住

文:魏 曉恩(BuBu) 攝影:Jerry Wang 翻訳:伊藤ゆか 午前11時のPARKオフィスはいつものように明るく清々しかった。すっきりシンプルな白壁と、明るい色のデスクが作業空間を軽やかに見せていて、示し合わせたかのように皆んなが持ってきていたMacbookがあちこちに置かれている。チームごとに別れて議論に没頭していた11時30分。外で激しくサイレンの音が鳴り響いた。大空に鳴り響くそれはちょうど台湾の軍事演習で聞くような音で、耳をつんざくようである。気づかなかったら

※受け入れ中止【募集】RENEWに微住する?

※首都圏を中心としたコロナウイルスの再度感染拡大のため、今回の受け入れは中止とさせていただきます。申し訳ございません。 【実施概要】 福井県で年に一度開催される、ものづくりを見て・知って・体感する産業観光イベント「RENEW」。その事務局チームとともに、工房見学や撮影、取材などに取り組んでくれる微住者を募集します! ・費用:24,000円(宿泊費込) ・期間:8/3〜8/9(6泊7日) ・人数:5名程度 ・場所:鯖江市河和田地区 ・宿泊施設:男女別のドミトリー形式の予定。