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NIR 2021を終えて


8月。第4回のノースアイランドラリーが終了した。North Islands Rallyと題している。複数形なのは、もともと、これが北海道とサハリン(樺太)という2つの島を結んだラリーとして開催されるものだったからだ。稚内とコルサコフを結ぶフェリーが運休となり、2016年以降、中断していたが、昨2020年に、北海道で完結するラリーとして再開したという経緯である。Islandsであるから、いつかまた二つ以上の島を結ぶルートを持ったラリーとして再開しようという希望も持っている。本州と北海道でもいいだろうし、北海道離島でもいいが、本当は、サハリンに行きたい。さらに、サハリンのホルムスク港から沿海州のワニノに渡りモンゴルにまで行こうと考えていた。

北海道とサハリンは、国境という見えない線によって隔てられているが、自然相には明らかな連続性がある。西海岸は大抵、断崖が続き、東海岸は、幅広い砂浜が多く、サロマ湖のような汽水湖は、サハリンにも多いが、やはり東海岸、すなわちオホーツク岸に見られるものだ。植物相も同様である。

アムール河に発する流氷がもたらす恵みは、ひとしく、北海道とサハリンの人々を豊かにしている。二つの島は、極東という暗闇に、繭に包まれて浮かぶ双子のようなものなのだ。ただ、人の手によって別々の存在のように扱われている。きっと過去のノースアイランドラリーの参加者は、そのことを直感的に理解しているに違いない。


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