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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
1998年に創刊。世界のエンデューロ、ラリーのマニアックな情報をお届けしています。
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2020年4月の記事一覧

写真集 ISXDAYS Wales 1983 佐藤敏光

SIX DAYS Wales 1983 FIM International Six Days Enduro Photo Collection by Toshimitsu SATO First edition : February 5, 2012 1913年に初めて開催されたFIMの6日間競技は、昨2019年で94回目の開催を迎えました。現在はもインターナショナルシックスデイズエンデユーロという名称ですが、1980年までは「インターナショナルシックスデイズトライアル」という名

THE WORLD OF AIR RACE - エアレースに昂ぶる。

ぼくは千葉の幕張海浜公園で開催されたエアレースのTV中継にかじりついていた。いつかこの目で観てみたい。興奮もさめやらぬままに過ごしていると数日後、何気なくSNSを眺めていると、仕事の上での先輩にあたる、ある人のツイートを目にした。「エアレースのこと、もし今からでも記事にしようというメディアがあるならば引き受ける」。短い文章の中に、伝えたいという情熱が漲っている。ぼくはすぐに電話のアドレス帳をたぐっていた。その人の名は後藤武。自らもエアロバティックス機を操るライダー出身のパイロ

練習の鬼とアルプスの少女ハイジ

BIGTANKのNo.228で、RedMotoのCRF250RX、トーマス・オールドラティのバイクの記事を掲載して、このnoteにも載っていますが、その記事の中で、「トーマスの唯一の欠点は練習し過ぎることだ」、という監督の談話がありました。 写真・文 / 春木久史 それで思い出したのが、2010年のENDURO GP イタリア大会を取材した時、レースの翌日に見かけた、練習風景でした。牧草地のクロステストは、すでに木杭とコーステープが撤去されていましたが、2日間走った跡が、

印刷された雑誌 BIGTANK No.228もよろしくお願いします~

隔月刊、偶数月の25日に発売されるエンデューロとラリーの専門誌で、このnoteオンライン定期購読マガジンのベースになっているものです。 BIG TANK No.228 2020年4月20日 発売号 ●暗闇から栄光へ Interview ビリー・ボルト FIMスーパーエンデューロ2019-2020チャンピオンへの道のり。 ●MY RIDE トップライダーのマシン紹介  ビリー・ボルト F Husqvarna FE350  タディ・ブラズジアク KTM350EXC-F  ト

No.228記事 - 台湾亀山越野硬耐力 - ハードエンデューロアジア王者決定戦

海外レース参戦の敷居を下げるアジア4国を繋ぐハードエンデューロ・カルチャー 亀山ハードエンデューロ2020 in 台湾 2020年2月23日(日) Report and Images:Satoru Ii(ANIMALHOUSE) 10万円以内で参戦できる海外レース 可能なワケは地元との強力なコネクション 近年で大きな話題となったISDEへのワールドトロフィー派遣や、エルズベルグロデオ、アフリカエコラリーなど、海外レースへの参戦は誰もが憧れる華々しい舞台だ。しかしある程度、

いかにshercoが進歩的だったかを証明する - Looking Back 2010

旧型モデルの過去記事などほとんど意味がないように思えるが、このモデルに限っては少し違う意味を持つ。群を抜くライダビリティはShercoのすべてのモデルに共通する特徴だが、それがこの2010年モデルですでに充分に表現されていたことに驚かされる。たぶん、今乗ってもほとんど古さを感じないだろう。 250ccという小排気量車に、一早くフューエルインジェクションを採用していたのもこのメーカーだった。しかも、スロットルをわずかに開けたところからしっかりとライダーの意思に追従するレスポン

彼方へ - Go Beyond - 連載 Vol.14

彼方へ - Go Beyond - 連載 Vol.14 著 / 山 田 徹 第三章 モンゴルへ 其の三 リスクマネジメント 試走を終わらせ、赤松を連れて発表会の待つ東京に帰ってきた。試走隊の残るメンバーはウランバートルに帰り、車両と機材の整備におわれていた。引き続き試走を続けるためだ。 駐日モンゴル特命全権大使、一等書記官、そして日本石油株式会社の広報部長、MFJの代表が発表会のあるアークヒルズのANAホテルの控え室に揃った。進行台本は、広告代理店と日本石油の広報部で推敲

No.228記事 - タディのスーパーウェポンから学べるものはあるか

担当メカニックは言う。「いくらなんでもこれはやり過ぎだと思うるこんなのはタディにしか乗れない」。このピーキーぶりは、現在のFIMインドアを象徴する「狂気」だ。 わずかなブレイク期間を経て、最前線にカムバックした2019年。ポーランドの開幕戦で優勝したタディ・ブラズジアク。2020年のFIMスーパーエンデューロは、最終戦のキャンセルで早々にタイトルが決定することになったが、最後までビリー・ボルト、ジョニー・ウォーカー、そしてタディ・ブラズジアクによる三つ巴のバトルが続いた。ポ

No.228記事 - ENDURO GPを走るRedMotoの250ミサイルを解説

彼の唯一の欠点は練習し過ぎること」とチーム監督を苦笑いさせる。オールドラティはなんと1シーズンで5台以上のCRFを乗りつぶす。 残念ながらCOVID-19の影響でキャンセルされてしまったが、この取材は、エンデューロGPの開幕その直前に行われたものだ。RedMotoが熟成を重ねたホンダの4ストローク250cccは、間違いなく、今シーズンのスペシャルテストで最上級の走りを披露する。シックスデイズが予定通りにイタリアで開催されるなら、そこでもトロフィチームの活躍を支えるだろう。

No.228記事 -鈴木健二が本気で勝ちに来た G-NET 2020開幕戦 - 奈良

G-NET2020 R1 CGC大和奈良ハードエンデューロ in 奈良トライアルマウンテン G-NET全日本ハードエンデューロ選手権 第1戦 2020年3月22日 奈良県 Report and Images:Satoru Ii(ANIMALHOUSE) 「今年はG-NETがメインレース」 鈴木健二が本気で勝ちにきた 2年目にして早くも伝説のレースと化しつつある奈良トライアルマウンテンでのCGCが、今年もG-NETの開幕戦に選ばれた。昨年、コースの下見を終えた高橋博が「誰も

思い出のMY RIDE - HONDA XR250 服部名人編

服部泰さんと言えば、知る人ぞ知るXR使いです。 茨城スポーツランドでは、たまに中学生の鈴木健二さんやその兄貴が来て、バカっ速さを見せてたんだよね。初めて衝撃の中学生、健二さんを見たとき、僕は空冷のDT125に乗っていて、ジャンプして空中に出たら前輪を落っことし、慌てて単車から飛び降りて喝采を浴びたのでした。

No.228記事 - 逆風の開幕戦 MFJ全日本エンデューロ選手権2020

MFJ全日本エンデューロ選手権 第1戦 中国大会 2020年3月15日 テージャスランチ(広島県) Text : Hisashi Haruki Photos : Masanori Inagaki / off1.jp 逆風の開幕戦

No.228記事 - YAMAHA TENERE700 テストライディング 松井勉

TEST RIDE / YAMAHA TENERE700旅するファンバイク 蘇るビッグオフという悦びText : Tsutomu Matsui 史上2例目 パリダカに由来する名称 ヤマハのTenere700が発売された。テネレとは80年代、人気が加速するパリ-ダカールラリーが好んで通過した砂漠の名前であり、遊牧民トゥアレグの言葉では何も無い場所を意味するという。初代は1983年に空冷単気筒600ccを搭載したXT600Tenereとしてデビューした。30リットル入りの燃料タ

サハリンのオフロード旅情報 No.4 — 大泊からブッセ湖〜ノビコボへ

五十年前の北海道、あるいは日本の風景が、そのまま保存されているかのような寒村の風景に、あなたは何を感じるでしょうか。サハリン、イメージの旅。 文 / 春木久史 のんびり走れば、ちょうどよく一日を楽しむことができるおすすめルートです。コルサコフからアニワ湾を右手に見て南下すれば、すぐに静かで懐かしいサハリンらしい田舎の風景を感じることができます。