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BIGTANKマガジンは、年6回、偶数月に発行されるエンデューロとラリーの専門誌(印刷されたもの)です。このnoteでは、新号から主要な記事を再編集して順次掲載。バックナンバーの… もっと読む
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2020年3月の記事一覧

これ以上のエンデューロレジェンドはいないのです - イタリアが誇るヒーロー - ジオ・サラ

北イタリア、ベルガモに行って、ジオを知らない、と言ったら、たぶんみんなびっくりします。(長いので何度かに分けて読んでください) イタリアエンデューロシーンのヒーロー、オフロード界のレジェンド。ISDE、エンデューロ世界選手権だけではなくラリー、エルズベルグやジルラレイクラシックなどのエクストリームイベントでも大活躍。ダカールもKTMの開発ライダー兼サポート役として参戦を続け、2006年にはコマ、デプレに続く3位でフィニッシュする活躍。950ラリーを全開で走らせるなど、豪快な

エンデューロの強さとは何か - 危機的状況に負けない理由

ジョルジュ・ヴィエガス氏がFIM(国際モーターサイクリズム連盟)の会長にに就任したのは2019年。歯に衣着せぬ物言いをする人物として知られるポルトガル出身の人物は、着任してすぐに難しい問題にとりかかった。 文 / 春木久史 カバー写真 / 稲垣正倫 ISDE2019より 馬場大貴

tm製の卓越した性能のエンジンと、前衛的シャーシの融合。初期のGASGASはすごいバイクだった

GASGASの軽快な操縦性は、おそらく、以後のエンデューロマシンの設計に少なくない影響を与えている。もしハードエンデューロがもっと早く流行していたら、GASGASというメーカーの位置づけは今とは違ってものになっていたのではないか。

彼方へ - Go Beyond - 連載 Vol.10

明けて九月十七日、いよいよラリーはその舞台を魔の砂漠タクラマカンに移した。勝負の行方はシトロエンのピエール・ラルティーグ、ミツビシの篠塚建次郎らに絞られている。シトロエンは、半年前のパリ・ルカップでミツビシのユベール・オリオールに「まさか」の後塵を拝している。 著 / 山 田 徹

競技スポーツに取り組む価値 - 日高を運営する意味

外出自粛なのでみなさんに読んでいただけますバックナンバー記事記事の再編集  今年も、日高ツーデイズエンデューロの準備が進められている。北海道の中央部、山間の小さな町を基点に、1周150km程度、一般道路から山岳路まで、いろいろなシチュエーションを含むコースを用意し、競技会の名称が示す通り、2日間に渡って、モーターサイクルの信頼性と選手個々の技量を試し合う耐久的な競技会だ。 1984年に初めて、苫小牧で開催された2日間競技が、1986年に開催地を日高町に移したのがこの大会の

戦争と6日間競技の起源 - 銃を捨てバイクに乗れ

100年の歴史を経て、今年は8月にイタリアで開催が予定されている。COVID-19の影響でエントリー手続きは暫定的に停止している。予断は許されない状況だが、なにがあったとしてもこれでISDEが終わるわけではない。第一次世界大戦、第二次世界大戦と、6日間競技は二度の悲しい年月を経て続いてきた。モーターサイクリストたちは、銃を捨て、一台のモーターサイクルとともにパルクフェルメに急いだ。西も東も、民族も宗教も関係なく…。

北海道4デイズ競技長が教える - 夏のツーリングスポット情報 vol.2

筆者は、2007年に始まったクロスカントリーラリー北海道4デイズのコースディレクター(兼競技長)という仕事をしていて、道北、道東を中心に、春から夏にかけて、延べ一か月ほど北海道を走っています。このnoteでは、時々、そこで得たおいしいもの情報や、気持ちいい林道情報なんかを載せていこうと思います。もちろん、ラリーで走るルート上、あるいはちょっとだけ寄り道してアクセスできるところ限定です。

日高ツーデイズエンデューロにスモールサイズのバイクは通用するのか

エンデューロとは、エンデューロバイクが競い合うために存在してきたのではない。ましてやオフロードバイクのための競技でもない。誰にも門戸が開かれたチャレンジングなスポーツである。 文 / 春木久史

彼方へ - Go Beyond - 連載 Vol.9

ラリーは十一日目、カスピ海沿岸の町ネビット・ダグをあとに、これから本格的に東に進む。ここはトルクメニスタンという国である。首都はアシハバード、向かうのは首都に程近いダルワサという町。灼けつくようなカラクム砂漠の乾燥した大地だ。イランやアフガニスタンの国境は、道を間違えたら十五分で着くほどの距離だ。 著 / 山 田 徹

闘うエンデューロライダー - シングルトラックの女性選手たち

体格、筋力がものを言うことも多いエンデューロというスポーツで見せる女性たちの勇気。 文 / 春木久史 写真 / 稲垣正倫

コルトン・ハーカーの芸術的ライディング

Forever Perfect - Ft. Colton Haaker x 2020 FX350 コルトン・ハーカーは、スーパークロスライダーでしたが、怪我によってその道を断念。身体的な負荷が比較的小さいトライアルに転向。しかしレースへの情熱を捨てることはできず、エンデューロに転向。そこで成功への道を歩み始めました。 モトクロスで培ったスピードとフィジカルストレングス、そして第2のライダー人生として選んだトライアルで鍛えた技術が融合し、新しいジャンルであるエクストリームエ

夕暮れのパドックで彼は最後まで子供たちの要望に応じていた ― 或る耐久選手が死して残したもの

「無冠の帝王」。人が彼をそう呼ぶ時、そこに揶揄の意味合いは含まれていなかった。本当に実力があり、敗れてなお誇り高く、弱音や言い訳を口にすることがない。ライディングスタイルは誰よりも激しかったが、言動は北欧の森のように静かだった。

北海道4デイズ競技長が教える - 夏の道東・道北ツーリングスポット情報 vol.1

ウイルス騒動で世間はシケた話ばかりなので、ちょっと気分を変えて夏の思い出を。筆者は、2007年に始まったクロスカントリーラリー北海道4デイズのコースディレクター(兼競技長)という仕事をしていて、道北、道東を中心に、春から夏にかけて、延べ一か月ほど北海道を走っています。このnoteでは、時々、そこで得たおいしいもの情報や、気持ちいい林道情報なんかを載せていこうと思います。もちろん、ラリーで走るルート上、あるいはちょっとだけ寄り道してアクセスできるところ限定です。

書籍紹介を含む短い文章 - 死に近づくこと」

「山での死は決して美しいものではない。しかし、そこに死の危険が無かったら、行く理由を見出せるだろうか。」  どういうわけか、この数年、尊敬するライダーたちの訃報に接することが多いような気がしてならない。たまたま、そういう時期、そういう年齢になっているだけかもしれない。